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この袈裟は西福寺の貴重な宝物の一つで、絹地、木欄、九条衣で当時開山圭嶽珠白和尚の師僧である、越前の心月寺住職の才応じ総芸和尚から永禄3年(1560)に伝衣(でんえ)されたものであり、さらにそれから20年後の天正8年(1580)、圭嶽珠白和尚から西福寺第二世長国宗永和尚に嗣法(しほう:仏法の法統を受け継ぐこと)した折に付与されました。そしてこのことは墨書銘としてこの袈裟に縫着され、以後代々受け伝えられて現在に至っています。
伝衣とは、単に伝承された袈裟をいうのではなく、師匠が嗣法の弟子に対し、その証として与えた袈裟のことで、戦国時代の伝衣(袈裟)が現在まで大切に受け継がれて来ていることは県内でも極めて稀であり、貴重な史料です。