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広報塩尻令和7年9月号テキスト版 2ページから5ページ

ページID:0056217 更新日:2025年8月28日更新 印刷ページ表示

広報塩尻2025年9月号テキスト版2ページから5ページがご覧になれます。

特集 やすらぎ支援員 認知症の人とその家族を支える心の安らぎ「写真」

 厚生労働省の推計によると、認知症と軽度認知障害(MCI)の有病率は約28%。4人に1人は認知機能の低下と向き合うとされています。今回は、認知症になっても安心して住み慣れた地域で暮らしていくことを支える「やすらぎ支援員」を特集します。
問い合わせ 介護保険課介護相談係 電話0263-52-0280 内線2133

地域包括支援センターへの相談が増加

 近年、日本では認知症の高齢者が増加しています。厚生労働省の推計によると、今年には認知症の人は約471万人、軽度認知障害の人は約564万人、合わせて約1035万人になるとされ、65歳以上の約4人に1人が認知機能の低下に向き合うこととなります。
 私たちの住む本市でも例外ではありません。令和6年度の市地域包括支援センターで受けた認知症に関する相談件数は、元年度の5・4倍に増えており(左グラフ参照)、今後も相談件数は増加する見込みです。認知症になっても、住み慣れた場所で安心して暮らし続けられる地域。それは、地域住民の理解と温かい支えがある場所です。そのような地域であれば、認知症の人とその家族は安心して暮らすことができるのではないでしょうか。
■市地域包括支援センターへの相談件数「グラフ」
令和元年度 59件
令和2年度 127件
令和3年度 149件
令和4年度 192件
令和5年度 283件
令和6年度 320件
出典:市地域包括支援センター

やすらぎ支援員と心の支え合い

 本市では、地域で認知症の人とその家族を支える体制として、「塩尻市やすらぎ支援員派遣事業」を進めています。やすらぎ支援員とは、認知症についての基礎知識や接し方を学ぶ二つの講座を修了し、訪問支援活動に意欲があり、市に登録している人です。本人や家族の話し相手となり、ひとときの安らぎの時間を持てることで、地域で安心して暮らせるような支援を行っています。
 認知症の人にとっては、日々の「人との関わり」が安心や自信につながり、生活の喜びや生きがいとなります。やすらぎ支援員の支援では、「支える人」と「支えられる人」という一方通行の関係ではなく、つながり合い、支え合える関係を本人や家族と築き上げることができます。
 また、本市では、認知症について学べる機会や、認知症の人とその家族が気軽に集える「オレンジカフェ」など、多くの支援の場を設けています。市民の皆さんが認知症を理解し、地域の中で声を掛け合い、つながり合うことで、認知症になっても安心して暮らせるまちになっていきます。
 皆さんも、やすらぎ支援員の活動を知り、できることから始めてみませんか。

やすらぎ支援員になるには

 やすらぎ支援員になるには、認知症について理解し、認知症の人との接し方を学ぶ二つの講座を受講します。二つの講座や登録手続きなどを紹介します。

認知症サポーター養成講座

 認知症について正しく理解し、認知症の人やその家族を温かい目で見守る「支援者」を養成する講座です。毎月開催している講座のうち、1回受講してください。
■期日 9月20日土曜日、10月11日土曜日、11月15日土曜日、12月13日土曜日、8年1月10日土曜日、2月21日土曜日、3月7日土曜日
■場所 ふれあいセンター広丘
■参加費 無料
■申込締め切り日 各開催日2日前
※デイサービスセンターつくしの郷(電話0263-54-0294)に電話でお申し込みください。
※開催時間などの詳細は、お問い合わせいただくか右のコード(市ホームページ)でご覧ください。「QRコード」

認知症サポーターステップアップ講座

 認知症の知識をさらに深め、地域で認知症の人を支援する活動に生かしていただくための講座です。
■対象 講座を全日程受講でき、次のすべてを満たす人
 ○認知症サポーター養成講座を受講したことがある
 ○認知症について学び、地域でできる範囲の手助けをしたいという意欲がある
■定員 10人
■参加費 無料
■持ち物 筆記用具
■日時、内容および場所
講座1 10月25日土曜日 9時30分から12時00分 開講式、講座 ふれあいセンター広丘
講座2 日時は講座1でお伝えします。 オレンジカフェの参加 市内のオレンジカフェ
講座3 日時は講座1でお伝えします。 認知症デイサービスの見学 市内のデイサービス事業所
講座4 12月6日土曜日 13時30分から16時00分 講座、修了式 ふれあいセンター広丘
■申込締め切り日 9月12日金曜日
※介護保険課(電話0263-52-0280 内線2132)に電話でお申し込みください。
※詳細は右のコード(市ホームページ)でご覧ください。「QRコード」

講座受講者の声 高砂 泰子さん(大門三番町)「写真」 周りの受講生から良い刺激をもらえる機会だと思います!

やすらぎ支援員の活動希望 市に登録

 訪問によるボランティア活動に意欲があり、認知症サポーターステップアップ講座を修了した人は、「やすらぎ支援員」として活動できます。やすらぎ支援員として市に登録し、自宅や外出先に派遣します。活動に合わせて報酬が出ます。
 登録は、デイサービスセンターつくしの郷で受け付けています。登録の際には、履歴書の提出と面接があります。

やすらぎ支援員の利用希望 市に申請

■対象 市内の認知症の人や介護する家族
■利用時間 おおむね週1回1時間半程度
■利用料 無料
■申請方法 市保健福祉センター1階介護保険課介護相談係、各地域包括支援センター、ケアマネジャーにご相談ください。
※派遣先や希望時間などにより、派遣に対応できない場合があります。

本人や家族の心を支える

 認知症の人とその家族が安らげる時間を持てるよう、支えてくれる人がいます。心を支える「やすらぎ支援員」に、活動への思いを聞きました。

支援者の視点 やすらぎ支援員 村石 恭子さん(野村)「写真」 気さくに会話できることが大切

 やすらぎ支援員になろうと思ったきっかけは、認知症サポーター養成講座のお知らせを見つけて参加したことでした。住み慣れた地域でお手伝いがしたいという気持ちはあっても、何から始めていいのか分かりませんでした。塩尻市でできることの情報を集めようと思い講座に参加しました。講座の中でデイサービスでの体験があり、やすらぎ支援員の活動を知り、講座修了後に支援員の登録をしました。
 やすらぎ支援員としての活動は、週に1回、自宅に伺って話し相手になる「話を聴く傾聴ボランティア」です。相手の話を聴くことが中心ですが、雑談する場面もあり、会話で意思疎通がうまくできなくて悩むこともありました。そんな時には気持ちを切り替えて、気さくに会話ができるように「心の居心地」を意識して、ご本人と向き合えるように心掛けています。気さくに話ができ、お互いを信頼した関係を築くことには、時間が必要ですから。また、自宅訪問時に普段と違う様子に気付いたら、市に報告してケアにつながるよう見守り活動をしています。
 ご家族やご本人と話して、自然に笑みがこぼれる時は、支援していて良かったと思うひとときです。

まずは気軽にオレンジカフェから

 こういった活動に興味がある方は、オレンジカフェの交流体験はいかがでしょうか。レクリエーションがあり、参加しやすいと思います。サポーター養成講座を受講して、やすらぎ支援員としての活動を考えていただけるとうれしいです。

認知症のことで困った時の相談窓口

 家族や自分、近隣の人などのことで「不安だな」「心配だな」と思うことがあれば、ご相談ください。
中央地域包括支援センター(大門、塩尻東、北小野地区)
■電話番号 電話0263-52-0280 内線2132
■場所 市保健福祉センター
西部地域包括支援センター(宗賀、洗馬、楢川地区)
■電話番号 電話0263-88-9005
■場所 デイサービスセンターすがのの郷内
北部地域包括支援センター(片丘、高出、広丘、吉田地区)
■電話番号 電話0263-88-3314
■場所 地域密着型特別養護老人ホームこまくさ野村渋池内
ふれあいセンター広丘(要予約)
■相談時間 毎月第1土曜日・第3木曜日 13時00分から15時00分
■電話番号 電話0263-51-5070

ファイブ・コグ検査

 記憶力や注意力など五つの機能の状態を知る「ファイブ・コグ検査」を受けてみませんか。
■対象 65歳以上
■場所および日時
ふれあいセンター広丘 集会室1・2 検査日時 10月7日火曜日 14時00分から15時00分 結果説明会 11月4日火曜日 14時00分から15時00分
市保健福祉センター3階市民交流室 検査日時 11月28日金曜日 10時00分から11時00分 結果説明会 12月17日水曜日 10時00分から11時00分
■参加費 無料
■申し込み方法 市保健福祉センター1階介護保険課介護相談係または電話(電話0263-52-0280 内線2122)でお申し込みください。
※認知症かどうかを診断する検査ではありません。

安らげる時間を持てる

 認知症の人とその家族と、やすらぎ支援員の交流を身近で見守るケアマネジャーに利用者の反応などを聞きました。

利用者の視点 居宅介護支援事業所社協ふれあい ケアマネジャー 笠原 裕子さん「写真」 本人や家族の安らぎにつながる

 私が担当している一人暮らしの方の中にも、やすらぎ支援員の訪問を待っている方がいます。その方は、デイサービスにも通っているため、利用日が重ならないように調整し、週1回やすらぎ支援員が自宅を訪問する時間をつくっています。認知症があるため、前に話した内容などは忘れてしまうこともありますが、ご家族からは会話の時間を楽しんでいると聞いています。週1回のこの時間は、ご本人にとってもご家族にとっても、安心できる必要な時間だと思っています。
 やすらぎ支援員は、養成講座やステップアップ講座を受講した人なので、安心して活動の時間を任せられます。また、事前にご本人やご家族と会ってマッチングするため、相性が良く、毎回同じやすらぎ支援員が来るので、見守りにもなっています。以前には、やすらぎ支援員がいる時に訪問営業が来て、支援員が対応してくれたことがあったと聞きました。やすらぎ支援員が定期的に来ることは、ご本人にもご家族にも安らぎにつながっています。ご本人もやすらぎ支援員も市内で生活しているので、共通の話題が見つけやすく、話しやすい関係がつくれるかもしれないですね。

やすらぎ支援員が増えてほしい

 現在、やすらぎ支援員として活動している人は多くないので、活動する人が増えてほしいですね。やすらぎ支援員は週に1回訪問してくださるので、認知症のあるその方にとって日常の一部になっていて、良い信頼関係が築けていると思います。

認知症について相談できるオレンジカフェ

 認知症の人やその家族が安心して集える、認知症についての不安や悩みを気兼ねなく相談できる場所です。申し込みは不要です。

オレンジカフェふれひろ

■期日 毎月第1土曜日・第3木曜日
■時間 13時00分から15時00分
■場所 ふれあいセンター広丘
■参加費 100円
■問い合わせ 電話0263-51-5070

オレンジカフェ・イースト

■日時 毎月第3水曜日 13時30分から15時30分
■場所 ふれあいセンター東部
■参加費 200円
■問い合わせ 電話0263-52-0280 内線2131(介護保険課)

オレンジカフェ洗馬

■日時 毎月第4金曜日 13時30分から15時30分
■場所 ふれあいセンター洗馬
■参加費 100円
■問い合わせ 直通電話0263-54-3333(介護保険課)
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