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丸山漆器店大谷石蔵は、重要伝統的建造物群保存地区である塩尻市奈良井地区の北端にほぼ接するように位置しています。
この建物のような大谷石の建造物は、昭和20~30年代(1945~1955年代)に日本各地を旅する木曾漆器製品の行商が宇都宮付近で大谷石による建物を見て、工期の短さなどの魅力に惹かれ木曾漆器生産のための塗蔵として導入されたものです。しかし、実際に建ててみると粉塵や結露、温度管理など難点が多く、実用的でなかったためそれ以降は建てられることがなくなりました。
石造三階建、桁行及び梁間とも5.8m、切妻造、妻入、桟瓦葺の建物となっています。内部は各階とも一室からなり、一階では漆器の研ぎを、二階では中塗りを、三階では上塗りの作業を行うことが想定されていました。