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塩尻市手話言語条例が制定されました
塩尻市手話言語条例が制定されました
塩尻市手話言語条例とは
手話は、手指や体の動き、表情を使って視覚的に表現する言語(目で見る言語)であり、聴覚に障がいのある者のうち、手話でコミュニケーションをとって日常生活や社会生活を送る「ろう者」にとって、欠かせないものです。
しかしながら、長い間、手話の位置づけが明確でなく、ろう者は多くの困難を抱えながら生活を送ってきました。
平成23(2011)年に障害者基本法に、手話は言語であることが明記されましたが、塩尻市ではいまだ手話に対する理解が深まっているとは言えない状況であることから、市民の手話に対する理解促進、手話の普及に関する基本理念を定め、市の責務、市民や事業者の役割を明確にすることで、手話を必要としている人がいつでもどこでも手話を使い、共生することができる地域社会を目指すことを目的とした条例案が塩尻市議会令和3年12月定例会に提案され、令和3年12月17日に可決、制定されました。
なお、施行日は令和4年4月1日となっています。
塩尻市手話言語条例制定までの経過
- 平成30年から令和2年にかけて、塩尻市聴覚障害者協会や手話サークル、塩尻市派遣通訳者の会、塩尻市議会などを中心に、手話言語条例制定のための勉強会や懇談会を開催。
- 令和2年2月に、塩尻市手話言語条例推進協議会が発足。
協議会の構成員は、塩尻市聴覚障害者協会、塩尻市手話言語条例制定議員連盟、塩尻市派遣通訳者の会、塩尻市
令和3年12月まで計17回開催し、条例制定に向けて、具体的な内容の検討や必要な手続きの準備を進める。
- 令和3年11月25日、塩尻市議会令和3年12月定例会において、議員提出議案として塩尻市手話言語条例議案が提案される。
審議の結果、令和3年12月17日に議員全員の賛成により可決され、条例制定。
- 塩尻市議会で条例案が可決された令和3年12月17日に成立報告会が開かれました。
令和3年12月17日 成立報告会で関係者が集まり記念撮影
塩尻市手話言語条例(前文のみ)
手話は言語である。
言語は、知識を蓄え、思考し、お互いの意思疎通を図り、文化を創造する上で必要不可欠なものであり、人類の発展に大きく寄与してきた。音声言語(耳で聞く言語)である日本語に対して、手話は、手指や体の動き、表情を使って視覚的に表現する言語(目で見る言語)であり、ろう者は、音声言語とは異なる語彙や文法体系を有する手話を必要とし、大切に育んできた。
しかしながら、長い間、手話が言語として認められず、音声言語を耳で聞くことが困難なろう者にとって、手話を習得し、使うことができる環境が整えられてこなかった。そのため、ろう者は、十分な教育を受けることが保障されず、必要な情報を得ることや意思疎通を図ることに困難を抱えてきた。また、多くの不便や不安、時には不平等を感じながらも、音声言語が十分認識できないまま、社会に合わせる生活を余儀なくされ、このことが不本意な衝突や孤立を招き、良好かつ対等な社会参画の妨げになってきた。
このような中、平成18年に、国際連合総会において障害者の権利に関する条約が採択され、平成23年には、我が国において障害者基本法が改正され、手話が言語として位置づけられた。これにより、ろう者が手話を使って意思疎通を図り、独自の文化を醸成し、社会に参画することが保障されることとなったものの、手話に対する理解の広がりをいまだ感じるに至っていない。
ここに、市民一人一人が、手話は言語であるという認識に基づき、手話の理解に努め、お互いを尊重し、分かり合い、心豊かに共生することができる塩尻市を目指し、この条例を制定する。
塩尻市手話言語条例
条例の全文、各条文はこちらのPDFファイルをご覧ください。