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広報塩尻令和6年11月号テキスト版 2ページから5ページ
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特集 僕が僕らしく生活するために
本市は、障がいのある人に対して差別をなくし相互に人格と個性を尊重し合える社会を目指しています。障がいについて考えてみませんか。
問い合わせ 福祉支援課障がい福祉係 電話0263-52-0280 内線2115
周囲の理解で生きづらさ軽減
「障がい」の種類は大きく分けて、身体障がい、知的障がい、精神障がいがあります。それぞれの障がいの中にもさらに分類があり、障がいの内容や特性は一人ひとり異なります。
障がいのある人は、日常生活や社会生活を送る中で不便を感じ、人知れず差別を受けて、つらい思いをすることもあります。周囲の人の理解やサポートがあれば、不便さや生きづらさを軽減できることがあります。
特性を理解し寄り添う支援を
障がい者が共同生活を送るグループホーム。そこで生活する武居正幸さん(写真右)。複数の障がい福祉サービスなどを利用しながら生活しています。武居さんは、中度の知的障がいがあり、理解力は小学校低学年程度といわれていますが、障がい特性が原因なのかいじめに遭い、4カ月ほどで退職。その後は就労継続支援B型事業所で働いています。
令和3年3月からは、グループホームに入居。他の利用者の言動が気になって頭から離れず、相手から言われたことを被害的に受け取ってしまい、精神的なストレスで胃潰瘍などを発症。入退院を繰り返し、次第に意欲低下が進み、表情もなく、受け答えも「う~ん」などあいまいな返事しか返ってこない時期が続きました。
このままでは良くないと、支援者らが奮起。細やかな声掛けや訪問、支援者間での情報共有を繰り返し行い、現在は少しずつ回復し、コミュニケーションも取れるようになりました。表情も豊かになり、徐々に就労継続支援B型事業所への通所、ヘルパーの利用、余暇活動への参加が見込めるようになっています。
適切なサービス利用が大切
障がい者の生活を支える一つが、障がい者福祉サービス。一人ひとりが自分らしく生活するために、複数のサービスを組み合わせて、その人に合ったサービスを適切に利用することが大切です。
武居 正幸さん「写真」
株式会社福祉ハウスグループ 平澤 孝夫さん「写真」
武居 正幸さん
■障がい特性
さまざまなことが気になる、先の予定は日時が決まらないと落ち着かない
■好きなこと
映画館へ行き映画を見ること、年1回の自衛隊祭りに行くこと
■頑張っていること
就労継続支援B型事業所での仕事、週1回のヘルパーとのお散歩
「ふつう」ってなんだろう?障がいからくるさまざまな行動があります
不安になったとき、あなたはどうしますか。深呼吸したり音楽を聴いたりしますか。同じ気持ちでも、表現の仕方は人それぞれ。あなたにとっては不思議なあの人のあの行動。それは、その人なりの気持ちの表現かもしれません。
大声を出す
気持ちが高ぶって大きな声を出したり、不安などで感覚が敏感になって、耳をふさいだり、自分の声で落ち着いたりすることもあります。
「イラスト」WA! うれしい!
落ち着く場所がある
ささいな事で不安になることがあります。いつもの場所や気に入った場所はとても安心します。
「イラスト」この場所がおちつくな
独り言
独り言を発したり、出来事を繰り返し思い浮かべたりして、気持ちの整理をすることもあります。
「イラスト」BUTSU BUTSU どうしよう?
ばたばた キョロキョロ
緊張や不安で気持ちが落ち着かない時に飛び跳ねたり、周りを見渡したりして平静を保とうとすることもあります。
「イラスト」URO URO ふあんだ!
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みんなに頼る、みんなで支える「イラスト」
武居さんが普段利用している障がい福祉サービスなどはどのようなものでしょうか。ある日のスケジュールと併せて、支援者の声をお届けします。「写真」
グループホーム
6時30分から7時00分 起床
7時00分から8時30分 朝食、身支度
就労継続支援B型
8時30分から9時00分 送迎
9時00分から12時00分 シイタケ栽培・出荷
12時00分から13時00分 お昼休憩
計画相談
13時00分から14時00分 支援会議など
就労継続支援B型
14時00分から15時30分 シイタケ栽培・出荷
15時30分から16時00分 送迎
移動支援
16時00分から17時00分 余暇活動
グループホーム
17時00分から18時00分 自由時間
18時00分から18時30分 夕食
18時30分から19時00分 入浴
19時00分から20時00分 自由時間
20時00分から6時30分 就寝
▼お休みの日は…
○居宅介護で通院介助
○金銭管理の相談
思いに寄り添った支援を 株式会社福祉ハウスグループ 平澤 孝夫さん「写真」
日中・夜間に、生活全般の援助・相談業務を行っています。
共同生活を行う場所なので、他の利用者との関係には気を付けています。武居さんは初めてやることは時間がかかりますが、慣れるとルーチンとして安定して生活ができると思います。
利用者の気持ちに寄り添った支援を行い、当事業所を通過点として利用者それぞれの生活が自立してほしいなと思います。
▼グループホーム(共同生活支援・日中支援型)
障がい者が共同生活を営む住居で、相談や入浴、排せつまたは食事の介護など、その他の日常生活全般の援助を行います。
武居さんは真面目な人
全員で一丸になって作業 1UPきのこファクトリー 大山 香代子さん「写真」
シイタケの栽培や出荷、販売などを行っています。
当事業所では、利用者とスタッフという関係ではなく、一緒に働く仲間として接しています。そこで、すべてを支援するのではなく、苦手なことをサポートしています。
今後は、近隣の農家とつながりを持ち、農福連携を目指しています。仲間である利用者の活躍の場を増やしていきたいです。
▼就労継続支援B型
通常の事業所に雇用されることが困難な人に対し、就労活動などの機会の提供、知識および能力の向上のために必要な訓練などを行うサービスです。
武居さんはマイペースな人
同じ立場で支援する ケアステーション cherish(チェリッシュ) 名取 祐太郎さん「写真」
普段、居宅介護で通院介助や移動支援で余暇活動の支援を行っています。
武居さんは、自分の気持ちを話すことが苦手です。そのため、同じ目線に立って気持ちを引き出すような言葉掛けや雰囲気づくりを行っています。
自立したい気持ちを尊重しながら生活をお手伝いし、安心して生活できる環境を整えていきたいです。
▼居宅介護(通院介助・移動支援事業)
ヘルパーが自宅を訪問して、入浴や排せつ、食事などの介護、洗濯や掃除などの家事、通院の付き添い、生活に関する相談や助言など、生活全般の援助を行います。
武居さんは優しい人!
チーム支援で連携を 相談支援事業所 結マシュマロ 新井 由貴さん「写真」
利用者の自立に向け、障がい福祉サービスなどをどれくらい利用するか、本人と相談しながら利用計画を立てています。
この仕事は、自分の思いだけでは進められません。利用者や家族、周りの支援者と連携しながら計画を立てることを大切にしています。
これからも、利用者が心身バランス良く充実した人生を歩めるように支援していきたいです。
▼計画相談支援
障害福祉サービスの利用申請時の利用計画案の作成、サービス支給決定後の連絡調整、「サービス等利用計画」の作成を行います。
武居さんは人懐っこい!
本人が望む生活を手伝う 塩尻市社会福祉協議会 染谷 恵美奈さん「写真」
福祉サービスを利用しながら、本人が望む生活を送れるように、お金の使い方について一緒に考えています。
利用者がもともと過ごされていた暮らし・環境を大切にしながら、地域の方を含めた支援が、手を取り合って支援することを意識しています。
徐々に体調が回復してきた武居さん。前を向いて生活ができるようにお手伝いしていきます。
▼日常生活自立支援事業(金銭管理)
安心した日常生活が送れるように、必要な福祉サービス
の利用手続きの援助や、日々の必要な生活費の使い方につ
いて相談に乗ります。
武居さんは笑顔がすてき
障がい福祉には、さまざまな支援があります
日中活動系
事業所や施設で、日常生活のスキル向上や就労の場の提供、社会への参加促進、自立の援助などを目的に支援を行います。
訪問系
訪問介護員などが自宅に訪問し、入浴や排せつ、食事などの介護や、調理・洗濯・掃除などの家事を行うなど、生活全般の援助を行います。
施設系・居住支援系
施設入所をする人に、日中・夜間に生活全般の支援。グループホームに入居する人には、主に夜間休日に日常生活上の相談・援助を行います。
障がい児通所支援
障がいのある児童や発達に心配がある児童に、日常生活の基本動作の習得、集団行動に適応するための訓練などの支援を行います。
福祉制度の一覧をしおりにまとめています。詳細はこちら Check「QRコード」
私たちも相談を受け付けています!「写真」
総合相談支援センター「ボイス」
障がい児や障がい者またはその家族からのさまざまな相談に応じ、専門員が必要な情報の提供、助言、その他障がい福祉サービスの利用支援などを行います。
■場所 市保健福祉センター2階
■問い合わせ先
○電話 0263-51-5353
○ファクス 0263-51-5363