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小野神社の梵鐘は永禄7年(1564)に、武田勝頼が寄進したものであることが鐘銘に刻まれています。武田勝頼は戦勝祈願のため、この鐘を鋳造させて小野神社へ寄進したもので、鐘楼をつくりこれに納めています。この梵鐘は江戸時代以前の鐘としては極めてはできばえが優れており、特に竜頭は特殊な形をしています。
ところが、いつの頃か村人が雨乞いのため、上の山から霧訪山へ引き上げて鐘をうち鳴らし、帰りは山頂から転がし落としたので、鐘の一部は破損し、鐘銘も摩滅してしまい、現在判読できる字数は29文字のみとなっています。