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広報塩尻令和7年1月号テキスト版 2ページから5ページ

ページID:0049160 更新日:2024年12月26日更新 印刷ページ表示

広報塩尻2025年1月号テキスト版2ページから5ページがご覧になれます。

特集 新春市長対談 地域をおこす 塩尻市をより良いまちに

 本市の発展を目的に市から委嘱した「地域おこし協力隊」と百瀬敬市長の新春対談。市外から来た隊員たちが思う塩尻市の魅力や、塩尻市をより良くするために行っている活動などを語っていただきました。

出演者

塩尻市長百瀬 敬(ももせたかし)「写真」

就任3年目を迎え、市民の皆さんと対話を重ね、より良いまちづくりを目指している。
塩尻市の好きなところ:自然、産業、伝統などさまざまなバランスが取れているところ

川北 恭世知(かわきたやすよし)さん「写真」

木曽漆器の基本技術習得や文化財の修復チームで活動を行う。令和6年10月就任。前住所は石川県。
塩尻市の好きなところ:1日の中で変わっていく景色が体感でき、心が洗われるところ

竹内 桜咲子(たけうちさくらこ)さん「写真」

木曽漆器の基本技術習得や漆器産業振興のために情報発信などを行う。任期2年目。前住所は福岡県。
塩尻市の好きなところ:楢川地域の自然の多さや人との関わりが多いところ

嶌本 真澄(しまもとますみ)さん「写真」

シビック・イノベーション拠点「スナバ」の運営がミッション。1月で任期終了。前住所は東京都。
塩尻市の好きなところ:人が面白く、やりたいことを何でもできそうなまちの懐の大きさ

保延 祐希(ほのべゆうき)さん「写真」

NPO法人MEGURUと連携して関係人口を増やすことに取り組む。3月で任期終了。前住所は神奈川県。
塩尻市の好きなところ:いろいろなことに挑戦できる環境や挑戦を後押ししてくれる人

近藤 沙紀(こんどうさき)さん「写真」

空き家活用がミッション。3月で任期終了。前住所は奈良県。
塩尻市の好きなところ:季節を肌で感じることと暮らしやすさをどちらも享受できるところ

対談

地域おこし協力隊の皆さんは、なぜ塩尻市を選びましたか。

市長

市外から来た皆さんが思う、塩尻市の魅力などをお話しいただければうれしいですね。塩尻市を選んだ理由を教えてください。

近藤さん

「日本仕事百貨」という求人サイトで、木曽平沢地区にある築94年の古民家を再生するプロジェクトマネージャーの募集記事を見つけたことがきっかけでした。前職が建築系で、家に関わる仕事ができると思い応募しました。

竹内さん

私も近藤さんと一緒で、日本仕事百貨で地域おこし協力隊の募集記事を見たことがきっかけでした。元々、塩尻市には木曽漆器職人のインターンで来たことがあり、漆器産地としての魅力を知っていたことも理由の一つですね。以前は輪島塗の職人でしたが、木曽漆器は分業制ではなく下地から仕上げ塗りまで一貫して携わることができるところに感銘を受け、塩尻市に思い切って来ました。

川北さん

伝統工芸を学ぶ同じ学校に通っていた竹内さんから、文化財を修復する職人の求人があると勧められたことをきっかけに塩尻市を知りました。伝統工芸の技術を後世につないでいきたい気持ちが強い僕は、木曽漆器に魅力を感じ、塩尻市に来させていただきました。

嶌本さん

私は、以前勤めていた会社の同期で塩尻市の地域おこし協力隊の先輩でもある横山さん(NPO法人MEGURU代表)から、面白い所があると紹介してもらったのが、シビック・イノベーション拠点「スナバ」でした。スナバは、多彩な分野で前向きに活動している人が多く、熱量の高い場所だと思います。

保延さん

私も、横山さんに声を掛けていただき、地域おこし協力隊に応募したのがきっかけですね。以前の仕事で塩尻市に関わり、土地柄や活動する人を何となく把握していました。その上で、塩尻市に関わる人を増やしていく仕事を横山さんから勧めていただきました。いろいろな面白い人が塩尻市に足を運び、つながりをつくろうとしていることが印象的でした。塩尻市は、何でもできそうという期待感を持てることが魅力だと思います。

市長

人のつながりやスナバという拠点があり、皆さんが塩尻市の中で人とのつながりを感じ、活動していることを聞くことができました。
また、熱量という言葉もありましたね。塩尻市は交通の要衝で、中山道や三州街道などの街道が交差し、人の行き来が多い土地なので、受け入れやすさや熱量といったものが長い歴史の中で培われてきたのかもしれないですね。

皆さんの活動の目標や塩尻市をどんなまちにしたいかを教えてください。

嶌本さん

「塩尻市が面白い」と思う人たちであふれるまちになるといいなと思っています。私のミッションは、スナバが掲げる「生きたいまちを共に創る」を実現することです。すぐには実現が難しくても生きたいまちとは何か、共に創るとは何かを、スタッフと侃々諤々(かんかんがくがく)と話しています。皆さんのやりたいことが前に進む場所にしたいですね。

市長

スナバは公園の砂場のように、作っては壊す、作っては壊すことを繰り返して、より良いものを作るという理念が名前に入っています。いろいろなことを考えて、チャレンジして、最適解を見つけていってください。

保延さん

私は、塩尻市へ観光に来て終わりではなく、来て何かしらの活動に継続的に関わっていく、「関係人口」といわれる人たちを増やしていくことが目標です。そして、塩尻市の良さなどの思いを伝え合える人が増えていくようにしたいですね。関係人口である市外の人に、「塩尻市は人を育てるまちだね」と言ってもらえたことがあり、誇らしかったです。僕自身も塩尻市に育ててもらい、応援されていると感じています。
写真「シビック・イノベーション拠点「スナバ」。社会起業家の伴走支援や高校生起業家教育プログラム「エヌイチ道場」などを行う。」

市長

関係人口が増えている実感はありますか。

保延さん

最近では、東京都にある企業の社員を地方で研修させるという切り口もありました。塩尻駅前の空き店舗を活用してまちを活性化させるというテーマで、その企業として使えるリソースは何かなど、2日間にわたり意見を交わし、企画書を作ってプレゼンもしました。そういった研修などが実施され、関係人口が増えていると実感しました。

市長

それは良いことですね。楢川地域で活動する皆さんはいかがですか。

竹内さん

私は、まずは木曽漆器の技術を覚えることが目標です。培った技術を基に自分で作品を作り、技術力などの強みを発信して、他の職人さんから仕事を任せてもらえるようになりたいです。塩尻市の職人さんはみんなで若い後継者を育てていこうという温かい方々ばかりなので漆芸に興味のある若い作り手が増えるといいですね。自分の作品をきっかけに、木曽漆器に興味を持ってもらえるとうれしいですね。

川北さん

先輩の職人方は、僕が1時間かかる作業を30分、もっと早いと10分でできるので、僕もそうなれるよう技術の効率化や腕を磨くことが、直近の目標ですね。そして将来的には、まだ漠然とではありますが、産地で自立して起業などで雇用を増やし、人口の増加や活気の創出などに貢献していきたいです。

近藤さん

私は、空き家の多い地域に一つでも多く灯りをつけることを目標に活動してきました。一般の人に販売するには大きく、壊すのはもったいない築94年の古民家。住居以外の使用を考え、この古民家を再生させることが最初の活動でした。私は総務省の特例で、任期が3年から5年に延長されました。この延長により、短期で塩尻市に来た人をどうしたら中・長期的滞在、いずれは移住してもらえるのかを考える時間を頂きました。そこで、国内短期留学を受け入れている楢川小中学校に留学したい人たちが滞在できる場所や、二拠点生活者が滞在できるシェアハウスも作りました。

市長

この5年で一番大きな出来事はコロナ禍だと思います。コロナ禍の前後で地域おこし協力隊やまちが変わったと感じることはありますか。

近藤さん

良い意味で塩尻市における私の生活圏は変化が少なかったと思います。というのも、私は、コロナ禍に都市部の人たちとオンラインでお会いし、多くの方が気を病むぐらい疲弊していました。私が住む楢川地域は自然も近く人口も多くはないので、閉へいそく塞感をあまり感じなかったと思います。地域の皆さんが自然に生活している印象で、それがこの地域の強みだと感じます。

市長

ありがとうございます。塩尻市では今年度から「第六次塩尻市総合計画」がスタートしました。「多彩な暮らし、叶えるまち。―田園都市しおじり―」を目指す都市像にしています。人生において、“叶かなう”ことは大事です。何も叶わないと活動意欲など何も生まれません。しかし、何か叶うと次から次へと叶えたいという好循環が生まれます。また、一人ひとりを大事にしながら、個性を発揮して活動しやすいまちにしていくことを目標にしています。皆さんの活動の目標なども叶うまちにしたいですね。

皆さんの今後の活動の展望を教えてください。

近藤さん

いろいろな人が生きやすいまちになればいいなと思っています。ある程度の人口とさまざまな地区。北小野地域、楢川地域、広丘地域など地域ごとに生活様式が違い、来た人が自分に合った場所を見つけ、自分らしく生きていけるということがポイントですね。
そして、塩尻市の良さを地域の人たちに伝えていくことも、私たち地域おこし協力隊の役目だと思っています。繰り返し伝え続けていくことで、自分たちが住む地域の当たり前だと思っていた良さを知れば、未来に対して内発的な動きが育まれる気がします。

川北さん

まずは文化財修復の仕事に慣れ、技術の向上に励みたいです。文化財の修復作業は同じ工程を何日もかけて行うので、その工程の技術習得に集中して取り組むことができます。基本を大事にし、毎日の業務を丁寧に取り組んでいきます。また修復作業の傍ら、地域おこし協力隊向けの研修にも参加しています。他市町村の協力隊が行っている取り組みを勉強していて、良いものを取り入れながら、3年後の地域での活動を模索しています。

竹内さん

任期終了後も塩尻市に残り、木曽漆器の職人として独り立ちできるようになりたいです。12月に東京都で開催された、工芸で期待される若い作り手のスタートを支援する「ファースト・パトロネージュ・プログラム」での出展などを通して、日々の作業で培った技術や木曽漆器の魅力の発信も行っていきます。

保延さん

地域でいろいろな活動をしている人たちをもっと知っていく必要があり、その関係性作りを残りの任期中にしたいですね。あと、山登りなど塩尻市にいるからこそできる趣味を見つけたいです。

嶌本さん

私の任期は1月末で終了しますが、その後も塩尻市で活動を続ける予定です。現在、スナバのメンバーと共に、塩尻駅近くの物件で、塩尻市に住む人や訪れる人が、気軽に過ごせたりつながれたりする場所づくりに取り組もうとしています。皆さんが塩尻市でより豊かに過ごせる場所を目指し、株式会社しおじり街元気カンパニーと連携し、計画を立てています。塩尻市の新たな魅力を共に育むプロジェクトになればうれしいです。

近藤さん

空き家を再生させる今の事業を着実に続けていくことですね。また、任期5年の中で、行政と一緒に対外的な発信をすることや地域で活動する人が悩んでいること、地域おこし協力隊員の横のつながりの必要性が見えました。今後、行政と連携して事業を行えると良いと思っています。また、今年5月24日土曜日に関西万博のシンポジウムで、登壇することが決まりました。塩尻市での暮らしの多様性や5年間の活動を話してきます。

市長

地域おこし協力隊としての視点で塩尻市の話を伺うことができました。皆さんの多彩なチャレンジを叶えることができるように、素晴らしい1年を共に創りあげていきたいと思います。
写真「近藤さんが運営する宿泊施設「日々別荘」。日々人が集い、多くの光景を見られる場所になるような思いが名前に込められている。」