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移住者インタビュー(神奈川県横浜市→高出)
長谷川 悟さん みどりさん (2017年移住 夫婦・こども3人)
悟さんが塩尻市に住民票を移したのは、安曇野市の山小屋で働き始めた2017年。
ただ、当時は下山した時や郵便物の届け先として原新田にアパートを契約していて、居住実態はほとんど無かった。
安くて駅が近ければということで居住場所にこだわりはなかったものの、北アルプスを始めとした日本を代表する山々への抜群のアクセス、自然と街のバランスなど、徐々に魅力を感じていった。
同じく山小屋で働いていた東京都出身のみどりさんと結婚後、子どもが生まれたことで、これまでに感じていた暮らしやすさをより実感し、定住を決意。
自ら市内を巡り、理想の環境の土地があった高出に2020年に家を購入。
現在も山に関わる様々なお仕事で活躍中。
移住のきっかけは何だったのでしょうか?
悟さん
横浜で生まれ育ったのですが、小学4年生の時、長野県の戸隠に家族旅行で遊びに来てミヤマクワガタを捕まえたのが本当に楽しかった、というのが原点です。
外遊びが大好きだったこともあり、長野の大自然に触れた経験は圧倒的なインパクトで、小学生にして、いつか長野に住む!と心に決めていました。
大学時代には、塩尻市のお隣の辰野町でインターンをしており、住民の方たちと関わる中で、自然と共存する生き方、地域コミュニティの強さと連帯感、外を歩くだけで気持ちがいい四季の移ろいを感じる風景を体感し、改めて将来長野に移住したいという気持ちが強くなりました。
その中でも最終的に塩尻市に決めたのは、田舎過ぎず、都会すぎない絶妙な町の規模と利便性の高さだったように思います。
みどりさん
結婚を機に夫の移住先に引っ越してきました。出身は東京都ですが、長野県には子どもの頃から登山やスキーで訪れていて好きでしたし、憧れもあったので、特に悩むことはありませんでした。
塩尻は交通の要所でどの方向に行くのにも便利だと感じたのと、お店とかも揃っていますし、市の施設や取り組みも新しいことが多くて、住みやすそうだと思いました。
移住前にクリアしなければならなかったハードル
悟さん
当時は独身だったこともあり、山の近くに移住できる、自然の多いところに移住できる、そのワクワクが何よりも勝っていたので、他の事は正直どうでもよかったですね。何かあってもどうにかなると腹も括っていたので特に心配はしていませんでしたが、強いて言うならお金がなかったことでしょうか。
移住する地区を選んだ理由
悟さん
最初は仕事のための移住できましたが、結果住んでみると塩尻市は暮らしやすいかもしれないと気づきました。
定住を決意してからの行動は早く、理想の土地探しが始まりました。
それなりの畑もできて、薪が置ける広い土地、分譲地ではなく、自然に溢れている場所、それが条件でした
中々見つからなかったのですが、半年くらい経ったある時、市内を土地探しのため自転車で走っていた際に、偶然気になる空き地を見つけて問い合わせをした所、ちょうど売りに出る直前で、運よく土地を購入できました。
都会すぎず、でも田舎すぎない、そのバランスがとても気に入っています。

移住してみての感想
悟さん
適度な規模の街と子どものころから思い描いていた自然環境そのもので、正直言って何も不満がありません。
野菜も果物も安くておいしい、夏は涼しく、冬は寒いけど雪はほとんど降らない、川も星も美しく、ちょっと車で走れば車中泊で十分にスローライフを楽しめる。
お金がなくてもQOLが高い生活が送れる、まさに憧れていた生活そのものでした。
結婚、子育てとフェーズが変わっても、えんぱーく、えんてらすなど魅力的な公共施設が充実していて、横浜にいた時には全く感じなかった市の様々な取り組みがどれも公務員っぽさがないことにも惹かれました。
電車、高速道路、高速バスで気軽に大都市とも行き来できる環境も個人的にはとても好都合でした。
みどりさん
とても暮らしやすいです。街の便利さと自然の近さ、両方欲しかったのでそれをちゃんと感じられます。
図書館などの施設が充実しているので大人も子ども達もとても助かっています。
自分たちの実家の東京と神奈川にも電車や車、どちらでも帰りやすいのも便利ですね。
移住してしばらくして、コロナ禍になりましたが、あまり気にしすぎず、のびのびと過ごすことができたのは本当によかったです。
夏は思っていたより日差しが強いので、日中は暑いですが、夕方~朝はとても快適です。買い物も車があればスーパーが何種類も選べるし、直売所に行くのも楽しいです。
お仕事は?
悟さん
元々の資格を活かした福祉関連の仕事と山の仕事の2つを主にやっています
どちらの仕事も自分の過去とつながっていて、今までやってきたことを活かせるのが大きいです。
みどりさん
松本市内にてパートで働いています。職探しの時に、冬と夏で繁忙期と閑散期がくっきり分かれている仕事も多いことに地域の特色を感じました。いずれは農業の仕事もやってみたいと考えています。
子育ての環境はいかがですか?
悟さん
私も妻も自然豊かな環境での子育てを望んでいたので、朝起きて庭で野菜を収穫して食べる、みたいなサイクルが自然とできているのは、田園都市塩尻だからこそだと思っています。
第二子以降の保育料や副食費の無償化といった制度だけでなく、町全体で子どもや若い世代を応援する機運や環境があります。
移住後に増えた支出・減った支出は?
悟さん
都会に子ども3人で戸建の家に住むことを考えれば、支出は全体的に遥かに少ないと思います。水道代は毎月請求が来るので、以前住んでいた自治体は2ヶ月に一回の請求だったことを思うと、高く感じる人もいるかもしれません。
みどりさん
車関係の維持費、交通費、ガソリン代は増えましたね。
食費、特に野菜は安くなりました。
地域との関わりは?
悟さん
市内のキーマンが多数在籍するスナバ(シビック・イノベーション拠点 スナバ)やNPO法人Meguruなどを通じて、市内の活気のある人たちと有難いことに顔見知りになり、何かと機会があればイベントに参加したりしています。
ご近所付き合いでは、薪や要らなくなった木をいただくことがあり、代わりに自分はチェンソーで木を切るなどのお手伝いをしています。
あとは松本市ですが、登山道整備や途中の岩魚留小屋の再興のためにひと肌脱いでいます。
みどりさん
お米作りや畑などの体験を子どもたちと一緒に行う市民団体のつながりで色々な方と知り合えたり、手作りで味噌やしょうゆを作る体験などもさせていただけて、とても感謝しています。
うちの地区には子どもがいないので、近所の方が野菜や赤飯を持ってきてくださるなど、気にしてくださっているのが大変ありがたいです。

困っていること?
悟さん
仕方がないことなのかもしれませんが、車ばかり乗るようになり、歩く機会がすっかり減ってしまいました。職場と家の往復だけでは十分な運動量が確保できないので、意識的に歩くようにしています。
みどりさん
松本市などと比べると魅力的な公園が少ないことですかね。
最近リニューアルした小坂田公園は頻繁に利用していますが、同じように駐車場や遊具が充実して、行きたくなるような公園が複数箇所できると、子どもたちもわたしたちもありがたいなと思います。
市内のお気に入りスポット
悟さん
私からはお金のかからないお気に入りスポット挙げますね。
➤田川のホタル
びっくりするぐらいホタルいて、人に自慢できるレベルなのに人がいなくてもったいないと思います。
これを知ってからもう辰野町に行くのやめました笑。
➤茶臼岳
塩尻市の最高峰標高2652m、塩尻市民でもほとんど登ったことないはず。
眺望抜群です!
➤坊主岳
同じく山ですみません。
山好きの人でも、里山好きというわけでなければ知らないし、登ったことないと思いますが、ここから見る御嶽山は格別です。もちろん信州里山No1の霧訪山も好きですよ。
➤しののめの道
なんか気分が落ちた時にはここをドライブすると、とてもスッキリします。
夜景も北アルプスの眺望もお気に入りです。
➤桑の湯
大門地区にある銭湯の桑の湯はオススメです。
値段も良心的ですし、子ども連れでも安心のユニークな銭湯です
みどりさん
➤高ボッチ高原
富士山と諏訪湖の絶景。気軽に行けるのもいいですね。
➤平出遺跡
広大な敷地でイベントが開催されたり、竪穴式住居に入れたりと子どもたちもお気に入りの場所です。
➤えびのこ水苑
ザリガニ釣りをやったり、春にはお花見したりと楽しみ方色々です。

これから塩尻市で挑戦したいこと
悟さん
わたしは仕事で山の登山道の整備などを行っているのですが、高ボッチ高原の登山道を整備したいです。
登山道が荒れていることにすごく危機感を覚えています。今は完全にオーバーツーリズムで、今手を打たないと手遅れになって、自然の植生が大きく崩れると思います。
塩尻市の有名なスポットでもあると思いますので、土がむき出しで高山植物が踏み荒らされている無残な状態を見るのは、山に携わる人間として本当に心苦しいです。
いつかは市民を中心とした団体を作って、塩尻市を代表する山をみんなで市民で整備しながら盛り上げていきたいです。
移住を考えている人に伝えたいこと
悟さん
⾧野県で移住というと、知名度では松本や安曇野が真っ先に出てきますが、塩尻市には行政も含めて新しいことをとりあえずやってみようという、姿勢と風土があります。
既存のやり方にとらわれない柔軟な姿勢が好きです。
よかったら、広報塩尻(※)を手に取ってみてほしいです。塩尻の広報はなぜか読みたくなります。
※塩尻市のホームページでも閲覧できます
最後にひと言
悟さん
わたしのような山が好きな人にとっても、非常にメリットの多い場所です。
交通の要所なので、どこの山へも行きやすく、高速道路も近い。東京や名古屋などへのアクセスも良い。
わたしは色々な縁があり、結果として塩尻市になりましたが、移住を考えている方も最後は縁と人、そして行動力だと思います。
移住を通じて良い出会いをしてほしいなと思っています。


