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広報塩尻令和7年7月号テキスト版 8ページから9ページ
広報塩尻2025年7月号テキスト版8ページから9ページがご覧になれます。
悩みを抱えている人とその周りの皆さんへ 迷ってもいい。一人じゃない。「写真」
問い合わせ 健康づくり課 保健予防係 直通電話0263-52-0858
日本の自殺者は、年間2万人以上。国際的に見ても深刻な状況です。本市で暮らす皆さんにとっても、自殺は決して人ごとではない社会問題となっています。今回は、悩みを抱えた経験を持つ当事者と医師のインタビュー、本市の相談窓口などについてお知らせします。
塩尻断酒新生会 会長 米窪 由治さん(高出二区)「写真」
38年間の飲酒生活によるアルコール依存症で、専門病院に入院した経験を持つ。その後、家族の支えで立ち直り、約23年間にわたり、塩尻断酒新生会の仲間と共に断酒の活動を続けている。
人に話すことで、希望が持てる
私はかつて、大工一筋で生きてきました。先輩などから、「いい大工になるには、酒を飲めねえようではだめだ」と叩き込まれました。当時の大工の業界はとにかく飲酒の機会が多く、大量に飲む日々が続きました。そのうちに酒にのまれることも増え、記憶を失うこともありました。飲酒運転、当て逃げなど、切りがないほど家族をはじめ大勢の人に迷惑をかけてきました。
38年間飲酒を続け、ついに県内の専門病院に入院することになりました。今振り返れば、人生を変えた病院です。多くの入院患者や病院スタッフとの出会いがあり、何より家族の支えに気付かされた3カ月の入院となりました。断酒の三本柱である、(1)毎朝、抗酒剤を飲む(2)通院を怠らない(3)自助グループに入るを遵守し、妻と二人で断酒会や酒害者回復クラブに通い続けました。
断酒会では、とにかく「仲間に話す」「家族をはじめ、仲間の話を聴く」ということに尽きます。酒での失敗談や断酒後の爽快感について一人ひとり順番に話をします。仲間に話すことで自分の気持ちが整理でき、少しでも共感を得られることで、一緒に頑張ろうという気持ちになります。
仲間もそうですが、私には母や娘の存在も大きかったです。母には酒をやめ続けている姿を見せることができました。私のせいで、娘は一時期結婚を諦めていた時期もありましたが、今では孫二人とも出会え、断酒してよかったなと思っています。
気になる人がいたら、声を掛けてほしい
これまで、20人以上の自殺者を身近で見てきました。飲酒と自殺には、因果関係があると感じています。アルコールが入ると、絶望感、孤独感、抑うつ気分が増強し、自分に対する攻撃性が高まり、実際に行動に移してしまうと言われています。家族はもちろん、職場や近所の人など、身近な人の様子がおかしいと思ったら、ぜひ声を掛けてほしいですね。
誰にだって失敗はあります。それでも、生きる希望を持つ。私にはたまたま支えてくれる家族がいましたが、自助グループや専門機関など、相談できる場所はどこかにあるはずです。諦めない。投げ出さない。悩んでいる人やその周りの人に、心からそう呼び掛けたいです。
「写真」塩尻総合文化センターで、毎週金曜日の19時00分から塩尻断酒新生会の例会を開催しています。
■問い合わせ 電話090-4158-8830(米窪)
心の疲れ、感じていませんか?
日々の生活で無理が続くと、心のバランスが崩れやすくなります。市ホームページ上で使える「こころの体温計」は、個人情報を入力しなくても、ストレス度や落ち込み度をチェックできるサービスです。自分や家族の心のケアにぜひご活用ください。「写真」
ページ内の質問に答えていくと、画像が表示されます。ストレス度が上がるほど金魚がけがをし、落ち込み度が上がるほど水槽の水が濁る画像(写真左下)が表示されます。心の状態が落ち着いていれば、きれいな水槽の画像(写真右下)が表示されます。「イラスト」
「QRコード」
上のコード(市ホームページ)でこころの体温計をお試しください。
弱音を吐いてもいいですよ 篠崎医院豊科診療所 院長 東 孝博さん「写真」
(医院名の崎は正式は右上が立の漢字です。)
市の「こころの健康相談」の担当医として、市民の皆さんに寄り添って15年以上になります。ひと昔前なら学校の先生や職場の上司との間で解決できた相談も、最近は増えてきています。
体だけでなく、心の健康も大切です。精神疾患がなくてもストレスや悩みをずっと抱えていると、心身に不調を来す場合があります。心の不調で困っている方がいたら、声を掛けてあげてください。もし医療機関受診の敷居が高ければ、まずは行政の窓口への相談を考えてみてください。ご家族の方が相談に来られても構いません。
こころの健康相談の窓口は広く、敷居は低くありたいと考えています。医師や行政機関には守秘義務があるので、相談内容が外部へ漏れることはありません。安心して気軽にご相談ください。
市の相談窓口はこちら
複数の相談先を用意しています。
保健師による健康なんでも相談(要予約)
○時間 9時00分から17時00分
○場所 市保健福祉センター
メンタルヘルス相談(要予約)
産業カウンセラーが対応します。
○相談可能時間 1時間
※時間と場所は個別に調整します。
こころの健康相談(要予約)
精神科医師が対応します。
○時間 14時00分から17時00分
○相談可能時間 1時間
○場所 市保健福祉センター
まずはこちらへお電話を!「写真」
健康づくり課 保健予防係 精神保健担当 直通電話0263-52-0858