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平出の泉は、木曽山脈北端の大洞山北西の山地と比叡の山の東端にはさまれた所にある湧水で、かなり広範囲に分布する石灰岩の空洞に集まった伏流水が鍾乳洞の出口から湧き出しているものと推定されています。平均水温は年間を通じ10度、湧水量は毎秒45リットル、水深6m、水面面積16.7アールで冬季も凍結しません。今の堤は江戸時代に田用水として貯水を目的に築かれたもので、濁りを知らない清冽な泉は四時満々と湛えられ、春は桜花爛漫として池面に影を映す風情は思わず人の足を止めさせます。
この泉は平出遺跡から200mほどの所にあり、集落形成の要因となり、縄文時代以降現在の人々も極めて大きな恩恵に浴しています。