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広報塩尻令和5年12月号テキスト版 2ページから7ページ

ページID:0036580 更新日:2023年11月1日更新 印刷ページ表示

広報しおじり2023年12月号テキスト版2ページから7ページがご覧になれます。

特集 楢川から未来にはばたく 始まる小規模特認校

「写真」校庭から見た楢川小中学校
 令和6年度から小規模特認校の指定校となる楢川小中学校について、その背景や、小規模校ならではの特徴をお伝えします。
問い合わせ 教育総務課学校支援係 直通電話0263-52-0830

小規模特認校とは

 少人数を生かしたきめ細やかな指導や、特色ある教育環境下にある小規模校で「学びたい、学ばせたい」という児童生徒や保護者に、一定条件の下、お住まいの地区に基づく通学区域を越えて、市内全域(北小野地区を除く)から特別に児童生徒の入学(転入学)を認める制度です。
「図」
A区域 A小学校・A中学校→小規模特任校 楢川小中学校
B区域 B小学校・B中学校→小規模特任校 楢川小中学校

楢川小中学校の特徴「イラスト」

小学1年生から教科担任制を導入「写真」

 英語、算数、体育は1年生から専科の先生が授業に関わります。学年関係なく複数の先生が授業や指導を担当するティームティーチングで授業を進めています。

上限20人の少人数クラスを保障「イラスト」

 子どもたちはもちろん、先生たちも児童生徒一人ひとりとの関係を築くことができます。一人ひとりの学びや心情に寄り添った指導や、子ども同士の関わりを生かした学習活動を目指しています。

コミュニケーション重視の実践的な英語教育

 オーストラリアの学校とオンラインで交流したり、奈良井宿に来た外国人観光客へ地域の紹介パンフレットを配布して交流したり、修学旅行先で英語による地域PR活動をしたりと英語教育に力を入れています。

小規模特認校制度の背景

 楢川地区では、児童生徒数が年々減少しています(グラフ参照)。そこで、平成28年に楢川地区振興協議会内に教育振興検討部会が設置されました。この部会では、どのような環境を整えれば子どもたちのより良い教育につながるのかという視点に立ち検討が進められてきました。
 その結果、楢川地区に小学生と中学生が同じ校舎で学ぶ義務教育学校を開校し、小規模特認校とすることを決定しました。義務教育学校では、小学生を前期課程(1から6年生)、中学生を後期課程(7から9年生)として学んでいます。

小規模校で地域に学ぶ

 楢川小中学校では、学級内の係活動や児童生徒会の活動など、すべての子どもたちにさまざまな活躍の場があります。
 体育や音楽など、ある程度人数が多い方が良い授業や、総合的な学習の時間など、多様な考えを持った子どもたちが協力して創り上げる授業は学年の枠を超えたグループで進めています。「ならかわ大学」と呼ばれる総合的な学習の時間では、地域の「人・もの・こと」に関わり、地域の歴史や文化を支える人々の思いや技術に触れます。地域と共に歩むためには自分がどうあるべきかを考える学習を行っています。放課後には、地域ボランティアなどの指導で、バドミントンや将棋などの課外活動に取り組む楢川放課後講座の「なららクラブ」もあり、1から9年生が自由に参加できます。

地域と取り組む学校づくり

 楢川小中学校では、歴史と伝統が息づく楢川だからこそできる学びを大切にし、実践的なキャリア教育を行います。地域の課題に対して、地域の人々と一緒に取り組むことで、人と協力して課題解決する力を養い、地域と共にある学校づくりを進めていきます。
「グラフ」
■楢川地区児童生徒数の推移
H20年度 178人
H25年度 155人
H30年度 117人
R5年度 84人

地域と共につくる授業「イラスト」

 楢川小中学校では、社会で必要とされる資質や能力を養うため、地域の人と協働して地域活性化に貢献する活動などを授業に積極的に取り入れています。ここでは一部の活動をご紹介します。

自ら漆器を作って売る ならにこ漆器会社

 ならにこ漆器会社は、学校内での地域活動の一環として、令和3年度に当時の6年生が立ち上げた会社です。
 3から6年生はふるさと漆塗学習の時間を使って、木曽漆器伝統工芸士の皆さんから摺り漆という技法を教わる漆塗り体験学習をしています。学校に来たお客さんに活動を紹介したり、6年生は自分たちで漆塗りをした漆器の販売を行ったりしています。
 この会社は、「漆器の良さを伝えよう」「お客さんを笑顔にしよう」「地域を盛り上げて地域を笑顔にしよう」の三つを目標に活動しています。
「写真」奈良井宿での販売会の様子

木曽漆器の良さを伝えていきたい ならにこ漆器会社 瀧澤 響さん(木曽平沢)「写真」

 三代目社長の瀧澤響さんに、ならにこ漆器会社の取り組みについて聞きました。
 ならにこ漆器会社では、年1・2回の販売会を行っています。販売場所の確保や商品の制作は、すべて自分たちで行います。みんな初めての経験でしたが、協力して無事に完売することができました。今年は、外国の人にも購入してもらえるようにポップやパンフレットに英語表記を取り入れたり、接客も英語でできるように事前に準備したり、工夫をして販売しました。
 今はガラスやプラスチックの器が多いですが、木曽漆器を知らない人にも木曽漆器の良さを知ってもらい、笑顔になってもらうことが、ならにこ漆器会社の目標です。木曽漆器の良さを伝えていきたい
 三代目社長の瀧澤響さんに、ならにこ漆器会社の取り組みについて聞きました。

地域と共に地域を考える ならかわ桜プロジェクト

 このプロジェクトは「地域の桜を元気にしよう」という思いがきっかけで始まりました。地域の人が気持ち良く過ごせ、楢川に訪れた人へのおもてなしにもつながるよう、これまでにトイレや公園の整備を行いました。10月29日日曜日には、プロジェクトの一つである公園「Sakura Park」がお披露目されました。公園の構想は、地域の人からアンケートを取ったり、楢川小中学校の5・6年生とワークショップを行ったりして決めました。古タイヤや木製ベンチの再利用など、ありものを前向きに利活用した子どもたちのアイデアがたくさん取り入れられています。
「写真」公園の遊具についてワークショップをする様子

地域の素晴らしさに気付いてもらえたら

 二代目代表の酒井慶太郎さんに、楢川小中学校の児童生徒について聞きました。
ならかわ桜プロジェクト 酒井 慶太郎さん(木曽平沢)「写真」
 楢川小中学校の児童生徒は、とても伸び伸びしていて、物おじせずに積極的に意見を出してくれます。そのおかげで、素晴らしい公園が出来上がり、地域をより元気にしてくれたと感じています。
 楢川小中学校は、地域の人がサポートしてくれる環境にあるので、小規模ですがとても恵まれていると思います。子どもたちが地域の人と触れ合うことで、地域についてより深く知り、地域愛を育み、地域の持つ素晴らしい価値に気付いてくれるきっかけになると思います。今後の子どもたちの成長が楽しみです。

9年間の地域学習

前期課程(小学生)
ならにこカフェ 1年生から6年生
地域たんけん 1年生から2年生
ふるさと漆塗学習 3年生から6年生
ほおば巻き作り 2年生から3年生
羽淵キウリ栽培 4年生
ならにこ漆器会社 5年生から6年生
「写真」ならにこカフェ
「写真」ほおば巻き作り
「写真」ふるさと漆塗学習
後期課程(中学生)
地域の歴史・文化を探訪 7年生から9年生 
江戸ウィン 9年生
京都で地域PR 9年生
「写真」地域の歴史・文化を探訪
「写真」奈良井宿でのイベント活動「江戸ウィン」
「写真」京都で地域PR

学校の良さを伝えたい

 学校紹介パンフレットの作製を担当した7年生の中村凛花さんと、学校紹介動画の作製を担当した8年生の川上美稀さんに、楢川小中学校の魅力について聞きました。
8年生 川上 美稀さん(奈良井)「写真」
7年生 中村 凛花さん(木曽平沢)「写真」

仲間が増えることを願い作る

 小規模特認校となるにあたり、学校紹介を作製してほしいという依頼が山本校長からあり、7年生がパンフレット、8年生が動画を担当しました。それぞれ、どんな思いを込めるのかや、見た人がどう感じるのかを考え作製しました。
 「楢川小中学校をPRして、多くの仲間が来てくれることを願って作っています」と川上さん。小規模特認校になることで、さまざまな地区の仲間が増えることを楽しみにしているのが伝わってきます。

あふれる魅力

 初めての動画、パンフレットの作製で、中村さんは「フォントや写真の大きさなど、どのようにしたら見てくれた人にとって見やすくなるのかなどを考えるのが難しい」と話します。「楢川小中学校川小中学校の伝えたい魅力がたくさんあってちゃんと伝わるのか不安」と川上さん。2人に楢川小中学校の魅力は何かと聞くと、「木でできた自慢の校舎と、学年関係なく過ごせるところ」と中村さんは笑顔を見せます。川上さんは「学年を超えてランチルームで給食を一緒に食べられるところもいいよね」と楢川小中学校の魅力を話します。

楢川小中学校に行ってみたいと思ってくれた人に

 「楢川小中学校のみんなは本当にフレンドリーで、すぐなじめるので安心してほしい」と話す2人。学年は違っても仲良く交流する様子がありました。
「写真」作製した動画のお披露目会の様子
「写真」パンフレット作製の様子

私たちが作った学校紹介をぜひご覧ください!

楢川小中学校ホームページ(URL https://www.fureaicloud.jp/narakawa-ej)「QRコード」

夢や目標を持ってほしい

 小規模特認校となる楢川小中学校の魅力や目指す姿などについて、楢川小中学校の山本秀樹校長に聞きました。
楢川小中学校 山本 秀樹 校長「写真」

地域と共にある学校

 楢川小中学校は、本当に子どもたちが伸び伸びと学校生活を送っています。学年関係なく仲が良く、先生との距離も近いです。児童生徒たち自身もそれを楢川小中学校の長所だと感じてくれています。また、楢川小中学校は地域と共にある学校です。学校が輝けば地域もより輝いていくと思っているので、積極的に地域と関わる学習を行っています。
 私は、児童生徒たちがどんな大人になりたいのか、夢や目標を持って卒業してほしいと願っています。地域の皆さんと相談して決めた学校目標「楢川から未来にはばたく」。卒業する時に、どのようにはばたいてどう生きていくのかを楢川小中学校で学んでもらえたらうれしいです。

楢川小中学校を一緒につくっていってくれる人に来てほしい

 楢川小中学校や子どもたちは地域の宝です。地域の特色を生かすことや、義務教育学校にしかできないこと、少人数だからこそ一人ひとりに寄り添えることが楢川小中学校の魅力です。私は、そんな魅力あふれる楢川小中学校を一緒につくっていってくれる人や、宝物だと思ってくれる人にぜひ来てほしいと思います。そして、新しい子どもたちが加わることで学びの多様性を広げていき、楢川小中学校をより良くしていけることを期待しています。
 私たち教員は、そんな子どもたちを地域と共に包み込んで大切に育て、輝いて卒業できるように楢川小中学校で共に学んでみたいと思う子どもが一人でも増えたらうれしいです。気になった人はぜひ直接学校を見に来てください。

入校条件など

問い合わせ 学校見学・相談に関すること 市立楢川小中学校 電話0264-34-2004 制度に関すること 教育総務課学校支援係 直通電話0263-52-0830
■対象 市内在住の児童生徒(北小野地区を除く)または就学日までに市内に転入見込みの児童生徒で、次のすべてを満たす人
 ○児童生徒および保護者が市内に居住していること。または、就学(転学)までに確実に市内に転入する見込みがあること。
 ○小規模特認校の教育活動などを十分理解し、協力すること。
 ○通学および学校教育活動について、市教育委員会および当該小規模特認校の学校長の指示に従うこと。
 ○特別の事情がない限り、卒業(後期課程(中学校))まで小規模特認校に在籍する意思があること。
 ○通学は、保護者の責任と負担で行うこと。
※詳細についてはお問い合わせください。