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広報塩尻令和8年2月号テキスト版 10ページから11ページ
広報塩尻2026年2月号テキスト版10ページから11ページがご覧になれます。
第39回 全国短歌フォーラムin塩尻 入賞作品
第39回全国短歌フォーラムin塩尻に、全国から1,610首の短歌が寄せられました。表現力豊かな入賞作品を紹介します。
問い合わせ 全国短歌フォーラムin塩尻実行委員会(社会教育スポーツ課内) 直通電話0263-52-0903
最優秀賞
蜻蛉(せいれい)が五限の理科に迷い込み 学級日誌の一面飾る 「写真」 北海道滝川市 武田 生吹さん
【選評 永田 和宏】
五限目の理科の時間に迷い込んできた蜻蛉。誰もが眠かった教室が、それだけで一気に盛り上がったのだろう。「学級日誌の一面飾る」という簡潔な結句で、その様子がよく分かる。
音だけで君だとわかる靴底を 少し引きずる右足が好き 「写真」 塩尻市 児野 帆純さん
【選評 永田 和宏】
五感を集中して、「君」を感じていたいと思う作者だからこそ、目には見えなくとも近づいてくる君の存在はいち早くキャッチしてしまう。「靴底を少し引きずる右足が好き」がいい。
もっと短歌に触れてみませんか
作品集
第39回全国短歌フォーラムin塩尻に投稿していただいたすべての作品を収めた作品集です。
令和8年カレンダー
塩尻市の美しい風景と全国短歌フォーラムin塩尻入賞作品を一緒に楽しめるカレンダーです。
共通事項
■販売場所
塩尻総合文化センター総合受付、塩尻短歌館
※詳細は右のコード(市ホームページ)でご覧ください。「QRコード」
優秀賞
亡き祖父の湖の絵が窓際に 光れる午後の時間に出逢(あ)ふ 「写真」 東京都世田谷区 高田 拓実さん
【選評 小島 ゆかり】
きっと西から陽差しが入る位置に、その絵はあるのだろう。平らかに描かれた湖面が静かに光る。亡き祖父の気配がふっと近づくような、「時間に出逢う」が魅力的である。
幼稚園に戻ったような心地する ひらがな名字の名札に替わり 「写真」 京都府京都市 後藤 正樹さん
【選評 佐佐木 幸綱】
高齢者向けの施設に入居した折の作と読みました。ひらがなで書かれた名札を付けたのでしょう。上句が簡潔かつ端的に状況を表現して、うまい。
実は傘持ってるなんて言い出せず 二人走って渡る信号 「写真」 京都府京都市 藤森 相貴さん
【選評 小島 ゆかり】
そういうこと、ありますね。日常の中の、ちょっとした成り行きの面白さ。歌い出しの自然さと、「二人走って渡る信号」という若々しい動きとリズムが、歌を生かした。
傘ひらく音とじる音聞きながら ビニル傘買う上野駅にて 「写真」 岩手県盛岡市 日詰 菊さん
【選評 佐佐木 幸綱】
出先で急に雨が降り出したので、駅で傘を買っているのです。「音」の題詠で傘を買う事情をさり気なく表現したところは、工夫された表現で感心しました。
ブザー消え千人分の沈黙が わたしの歌い出しを待ってる 「写真」 長野県箕輪町 小林 泉さん
【選評 佐佐木 幸綱】
千人の観客を前に、いよいよ歌を歌い始めようとしている場面です。会場の広さと緊張感が伝わってきます。初句「ブザー消え」も、なかなかの出だしです。
一本の木が木琴となるために 永遠に失ういくつかの音 「写真」 愛知県名古屋市 遠藤 翠さん
【選評 小島 ゆかり】
豊かなつながりが風にそよぐ音や、雨に濡れる音を想像する。木琴になる前に、一本の木であった生命を慈しむ深い感情が伝わってくる。簡潔な表現の中の「永遠に失う」の力。
※この他の入賞作品は、全国短歌フォーラムin塩尻ホームページに掲載しています。ぜひご覧ください。「QRコード」






