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自分たちの手で育てる―木曽漆器青年部

ページID:0026166 更新日:2022年9月30日更新 印刷ページ表示

未来の子どもたちのために先人が残していく

岩原裕右さん

​interview
木曽漆器青年部
部長
岩原 裕右さん

国産漆が不足。自分たちで植える

自分たちの手で育てる

木曽漆器の原材料である漆は、1本の木から採れる量はわずか牛乳瓶1本分といわれるほど、貴重なものです。現在、そのほとんどが中国産で、私たちが所属する木曽漆器工業協同組合では、地元産の漆を確保するため、これまで市内外のさまざまな場所でウルシの木の植樹を行いました。漆を採取するまでに15年以上掛かりますが、これまで植樹したウルシの木も少しずつ成長しています。

未来に向けた取り組みが始動

未来に向けた取り組みが始動

今年度から、長野県地域発元気づくり支援金活用事業として、木曽漆器青年部と楢川小中学校が連携した新たな取り組みがスタートしました。その名も「育てる漆器プロジェクト」です。産地の子どもたちに地元の産業である木曽漆器に深く触れてもらうため、給食で使用するトレーを制作・提供し、子どもたちが自ら漆塗りを施して毎日使ってもらうという取り組みです。傷が付いても、毎年一緒にメンテナンスをし、漆の経年変化を感じながら自分だけの漆器に育てていきます。
私が子どもの頃は、木曽漆器はとても身近にあるものでした。しかし、現在木曽平沢に住んでいる子どもたちの中でも、漆器が家業ではない家庭が増え、身近に木曽漆器がない家庭も増えています。今後、後継者が出て来ないと、この文化は途絶えてしまいます。楢川小中学校の給食では木曽漆器を使用していますが、もっともっと木曽漆器に触れる時間を持ち、深く触れていく中で、成り手、伝え手になる人が一人でも出てきてくれたらうれしいと思っています。プロジェクトの中には、子どもたちが学校にウルシの木を植樹して、管理に携わる計画もあります。今やっていることが自分のためだけではなく、人のため、未来のため、将来の産地のためになると思って作業する体験は、子どもたちにとっても大きな学びになるのではないかと思っています。

岩原裕右さん工房ギャラリー

岩原裕右さん工房ギャラリー