本文
中山道塩尻宿陣屋跡に建つ酒造業の家で、店舗兼主屋、穀蔵、造蔵の3棟が登録文化財となっています。
店舗兼主屋は桁行(けたゆき)19m、梁間(はりま)11mの木造二階建の建物で、一階外壁の両端を海鼠壁(なまこかべ)とし、庇上に波頭紋(なみがしらもん)の役物瓦をあしらっています。また、中央の玄関両側にはスクラッチタイルを貼り、明治と昭和初めの意匠を融合した、重厚で特徴的な外観としています。
穀藏は大正8年(1919)の建築で、桁行18m、梁間7.3mの二階建土蔵です。切妻造で置屋根式の桟瓦葺とし、東面北寄りに下屋を付けます。一、二階境の高さまで海鼠壁とし、表面に大小の窓を穿ち、格子を入れた重厚な構えの大型土蔵です。
造蔵は敷地の南半を占める大型の土蔵で、穀藏と同時期に建てられました。桁行38m、梁間16mの二階建、切妻造、置屋根式の桟瓦葺の建物で、北・西面に広い下屋を張り出させ、南・東面の一・二階に窓を規則的に配してリズム感を与えています。
3棟の大型の建物が建つ様子は、塩尻宿の宿場景観を引き立てています。