本文
矢彦・小野神社社叢は、小野神社と辰野町矢彦神社両神社の範囲に広がる社叢で、中央線小野駅北方約1kmのところにあり、平坦地にあって、広さが36,326平方メートル、周囲に民家が連なっています。
この社叢は、サワラ、カヤ、モミ、ウラジロモミなどの針葉樹と、ナラガシワ、ケヤキ、ハウチワカエデなどの夏緑広葉樹とが大多数を占めています。それに加え、ソヨギ、ケンポナシ、ハルニレなどが交じり、これらの老木がうっそうと茂った典型的な混交林となっています。
中部地方の植生は、古い時代にはこうした混交林でおおわれていましたが、近時人工が加わり、その姿は一変した様相を呈しています。したがって、この社叢は古くからの天然林の遺物ともいうべきものとなっています。