本文
残したい塩尻の動植物 ~レッドデータブック~
残したい塩尻の動植物(レッドデータブック)について記載しています。
残したい塩尻の動植物 ~レッドデータブック~
近年、多くの野生生物が減少し、既に絶滅してしまった種や絶滅に瀕している種が増えています。種の絶滅を防ぐためには、絶滅のおそれのある種の現状や絶滅の危険性の度合い、減少の理由などを把握することが大切です。
このレッドデータブックは、塩尻市に生息する野生生物のうち、絶滅のおそれのある種の現状を明らかにして、絶滅の危険性の度合いを評価し、より多くの人がより健全な自然環境の保全活動に取り組むことができるようにするために作られました。
レッドデータブックってなに?
すでに絶滅したり絶滅のおそれのある生き物の種類とその現状、減少の理由などの情報をとりまとめた本のことです。塩尻市では、平成14年度に塩尻市版レッドデータブック作成委員会(10名)を設置して、現地調査及び選定作業などを行い、平成18年3月に発行しました。このレッドデータブックは、市内の図書館や支所などで見ることができます。
レッドデータブックの目的
- 塩尻市に生息する野生生物のうち、すでに絶滅したり絶滅のおそれのある種を明らかにし、絶滅の危険性の度合いを評価すること。
- 絶滅のおそれのある野生生物を守るために、多くの人々が自然の保全活動に関心を持ち、保護活動を行なうための基礎資料とすること。
絶滅のおそれのある野生生物(PDF形式)
絶滅のおそれのある生き物の評価段階区分は、環境省のレッドデータブックに準拠して、次の6段階に評価しました。
区分 | 略称 | 基本概念 |
---|---|---|
絶滅 | EX | 塩尻市では、既に絶滅したと考えられる種 |
野生絶滅 | EW | 飼育、栽培下のみ存続している種 |
絶滅危惧IA類 | CR | ごく近い将来における野生状態での絶滅の危険性が極めて高い種 |
絶滅危惧IB類 | EN | IA類ほどではないが、近い将来における野生状態での絶滅の危険性が高い種 |
絶滅危惧II類 | VU | 絶滅の危険が増大している種 |
準絶滅危惧 | NT | 現時点での絶滅の危険は小さいが、生息条件の変化によっては、上位にランクされる可能性を有する種 |
情報不足 | DD | 評価するだけの情報が不足している種 |
塩尻市では、植物121種、脊椎動物30種、無脊椎動物132種を、絶滅のおそれのある生き物として取り上げています。それぞれ種名、絶滅のおそれの評価、特徴、生育・生育環境、分布等の状況について解説しています。
なお、市内の状況等は、貴重生物の保全の観点から公表を控えさせていただきます。
次のPDFファイルをクリックすると、その解説を表示します。
- 植物(その1)[PDFファイル/1.93MB]
- 植物(その2)[PDFファイル/1.98MB]
- 植物(その3)[PDFファイル/1.74MB]
- 脊椎動物[PDFファイル/1.42MB]
- 無脊椎動物(その1)[PDFファイル/1.43MB]
- 無脊椎動物(その2)[PDFファイル/1.45MB]
- 無脊椎動物(その3)[PDFファイル/1.38MB]
- 無脊椎動物(その4)[PDFファイル/1.44MB]
保全すべき地域・環境
生き物は、1種類だけで生きているのではなく、食べ物、住みかなど他の生き物と関わりを持ちながら生活しています。そのため、多様な生き物が生息する良好な環境、特定の環境に依存する生き物の生息する環境などを保全していくことが重要となります。塩尻市では、16ヵ所を取り上げています。(楢川地区を除く)
要注意種(環境に良くない影響を与える生物)
要注意種とは、自然環境、農林水産業、人、家畜等に対して、自然の状態では生じなかった悪い影響を与える生き物をさします。これらの生き物は、次のような悪い影響を与えることが考えられます。
- 在来種の捕食、在来種との競合など生態系の攪乱
- レッドデータにあげられた種の成育・生息への脅威
- 近縁種の交雑による雑種の発生など遺伝子の攪乱
- 繁茂による日照の減少など生態系基盤の環境改変
- 農林水産業などへの産業被害
- 人間にかみついたり、病気をうつしたりする健康被害
次のPDFファイルをクリックすると、要注意種の解説を表示します。
これらのなかには、特定外来生物法による生態系等に係る被害の防止に関する法律(外来生物法)に指定されているものもありますので、注意が必要です。特定外来生物に指定されたものについては、次の項目などについて規制されます。
- 飼育、栽培、保管及び運搬することが原則禁止されます。
- 輸入することが原則禁止されます。
- 野外へ放つ、植える及びまくことが禁止されます。
特定外来生物等一覧(環境省HP)<外部リンク>
保全に向けて -どうしたら絶滅を防ぐことができるのか?-
1 絶滅の主な3つの原因
- 人間活動の直接的な自然や生態系への影響(開発や造成、河川や道路整備、動植物の乱獲など)
- 人間活動の縮小や生活スタイルの変化による影響(里山の荒廃や二次草原の放置など)
- 人間活動によって持ち込まれた移入種の影響(国外や国内の他地域から持ち込まれた生き物による在来種の捕食や交雑など)
2 保護対策
生き物の絶滅を防ぐには、それぞれの原因に応じた対策が必要です。生き物が絶滅する原因はいくつもあって、それらが絡み合って絶滅に至ると考えられています。したがって、その生き物の生息に関わる環境全体を保全することが大切なのです。
- 開発時の環境影響評価
- 工事における配慮と施工後のモニタリング
- 自然や生き物に関心を持ち、理解を深めること
- 里山や草原など放置された場所の維持管理
- 環境に悪い影響を与える生き物の駆除作業
- 生息数の少ない動植物の採取の監視活動
- 生息数の少ない動植物の保護対策活動
- 市内での動植物の生息有無や分布状況の調査研究
3 塩尻市の動植物をまもるために…
- 希少な野生植物を採って、庭に植えるのはやめましょう。
- 外来植物は、人の管理が行き届かない山や川などへは植えないようにしましょう。
- 採集のため林を荒らしたり、過度に採集するのはやめましょう。
- ペットショップや園芸ショップで買った生き物は、最後まで面倒を見て、野外に放したり、捨てるのは止めましょう。
- 外来魚を釣って、他の池や川に放すのはやめましょう。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)