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宗賀本山集落の西を流れる奈良井川の左岸にあるのが「池生神社社叢」で、広さは4,210平方メートルの範囲です。
もともと、この地方の平坦地の自然林は針葉樹をほとんど含まない雑木林で、針葉樹は後に第二次林として発達したものです。本社叢でもモミやアカマツが数本あるほかはほとんど針葉樹を含まず、美しい古来のままの林ということがいえます。
また、長野県は、一般的に北方植物と南方のものとの接触点にあたっているため、自然林があれば、県南部では暖帯系のものが、県北部では北方系の要素が相当数入り込んでいるほか、日本海系のものも入り交じる複雑な地域となっています。ところが、本社叢は県の中央にあるためか、これらの影響はごく僅少となっており、これも本社叢の特徴です。
社叢内にはトチの巨木が多いほか、約180種の植物が確認されています。