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広報塩尻2026年5月号テキスト2ページから7ページがご覧になれます。
問い合わせ 学校教育課 児童生徒支援係 電話0263-52-0280内線3114
ゴールデンウイークなどの長期休みの後は、生活リズムの崩れや不安から、学校に行きたくないと思う児童生徒が増えます。本市には、不安を感じた時の相談窓口や、教室以外での学びの場があります。今回は、本市の不登校支援の取り組みと、多様な学びの場についてお伝えします。
35万3970人。これは、全国の小・中学校における不登校児童生徒の人数です。不登校児童生徒数は12年連続で増加し続けており、10年前と比較して約3倍となっています。本市でも全国と同様に、年々、不登校児童生徒数は増加しています。不登校は今や、誰にでも起こり得る身近なものとなっています。
国の調査では、不登校の定義を「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるため年間30日以上欠席したもののうち、病気や経済的な理由によるものを除いたもの」としています。
不登校の背景にはさまざまな理由があり、子ども自身もはっきりと分かっていない場合も多くあります。また、不登校は、体や心を休め、自分を見つめ直す時期として必要な一面もあります。子どもの気持ちに寄り添い、「学校に行かないのは悪いことではない」という周囲の理解とサポートが大切です。
一方で、不登校になることで、学業の遅れや進路への影響などの不安や、人とのつながりが希薄になり孤立してしまうといったリスクが課題となっています。
また、不登校が続くことで、保護者が離職や休職をせざるを得ない状況に追い込まれてしまうといったケースも指摘されています。不登校は、子どもや家庭だけの問題ではなく、学校をはじめ地域社会全体で取り組んでいく問題です。子どもの不登校に関する不安や悩みを感じたら、家庭で抱え込まず、まずは学校の担任や支援員、相談窓口などに相談してください。
一人ひとりに合った多様な学びの場が広がっています
本市では、一人ひとりに合った学びを提供し、子どもたちの意思を尊重して社会的な自立を支援するため、市教育支援センターが中心となって不登校支援の取り組みを進めています。支援に当たっては、学校に行くことだけを目標とするのではなく、学校には行けるけど教室には入りづらい、家から出ることはできるけど学校には行けない、家から出ることができないなど、児童生徒一人ひとりの状況や思いに合わせた支援を、民間事業者や地域と連携して行っています。
次ページからは、本市の不登校支援の取り組みと、教室以外での学びの場を紹介します。
令和6年度 小学校137,704人、中学校216,266人 合計353,970人
出典:児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査(文部科学省)
国の調査では、不登校の要因について学校が把握している事項として、「学校生活に対してやる気が出ないなどの相談があった(30.1%)」が最も多く、次いで「生活リズムの不調に関する相談があった(25.0%)」「不安・抑うつの相談があった(24.3%)」「学業の不振や頻繁な宿題の未提出が見られた(15.6%)」「友人関係をめぐる問題の情報や相談があった(いじめ被害を除く)(13.2%)」などが挙げられています。
ただし、不登校の要因は一人ひとり異なるほか、複数の要因が複合的に絡み合っている点に留意が必要です。
教育支援センターは、学校に行きづらい・行けない児童生徒の学びの支援や、児童生徒や保護者の不安や悩みに寄り添った支援を行う市の機関です。学校や民間事業者などと連携して不登校支援に取り組んでいます。
市教育支援センターでは、令和7年4月から公式インスタグラムを開設しています。学校内外の学びの場の様子や、不登校の児童生徒の保護者向けの情報などを発信しています。右のコードで、ぜひご覧ください。「二次元コード」
本市では、児童生徒一人ひとりの状況に合わせて寄り添った支援ができるよう、また、自分に合った学びが選択できるよう、さまざまな不登校支援を行っています。
不安や悩みを抱える児童生徒には、担任による個別配慮や座席の工夫、給食登校などを行います。また、一人ひとりが「分かった」「できた」を実感できる授業改善に取り組みながら、すべての児童生徒が安心できる学校・学級づくりを進めています。
教室に入りづらかったり、少し気持ちを落ち着かせてリラックスしたいという児童生徒は、保健室や相談室で過ごしたりするほか、学校内にあるスペシャルサポートルームで学習することができます。詳細は次ページをご覧ください。
学校以外の場所で学びたい児童生徒は、市内2カ所に設置した高ボッチ教室に通うこともできます。少人数の落ち着いた環境で、教科学習をしたり、読書や運動、ボードゲームなどをして過ごせます。詳細は6ページをご覧ください。
民間のフリースクールを選択する児童生徒についても、フリースクールと市教育支援センターが連携し、寄り添った支援を継続できるよう取り組んでいます。また、県の認証を受けたフリースクールを利用する場合は、市の補助金を受けられます。
心と体の休養を経て、不登校から一歩踏み出すきっかけになるよう、児童生徒が興味を持って取り組めるさまざまな講座を、地域の支援員の協力を得ながら開催しています。詳細は7ページをご覧ください。
不登校についての不安やお悩みがありましたら、学校または学校教育課へご相談ください。
「親として何をしてあげられるか」「塩尻市の不登校支援を知りたい」などのお悩みについて、教育支援センター職員、子と親の心の支援員にご相談ください。
■期日 5月15日金曜日・29日金曜日
■時間 13時00分から17時00分
■場所 塩尻総合文化センター
■申し込み方法
右のコード(Googleフォーム)または学校教育課(電話0263-52-0280 内線3114)へ電話でお申し込みください。「二次元コード」
■申込締め切り日 各相談会の3日前
本市では、不登校の児童生徒の保護者を対象とした親の会「育ちを見つめる笑顔の会」を開催しています。今年度は、保護者同士で語り合うフリートークを開催します。詳細は、保護者用の学校情報配信アプリ(Home&School)で通知します。
■期日 ○7月10日金曜日 ○11月27日金曜日 ○令和9年2月5日金曜日
■時間 18時30分から20時00分
■場所 塩尻総合文化センター2階大会議室
スペシャルサポートルーム(SSR)は、教室に入りづらいときや、気持ちを落ち着かせてリラックスしたいときなどに、落ち着いた空間で自分のペースで学び、生活できる場所です。
本市ではこれまで、学校外の中間教室を不登校支援の拠点としていましたが、学校の中で、自分に合ったペースで学習ができる居場所として、令和6年度から一部の学校にスペシャルサポートルームを開設してきました。8年度からは、設置校を拡大し、すべての小・中学校に開設しています。
悩みや不安を抱えながら登校している児童生徒にとっては、教室が安心して生活できる居場所とは限りません。スペシャルサポートルームでは、教室以外の場所でも学びたい児童生徒のために、安心して過ごし、やりたいことを自分で選択できる環境づくりに取り組んでいます。
■開室日
市内小・中学校の登校日
■開室時間
始業から放課後まで
■場所
市内各小・中学校
■利用方法
在籍する学校にご相談ください。
■活動内容
先生と相談しながら、一人ひとりに合った学習内容や活動を決めます。
「写真」学校内にある、教室とは違う環境の部屋で、少人数で落ち着いて学習や活動ができます。
勉強したい子にはクラスの学習内容を確認して学習支援し、勉強以外の活動をしたい子には興味のあることを聞き、活動を通してエネルギーをためて学校に来るパワーにつながるようにしています。普段から、子どもたちの話をよく聞いて横並びの関係を築くことや、小さいことでも言葉で感謝や善い行いを伝えることを心掛けています。学びの場は教室だけではなくいろんな所にあるので、安心してください。
人がたくさんいる所が苦手、人間関係で悩んでいるなど、悩みはそれぞれですが、「授業を受けたい」「好きな活動をしたい」などの生徒の考えや、先生たちにどう関わってほしいのかなどを聴いて、生徒自身が過ごし方を決められるようサポートしています。教科担当の先生と連携してオンラインで授業を受けられるようにしたり、高ボッチ教室と連携したりするなど、過ごしやすい居場所づくりを目指しています。
高ボッチ教室は、学校以外の場所で学びたい児童生徒のために、市が設置する教室です。小学生を中心とする「小高(しょうたか)ボ」は塩尻総合文化センター内に、中学生を中心とする「中高(ちゅうたか)ボ」は塩尻西小学校の敷地内に教室があります。
学校とは違う環境の中で安心して過ごしながら、学習や制作活動をしたり、校外活動をしたりしながら、一人ひとりに寄り添って、社会的自立に向けた支援を行っています。
高ボッチ教室に通っている間も、学籍は在籍している学校にあり、高ボッチ教室に通った日は、在籍している学校に出席したことになります。また、高ボッチ教室では、常に学校や民間事業者などの関係機関と連携を図り支援を行っています。そのため、高ボッチ教室に通い始めてからでも、在籍する学校に通ったり、スペシャルサポートルームやフリースクールと併せて利用したりするなど、一人ひとりに合った利用ができます。
「写真」小高ボの教室
「写真」中高ボの教室
■開室日 原則、市内小・中学校の登校日
■開室時間 9時00分から15時00分
■場所
○小学生 塩尻総合文化センター
○中学生 塩尻西小学校敷地内
■利用方法
学校教育課(電話0263-52-0280 内線3114)にご相談ください。
※小学生は原則、保護者の送迎が必要です。
■1日の活動スケジュール
○午前 子どもに合った課題(教科学習や読書、個人制作など)
○午後 小集団での活動(運動、ものづくり、ゲームなど)、個人での活動
学校に行きづらいけど、家から外に出てみようとする子どもたちの選択肢の一つが高ボッチ教室です。ここには仲間がいるので、集団活動の楽しさを知ることや、学校や学年が違う人と活動する経験ができます。また、在籍する学校との連携、体育館での運動や校外学習を通して、子どもたちの学びにつなげています。高ボッチ教室で過ごした1日の終わりに、みんなが笑顔で帰れるように心掛けています。
生徒は、午前は個々での学習に集中し、午後はさまざまな集団活動をして過ごしています。お互いを尊重し合い、仲間を大切にする生徒の姿が見受けられます。学校だけではできない体験をさせてあげたいですね。生徒が自分で決めたことを尊重して、ボランティアの方々にご協力いただきながら、さまざまな活動に楽しく取り組んでいます。この場所が、生徒にとって安心で安全な居場所になるよう、学校と連携しています。
スキココは、心と身体の調子を整えるための充電期間を過ごした児童生徒が、学校生活や社会生活に向けて最初の一歩を踏み出せるよう、地域の支援者の皆さんと連携して体験講座を開催する居場所です。
昨年度まではチャレンジルームという名称でしたが、より親しみやすい名称に改名。「スキだから集うわたしたちの教室 ココロが動けば、それはもう学びの始まり」というキャッチフレーズのとおり、ネイル、トランポリン、理科実験など、さまざまな講座があります。家にこもりがちであまり外に出ることがない児童生徒も、興味を持って一歩外へ踏み出すきっかけとなるよう、コーディネーターが地域の皆さんに協力を呼び掛けて講座を開催しています。
スキココは、市内の小・中学校に在籍する不登校の児童生徒は誰でも参加できます。また、高ボッチ教室に通いながら参加することもできます。
「写真」
■開催日 週2回程度
■開室時間 13時00分から14時30分
■場所 塩尻西小学校4階、市内各所
■利用方法 学校教育課(電話0263-52-0280 内線3114)にご相談ください。
■開催講座 ネイル、子どもヨガ、ものづくり・ロボ、市立図書館企画、生け花、理科実験、トランポリン、イラスト、学習サポート など
市内でトランポリン教室を運営しています。私自身、無口で、保健室で過ごすこともあった学生時代を経て大人になり、学校の授業以外で子どもたちのために何かできないかと思っていたところ、トランポリン講座の話をいただき、自分と同じような悩みを抱えている子どもたちの力になりたくて引き受けました。
子どもと接するとき、大人の方が人生経験があるので、先回りして失敗を回避しがちですが、子どもの選択を尊重して失敗させてあげるのも大切だと思います。成功は、失敗の反対にあるのではなく、失敗の先にあるもの。失敗の経験こそ大人になって生きてくると考えます。講座でも、挑戦して失敗して、自分で考えるよう促しています。そうした経験が成長のきっかけになればいいなと思います。
学校に行きづらさを感じる子どもたちに安心できる居場所をつくりたいと思い、core塩尻で「おいでよデルタルーム」という活動をしていました。そのことがきっかけで講師の依頼があり、イラスト講座を担当しています。一人ひとりのレベルを見て声を掛けると、「もっとこうしたいけど、どうしたらいいの」など質問をしてくれます。また、講座を通して、作品を見てほしいなど、自分を表現できるようになっています。自分で決めたことや好きなことに責任を持って取り組めるよう、背中を押してあげる大切さを感じますね。講座に来ていた子がcore塩尻のキャラクター「フォクタ」を創ったように、好きなことが将来につながることもあります。絵を描くことに興味があれば、気軽に来てください。