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広報塩尻令和7年8月号テキスト版 6ページから9ページ

ページID:0055518 更新日:2025年7月31日更新 印刷ページ表示

広報塩尻2025年8月号6ページから9ページがご覧になれます。

地域福祉シリーズ2 支え合う地域づくり「イラスト」

 なぜ今、地域の在り方を考える必要があるのか。5月号の特集に続き、地域で支え合う互助の大切さについてお伝えします。
問い合わせ 地域共生推進課 高齢支援係 電話0263-52-0280 内線2126

ありたい姿を実現するために

 皆さんは、上のイラストを見てどんな印象を持ちましたか。これは、令和6年度に策定した第六次塩尻市総合計画や第四次塩尻市地域福祉計画などにおいて、本市のありたい姿を表したものです。「ゆるやかなつながりと、感謝が循環する『お互い様文化』で暮らしを支え合い、困りごとの解決に寄り添えるまち」とありたい姿を掲げ、本市ではさまざまな事業を実施しています。また、地域の皆さんと共に「支え合い推進会議」などで、地域づくりの検討を進めています。
 この取り組みの背景には、近年、少子高齢化や生活スタイルの多様化などにより、人と人のつながりが希薄化し、かつてあった地域の基盤が弱まっているという現状があります。
■図 支え合いの仕組み
自助:自分自身で自分の身を守る
互助:身近な人同士で助け合う
共助:社会保険制度などで助け合う
公助:公的機関が社会福祉制度などを通じて行う支援
→ ありたい姿の実現

新たなセーフティネットが必要な2040年

 今年は、団塊世代が全員75歳以上になり、介護保険制度をはじめ、社会基盤に劣化が見られると予想されてきた「2025年問題」といわれる年です。今は後期高齢者になっても現役で活躍している人も多いですが、医療・介護現場は今後さらに厳しい状況に置かれていくと予想されています。
 また、団塊ジュニアが65歳以上になる2040年が、今問題といわれています。現役世代の働き手、支え手が大幅に減っていくからです。この人口減少社会においては、公的な対応だけではありたい姿の実現はかないません。現状を捉え直し、今とは違う新たなセーフティネットを考えていく必要があります(上図参照)。
 高齢者などが、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けるためには、住まい、医療、介護、予防、生活支援が一体的に提供される体制づくり(地域包括ケアシステム)が必要です。次ページからは、こういった地域を再構築するために行っている取り組みなどについて、ご紹介します。
「イラスト」高齢者を支える現役世代の人数は年々減少しています。

医療から「みる」支え合い 在宅医療・介護連携推進協議会 会長 百瀬 篤さん「写真」

地域づくりに医療は不可欠

 塩尻市を含む松本圏域は、基幹病院が多く、救急医療を中心として全国トップレベルの医療環境を誇り病院間の連携もよく取れています。しかし、現在の医療現場は、診療報酬改定により医療従事者の不足など経営課題が増大し、大変厳しい状況に置かれています。このような中でも、高齢化により医療や介護を必要とする人は増え続けています。必要な医療や介護が受けられなくなるといったことが起こらないように、まずは皆さんに現状を知ってもらうことが大切だと考えています。
 医療と介護のない地域に人は住みづらくなってしまいます。塩尻市では、2040年問題などを見据え、医療と介護に係る多職種連携を強化し、高齢者などの在宅生活を支える取り組みを行っています。ただ、医療従事者であっても普段の生活までは対応できないので、地域と一体となった体制づくりが必要です。

支え合いの体制づくりには、見守りと移動手段の確保が必須

 地域包括ケアシステムの要は、「見守り」のほか、「移動手段の確保」だと考えています。「自分たちの地域に医療機関が無いから困る」というのではなく、どのように医療を受けるのかを、一人ひとりが、また地域が真剣に考えていく必要があると思います。
 昨今の目まぐるしく変化する社会情勢においては、どの分野においても厳しい実情があり、互助までは…と思われる現状も理解できます。ただ、このまま何もしなければ、いずれは住み続けることが難しくなる地域が出てくる可能性もあります。
 住み慣れた地域を守るためにも、医療・介護をはじめとするさまざまな関係者、地域住民同士が歩み寄り、今後に向き合っていく必要があると思います。
「イラスト」地域の移動支援
「イラスト」地域の見守り
「イラスト」多職種連携
自身のために身近な地域の医療機関を確認しましょう。
「QRコード」▲塩筑医師会ホームページ

介護から「みる」支え合い 在宅医療・介護連携推進協議会 副会長 岩佐 慶さん「写真」

地域でなにができるのか。今、行動の時

 介護の世界は、皆さんご存じのとおり、人材不足が深刻です。団塊世代が75歳以上になり、福祉需要はさらに高まりますが、人材不足のために介護を受けたくても受けられないという状況が起こってきます。公的サービスに頼ればいいと思うかもしれませんが、すべて賄うことは難しく、拡充しようにも現役世代の負担が今以上に増えるので現実的ではありません。そうなると大切になるのが「地域の支え合い」です。
 今の時代、地域のつながりを面倒だと感じ、敬遠する人は多いですが、やはり一人の力だけで暮らしていくには限界があります。そうなったときに、例えばごみ出しを手伝う、人の様子を見守るなど、地域で支え合う体制ができていると、暮らしが維持できます。自分が5年後、10年後、支えられる側になった時に、地域における支え合いの重要性に気付いても遅いのです。人任せにせず、自分たちの地域で何ができるのか考えて、一人ひとりが行動に移すことが大切だと感じています。

10年後、20年後の地域のために

洗馬 Seba 塩尻市社会福祉協議会 洗馬支部移動支援検討委員会 委員長 大熊 陽一さん(上小曽部)「写真」

自分ごととして考えて行動に

 洗馬地区は地域振興バスの利用がしづらく、地域から民生児童委員に要望があったことをきっかけに、令和6年に移動支援サービスの検討を始めました。私自身、将来を考えると移動手段の確保は必要だと思っていたのと、当時区長会長だったこともあり、「今すぐやるべきだ」と決断できました。
 まずは小曽部のみの試行運転という形で、ガソリン代のみで買い物や病院に送迎しています。送迎は許可・登録が不要で、自家用車で運行しています。利用者は70歳以上の人が多く、買い物や交流ができてうれしいと喜んでいただけて、やりがいにつながっています。
 洗馬地区の10年後、20年後を見据えた将来の自分たちのためにも必要な取り組みです。洗馬地区内での本格運行を目指すには地域の皆さんの協力が欠かせません。洗馬地区の未来を一緒に考える仲間を募集しています。

洗馬地区移動支援サービス

 運転協力員を募集しています。1日からでも大歓迎です。ぜひご応募ください。
■運行日
○買い物 ギャザ(火曜日)、ザ・ビッグ(金曜日)
○通院 奈良井医院(月2回程度)
■問い合わせ ふれあいセンター洗馬 電話0263-51-5337

片丘 Kataoka 塩尻市地域包括ケア推進協議会 片丘代表 小澤 佳武さん(中挾)「写真」

多くの人に現状を知ってほしい「写真」

 片丘地区では、平成28年から地域で助け合う仕組みの検討を始め、その中で出た地域住民の意見を基に、令和元年から「お助けネットかたおか」という仕組みが構築されました。送迎などの日常生活支援を行っていますが、協力会員となる支え手が不足している現状です。地域での支え合いがなぜ大切なのか、まずは社会福祉の現状を知ってもらいたいと思い、医療や介護を切り口に地域の支え合いを考える講演会を主に開催しています。参加者からは、「地域づくりの大切さが伝わった」などのうれしい言葉をいただき、やってよかったなと思いましたね。
 地域での組織づくりには、日常での関係構築が大切です。そのためにも、誰もが集まれる場づくりをしていくことが必要です。災害時にも支え合える仕組みを、行政や民間ともうまく協力してつくっていけたらと考えています。

お助けネットかたおか

 高齢者などが日常生活で困っている部分を、住民同士で助け合う仕組みです。現在、利用会員34人と協力会員16人が登録。送迎支援は、対応が困難な現状にあります。協力会員を募集していますので、ぜひご協力ください。
■問い合わせ 片丘支所 直通電話0263-52-0125

地域で見守る

 普段から買い物などの日常生活の行動の中に無理なく見守り活動を取り入れ、お互いに見守り、見守られる関係を築きましょう。

見守りの流れ

 高齢者だけでなく、地域全体をそれぞれが見守り、温かな気付きを地域に広げましょう。

(1)見守る

 見守りの第一歩は、さりげなく気に掛け合い、顔の見える関係を築くこと。

(2)気付く

○夜になっても明かりがつかない。
○新聞や郵便物がたまっている。 など

(3)相談・連絡

気になることがあった場合は、支援機関や行政などにご連絡ください。

私たちも見守っています 地域見守り活動に関する協定「イラスト」

 本市では、地域の見守り活動に賛同していただいた事業者7社と協定を締結しています。見守り協定締結事業者が、通常の業務を通じて異変を察知した場合、必要に応じてその状況などを必要な機関へ連絡をするものです。市民の皆さんの「お守りのような存在」になり、安心して生活できる塩尻市になることを目指します。
<見守り活動の例>
○移動スーパーで毎週定期的に訪問する特性を生かし、食料品や生活雑貨などのお届け時に声掛けや安否確認をする。「イラスト」
○新聞配達時にお宅を訪問した際に異変がないか見守る。

見守り協定締結事業者を募集

 地域の見守り活動に賛同し、ご協力いただける事業者を募集しています。ご協力いただける事業者は、地域共生推進課にお問い合わせください。見守り協定締結事業者には、右のステッカーを配布するほか、市ホームページに活動内容を掲載します。「写真」
▲見守りの詳細は、上のコード(市ホームページ)でご覧ください。「QRコード」

ロゴマークができました!

 多くの市民の皆さんに見守り活動を知っていただくとともに、見守り協定締結事業者などと地域の皆さんとの関係づくりが円滑に進むことを目的に、ロゴマークを作成しました。
私たちは、地域のつながりや支え合いを推進しています 塩尻市お守り隊 塩尻市高齢者等地域見守りネットワーク「イラスト」

私たちは 支え合いの地域づくりを支援する 「地域まるごと推進員」です!

(地域福祉推進員、第二層生活支援コーディネーター)「写真」
左: 辻野 和夫さん(西部圏域)
中央:沓掛 未奈さん(北部圏域)
右:清瀬 満智香さん(東部圏域)

どんなことをするの?

 地域まるごと推進員は、「誰もが役割と生きがいを持つ地域共生社会の実現」を目指し、住民一人ひとりが抱える生活の中の困りごと、地域生活における「こうだったらいいな」の思いに寄り添い、安心して暮らせる地域を一緒につくります。
■問い合わせ 塩尻市社会福祉協議会地域福祉推進センター 電話0263-52-2795