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瓦塔とは奈良時代から平安時代にかけて、木造建築の五重塔などを模倣した焼物製の塔のことで、屋根や壁などが部材ごとに作られ立体的に組み上げられています。この瓦塔は昭和62年(1987)に塩尻市片丘北熊井の菖蒲沢窯跡から発見されたもので、高さは231.8cmあり、復元された瓦塔としては日本最大です。
全体の形は五重塔を示した均整の取れた姿で、奈良時代後半に作られたと考えられています。斗栱(ときょう)や棰(たるき)などの組物表現や相輪部の水煙なども写実的に表現され、美術的観点からも優れたものと言えます。