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この社殿は一間社流造り(いっけんしゃながれづくり)、屋根はこけら葺きです。向拝正面に軒唐破風をつけ、その後ろには千鳥破風を置いています。桁行(間口)2.4m、梁間(奥行)1.95m、向拝の出1.85mと大きな社殿です。現在の本殿は天明2年(1782)6月の再建で、大工棟梁は諏訪の宮大工で、大隅流の名工柴宮長左衛門矩重(のりしげ)です。矩重は立川流の立川和四郎富棟と腕を競い、県の内外に多くの秀作を残しています。彫刻は特にすぐれ、この社殿にも彫刻が多く、鳳凰や龍、鯉、兎、麒麟、鶴、亀などの彫刻を見ることができ、それぞれが趣を異にしているのも長左衛門の特徴です。