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広報塩尻令和7年6月号テキスト版 2ページから5ページ

ページID:0053810 更新日:2025年5月30日更新 印刷ページ表示

広報塩尻2025年6月号2ページから5ページがご覧になれます。

特集 子ども・若者が幸せに過ごせる地域に こどもまんなか社会「イラスト」

 子ども・若者を社会の真ん中に据え、その権利や意見を大切にしながら、最善の利益を第一に考える「こどもまんなか」の取り組みについてお伝えします。
問い合わせ こども未来課 こども未来応援係 直通電話0263-52-7313

こどもまんなか社会って何だろう?

 国では、子ども・若者に関する施策を社会全体で総合的かつ強力に推進し、「こどもまんなか社会」を実現するため、令和5年4月に「こども基本法」を定めました。こどもまんなか社会とは、すべての子ども・若者が、自立した個人として等しく健やかに成長でき、心身の状況、置かれている環境などに関わらず、権利が守られ、身体的・精神的・社会的に将来にわたって幸せな状態(ウェルビーイング)で生活を送ることができる社会を指しています。
 全国的に見ると、少子化に歯止めがかからず、子どもの数が急速に減少している中、児童虐待の相談件数や子ども・若者の自殺者数は年々増加しています。また、子どもの貧困やヤングケアラーなどの社会的な問題も明らかになるなど、子ども・若者を取り巻く環境は深刻です。こうした状況は本市も例外ではなく、複雑な課題や不安を一つずつひもといていくような、きめ細やかな取り組みが求められています。
 本市では、子育て家庭に寄り添い、子どもたちの明るい声が響く地域を目指し、子ども・子育て支援に重点的に取り組んできました。子育て支援施設などの充実により、子育てしやすいまちとしての評価や暮らしの満足度向上にもつながっています。これからも、こどもまんなかの取り組みをさらに進めていきます。

すべての人が幸せに暮らせる地域のために

 子ども・若者に関する取り組みを社会の真ん中に据え、その権利や意見を大切にしながら一番いいことは何かを第一に考える「こどもまんなか」。
この視点は、決して、子ども・若者のためだけに限られるものではありません。
子ども・若者を中心に据えることは、地域の未来を育むことです。また、子ども・若者が、周りに支えられながら一人ひとりの多様性を大切にして自分らしく幸せに暮らせる地域は、すべての人が幸せに暮らせる地域でもあります。皆さんで力を合わせ、実現していきましょう。

数字で見る 子ども・若者を取り巻く課題「イラスト」

合計特殊出生率 1.33

 本市の合計特殊出生率(一人の女性が一生の間に産むと想定される子どもの数)は、1.33(令和3から5年の平均)で、全国よりは高い水準で推移しているものの、減少傾向にあります。国の人口を維持するにはおおむね2.07以上が必要とされており、人口減少に歯止めがかからない状況です。また、本市の出生数は、平成26年は569人でしたが、令和6年には424人となり、10年間で約150人減少しています。

子どもを生み育てやすいと思う国民の割合 38.3%

 国の調査によると、日本、フランス、ドイツ、スウェーデンの4カ国で調査した結果、日本は子どもを生み育てやすいと思う人の割合が、他の3カ国に比べて著しく低いことが分かりました(他国は77.0から97.1%)。また、国内の別の調査では、「働いているとき」や「公共交通機関を使うとき」に子ども連れの不便や理解・配慮不足を感じることが多いという意見が多くありました。
相対的貧困にある子育て家庭 約8世帯に1世帯
 本市の18歳以下の子どもがいる世帯のうち、世帯年収が中央値(収入を多い順に並べたときにちょうど真ん中になる値)の半分に満たないなどの「相対的貧困」の状況にある世帯は、約12%(約8世帯に1世帯)となっています。こうした世帯では、その他の世帯と比べ、子どもが学習塾や習い事に通う割合が大きく下回るほか、子どもの進学の見通しや生活満足度も低い傾向がみられ、子どもの将来への影響が懸念されます。

20歳未満の自殺死亡者数(人口10万人当たり) 5.3

 人口10万人当たりで換算した本市の若者の自殺死亡者数は、県と同様に全国より高く、令和元年から5年までの5年間の合計で、20歳未満で5.3(全国3.6)、20歳代で35.2(全国19.0)となっています。また、令和6年の全国の児童・生徒の自殺者数は529人で過去最多となりました。

中学生の17人に1人がヤングケアラー

 ヤングケアラーとは、家族の介護その他の日常生活上の世話を過度に行っている子ども・若者を指す言葉です。子どもとして必要な時間(遊びや勉強など)を奪われ、ケアにより身体的・精神的な負荷がかかってしまうことが問題とされています。国の調査によると、中学生の17人に1人がヤングケアラーの状況にあると推測されています。

できることから取り組みましょう! こどもまんなかアクション

日常生活で…

 ・電車の中や公園などで、子どもが泣いたり騒いだりしていても温かく見守る。
 ・ベビーカーを押す人がエレベーターに入りやすくするために、扉を押さえる。
 ・トイレで我慢できない子どもがいる時に、順番を譲ってあげる。

職場で…

 ・社員が、子ども関係で休みを取りやすい雰囲気をつくる。
 ・子どものお迎えに行く社員が、定時退社や時差出勤などをしやすいよう配慮する。
「イラスト」

4月スタート! しおじりこどもまんなかプラン「イラスト」

 本市では、すべての子ども・若者が大切にされ、誰一人取り残されることなく、現在と将来に希望を持って幸せに過ごせる地域を目指して、4月に「しおじりこどもまんなかプラン」を策定。この地域の実現には、地域が一体となって取り組んでいくことが欠かせません。みんなでこどもまんなか社会を目指しましょう。
プランの詳細は右のコード(市ホームページ)でご覧ください。「QRコード」

プランの対象

 大人として円滑な社会生活を送ることができるようになるまでの成長の過程にある、すべての子ども・若者を対象としています。18歳や20歳といった年齢で必要なサポートが途切れないよう、それぞれの状況に応じて社会で幸せに暮らしていけるようになるまで、切れ目なく支えていきます。
乳幼児期→学童期(小学生年代)→思春期(中学生年代から18歳)→青年期(18歳から30歳)→ポスト青年期(30歳以降)「イラスト」

プランの基本理念 自分らしく輝ける みんな安心 こどもまんなか GSC(グレート・シオジリ・チルドレン)

しおじりこども・若者いけんひろば(※)に参加した10代の皆さんが考えました。
※まちづくりやどんな社会になったらいいかなど、テーマを設けて語り合うイベント。

自分らしく輝ける

 子どもたちが、生まれた環境によらず、現在と将来に希望を持って、自分と他の人の権利や気持ち、意見を大切にしながら自分らしく過ごし、お互いに尊重し合う地域を目指します。

みんな安心

子どもたちが誰一人取り残されることなく安心して過ごせる地域を目指します。

こどもまんなか

子どもたちが自立した個人として尊重され、その権利や意見が大切にされ、子どもたちにとって最も良いことが優先して考えられる「こどもまんなか社会」の実現を目指します。

GSC(グレート・シオジリ・チルドレン)

 いけんひろばのメンバーによる造語で、「塩尻の子どもはすごい!」という肯定のメッセージが込められています。「グレート」は、すごいの他にいいね、素晴らしいね、すてきだねといったニュアンスで用いています。

こんな施策を進めていきます

1 子どもの権利の尊重

子どもの権利や意見を大切にします!
ありたい姿・・・子どもも大人もお互いに尊重し合える環境の中で、子どもが安心して過ごし、その可能性を十分に伸ばせている
基本方針
○子どもが権利の主体であることが地域全体で共有され、その権利が尊重されている
○子どもの意見や気持ちが、社会のさまざまな場面に反映されている

2 子どもの成長の保障

ライフステージに応じて切れ目なく支えます!
ありたい姿・・・子どもが健やかに育つ環境が整っている
基本方針
○母子が安心して妊娠・出産・乳児期を過ごせている
○幼児期の子どもが心豊かに成長できている
○地域の中に子どもの遊び・学びの場や居場所が充実している
○子どもが安全・安心な環境の中で健康に過ごせている
○一人ひとりの育ちに丁寧に向き合う教育が実践されている
○義務教育終了後も切れ目のない支援が受けられる

3 結婚・妊娠・出産・子育ての応援

子育てに優しい地域をつくります!
ありたい姿・・・結婚や子育ての希望を叶えることができる環境が整っている
基本方針
○結婚・妊娠・出産の希望が叶えられている
○充実した子育て支援により無理なく安心して子育てができている
○地域みんなで子育てを応援し、子どもや子育て家庭にやさしい地域になっている

4 悩みや不安、困難を抱える子ども・若者の支援

それぞれの状況に合わせてきめ細やかに支えます!
ありたい姿・・・すべての子ども・若者が自分らしく安心して暮らし、現在と未来に希望を持てている
基本方針
○家庭の貧困による格差や困難が解消され、貧困の連鎖が断ち切れている
○障がいのある子どもや医療的ケアを必要とする子どもと家庭が十分に支援されている
○児童虐待の防止、ヤングケアラーへの支援、社会的養護が十分行われている
○ニートやひきこもりの子ども・若者やその家族が必要な支援につながっている
○生きづらさを抱える子ども・若者のいのちが支えられている
○制度の枠を超えた包括的な支援により、誰一人取り残さない支援が行われている

Interview こども・若者いけんひろば参加者 芦澤 悠真(ゆうま)さん(桟敷 小学6年生)「写真」

みんなのアイデアをきっかけに考えた言葉が、プランの基本理念に

 いけんひろばには、自分から興味を持って参加しました。最終回のテーマは「こども計画のスローガンを考えよう」。お菓子を食べながら、みんなで楽しくいろいろな意見を出し合い、そこで出たアイデアをきっかけに、GSCという言葉をひらめきました。
 GSCは、「塩尻の子どもはすごい!」というメッセージを市民の皆さんに向けて伝えるために、覚えやすく、みんなの頭に残るように考えました。みんなも「それいいね!」と盛り上がってくれ、プランの基本理念にも採用してもらえて、うれしかったです。このプランをきっかけに、子どもたちが今よりもっと尊重される社会になればいいなと思います。

Interview こども・若者いけんひろば参加者 黒澤 椛乃(かの)さん(町区 高校1年生)「写真」

意見が言える良い機会で、他の人の意見や考え方を学べた

 他の学校や学年の人と話し合える良い機会だと思い参加しました。進行役のスタッフの方もフレンドリーで話しやすい雰囲気だったので、自由に意見を言える場所でした。自分の意見に共感してもらえた時はうれしかったですし、他の人の全く違う視点の意見や考え方を聞いたときは、「そういう考え方もあるんだ」という気付きになりました。
 ただ話し合って終わりではなく、市の事業に反映してもらえることが大事だと思うので、意見の実現を目指してほしいです。今後開催するなら、1回ごとにテーマを変えるのではなく、一つのテーマを継続して話し合い、考えを深めていくこともやってみたいですね。

Interview 少子化対策に関する政策を提案 小島 咲愛(さら)さん(信州大学4年生)「写真」

子育ての楽しさなどを知る機会をつくり、不安を解消できたら

 大学の授業の一環で、塩尻市の職員の方と一緒に少子化問題を解消するための施策を検討しました。私自身、中学のクラス数が弟の学年になって減ったことなど、少子化を実感することもあります。
 対策として、大学生などが子育て支援施設や子育て家庭を訪問して、実際の子育ての様子を身近に知ることができるプログラムを市に提案しました。私を含め若い人の多くは、「自分だけでも精一杯なのに、子どもを育てられるのか」という漠然とした不安を抱いている人も多いと思います。ですが、親子の愛情の素晴らしさや、子育ての楽しさがもっと伝われば、そうした不安も解消されるのではないかと思っています。