本文
郷原宿は、北国脇往還(善光寺街道)が洗馬宿で中山道と分かれ、村井宿(松本市)にいたる間の中継宿の役目を果たしてきた宿場です。
宿の区画割は整然と整備され、他の宿より間口が広く、奥行は道の両側ともに四十間を宅地分とし、その奥にさらに六十間の耕地割が続いています。一般に宿場の建物は街道に面して平入が多いですが、郷原宿は妻入の本棟造(ほんむねづくり)、雀おどりのついた切妻が街道に面しており、さらに家の前の街道との間に前庭があります。古井戸は郷原宿発足当初、3か所に作ったと推定されますが、現在は問屋の井戸が復元されています。