本文
外観
近世奈良井宿において塗漆問屋を営んでいた家で、主屋・土蔵共に天保14年(1843年)頃の建築です。主屋は奈良井宿の町屋の最も一般的な規模の間取りで、2階の縁部分が1階より張り出す出梁(だしばり)や、猿頭(さるがしら)と呼ばれる桟木(さんぎ)で横板をおさえた、小屋根と通称する板庇(いたびさし)など特徴的な表構を持っています。必要に応じ旅籠機能を果たすなど、当地方の宿場町の経済活動をあきらかにするものとして極めて価値が高い建物です。旧楢川村(塩尻市)に寄贈され、昭和49年(1974)より「資料館中村邸」として一般公開しています。