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子どもから大人まで、実際に農林業を営んでいる方の指導を受けながら、「種まきから収穫まで」の一連の農作業を体験する取り組みです。
ひとつの作物について2つ以上の作業 (米の栽培の場合 : 苗作り、田おこし、畦づくり、代かき、田植え、水管理、草取り、稲刈り・・)を、年間2日以上行うことで、その中で、体験者が自然の恩恵に感謝し、食に関わる活動への理解を深めることを目的としています。
一年を通して栽培に関わることにより、農作物の成長を感じたり、作業することの大変さを理解することもできます。また、自ら育てた作物の収穫は、何ものにも代えられない喜びとなるでしょう。
生産者の方々がどのような思いで、どのような作業をして、どのように作物を作られているのか、そういったことをうかがいながら作業を行なうことで、食への理解をより深めることができます。
食べることによって私たちの命が培われています。「食」は私たちの生活に欠かせないものでありながら、最近はその重要性が軽視されがちになってしまいました。
さらに、生産の場と生活の場の距離が遠くなっているいま、食への関心や理解を高めていくには、食が生まれる農産物の生産や収穫を自ら体験することがとても重要です。
平成17年7月に施行された「食育基本法」に基づいて作成された「食育推進基本計画」(平成18年3月内閣府の食育推進会議にて決定)では、「自然の恩恵や食に関わる人々の様々な活動への理解を深めること等を目的とし、一連の農作業等の体験の機会を提供する教育ファームの取組みが計画的になされている市町村の割合の増加」が、食育の大きな目標として掲げられました。
洗馬小学校では、全校児童が協力してレタスの栽培体験を行なっています。
畑を貸していただいている農家の方や、JAの方から栽培の指導を受けて、4月の種まきから始まり5月の定植、6月の収穫までを体験します。
大きく育ち、収穫されたレタスは、その日の給食のサラダになり、全校生徒で味わいます。レタスが口に入るまでにたくさんの手間や苦労があることを知り、自分たちで育てたレタスには、仲間や地域の方たちのぬくもり、愛着などが感じられ、給食を食べる子ども達は、おいしそうに残さずに食べることができます。
また、たくさん収穫されたレタスは、市内小中学校の給食で使用のほか、農産物直売所で販売しています。
全国でも有数のレタス産地であることから、地域の農業生産を教育に活かすことは、郷土の生活を支える農業への愛着や郷土愛を育み、さらに、食べ物の生産に関わる人達の苦労を体験することで、食事全般への関心が高められす。
塩尻幼稚園では、考える農業学習塾の方から大豆づくりを教えてもらいながら栽培体験をしました。
種まき、枝豆の収穫、大豆拾いなどを通して、作物の成長過程を知り、作る苦労もわかりました。
収穫した大豆は家に持ち帰り、お家の方と一緒に豆腐を作ったり、揚げたりして、自分が栽培した作物を食べることまでできました。
家族で一緒に調理をする楽しさも体感でき、また、会話の中から大豆の栄養や、しっかり噛んで食べることの大切さなども伝わったようです。
農家のおじさん、おばさんとふれあいながら、たくさんの知恵を伝えていただき、食べ物を作る大変さや、苦労して作ったものを大切にしたいという、食べ物に対する感謝の気持ちも育てることができました。