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広報塩尻令和5年11月号テキスト版 2ページから5ページ
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特集 地域で支える中学生のスポーツ・文化芸術活動 部活動の地域移行って? 「写真」
中学校では、少子化などが原因で部活動の種目や部員数が減っています。将来にわたり子どもたちのスポーツや文化芸術活動の機会を確保するために進めている、部活動の地域移行についてお伝えします。
問い合わせ 教育総務課学校支援係 電話0263-52-0280 内線3113
限界を迎える学校の部活動
部活動は、スポーツ・文化芸術に興味や関心のある生徒が参加し、教員の献身的な指導の下、学校教育の一環として、日本のスポーツ・文化芸術振興の一端を担ってきました。また、体力や技能の向上を図る目的以外にも、先輩や後輩などと人間関係を築き、学習意欲の向上や自己肯定感、責任感を育てるなど生徒の自主的で多様な学びの場となっていました。
しかし、近年は少子化が進んで生徒数が減り、部活動入部者数も減っています。そのため、一つの学校だけでは部活動をこれまでのように運営することができなくなっています。また、経験のない競技の指導や休日の指導などが教員の大きな負担となっており、地域や学校によっては部活動自体の存続が難しくなっています。
将来にわたり生徒の豊かなスポーツ・文化芸術活動の場を確保するためには、部活動の在り方を改めて検討する必要があります。生徒や保護者の負担に十分配慮しつつ、地域と学校の連携・協働により子どもたちが活動する環境を整えることが必要です。
まずは休日の部活動を地域に
国が進める部活動の地域移行では「地域の子どもたちは、学校を含めた地域で育てる」という考えの下で、生徒がスポーツ・文化芸術活動に親しむことができる機会を確保することを目指しています。令和4年12月に国から示された部活動と地域クラブ活動についてのガイドラインでは、5年度から7年度までの3年間を推進期間として、まずは休日の環境整備を段階的に進めていくこととされました。
子どもたちの「やってみたい」を大切に
本市では、部活動の地域移行に向けた課題に総合的に取り組むため、9月に「塩尻市中学校部活動地域移行等協議会」を立ち上げました。今まで部活動が果たしてきた役割を発展させ、地域でのさまざまな体験や幅広い世代との交流を通じた学びなどの新しい価値を創ることで、子どもたちの「やってみたい」をかなえられるよう検討していきます。
塩尻市の部活動の現状
少子化などに伴い部活動入部者数が減少「イラスト」
競技によっては 1校だけでチームを組めない「イラスト」
複数の中学校の生徒が 合同チームを組んで活動「イラスト」
■本市の生徒総数と入部者総数「棒グラフ」
R1年度 生徒総数1,775人 入部者総数1,399人
R2年度 生徒総数1,820人 入部者総数 1,406人
R3年度 生徒総数1,786人 入部者総数 1,260人
R4年度 生徒総数1,708人 入部者総数 1,248人
R5年度 生徒総数1,602人 入部者総数 1,159人
interview 塩尻市部活動地域移行を考える
本市でも、少子化により中学校の生徒数が減り、入部する生徒数も減少しています。昨年の夏から市内中学校3校が合同で活動している野球部の状況について、塩尻西部中学校の顧問の先生にお話を聞きました。
生徒が戸惑わないように活動を考える 塩尻西部中学校野球部 顧問 朝日奈 佐先生「写真」
丘・両小野・塩尻西部中学校の野球部は、昨年の夏から3校合同で活動し、試合なども3校の合同で参加しています。
3校が合同で練習していると、1校では出られなかった大会に参加できるようになりますが、課題もあります。平日の部活動ではそれぞれの学校で練習し、休日に合同で練習するため、一緒に練習する時間が短く、チームの連携プレーや考えの統一などに課題があると思います。平日と休日の指導者が違い、教え方が違うと、生徒が混乱してしまうこともあるのではと思います。また、活動する生徒の学校が違うと、その学校ごとの教育があるので、合同での部活動では教育面での指導を行うことが難しいと思っています。生徒が混乱しないように、生徒の様子を見ながら、指導者同士で情報交換をしていく必要があります。
休日の部活動を地域に移行する際には、平日の部活動についても考える必要があると思います。「写真」
地域で子どもたちを指導している人の思い
部活動の地域移行について考えていく時に、子どもたちを受け入れる地域のクラブや指導者の存在がとても重要です。そこで、地域で子どもたちを指導している人に、活動内容や指導者としての思いについて聞きました。
地域クラブ編 「写真」
やりたいことを選択できる環境が整うと良い 桔梗ソフトテニスクラブコーチ 安藤 千晶さん「写真」
桔梗ソフトテニスクラブでは、塩尻中学校、広陵中学校、丘中学校、塩尻西部中学校のソフトテニス部に所属している生徒たちを中心に、週2回程度活動をしています。最近では、クラブで活動する小学生が増え、年齢や学校に関係なく交流しながら、技術向上のために練習をしています。
これからも、学校関係なくソフトテニスをやりたい生徒たちが、それぞれの目標に向かって切磋琢磨しながら練習できる場にしていきたいです。生徒たちの練習場所への移動など課題もあると思いますが、生徒一人ひとりがやりたいことを選択できる環境が整えば良いと思います。「写真」
小学生のうちからいろいろな経験ができる環境が大事 フォルスピスポーツクラブ 代表 手塚 民幸さん「写真」
私は、サッカーのクラブチームで中学生を指導しています。その中で、小学生の時はいろいろな運動を体験した方が良いと思い、フォルスピスポーツクラブを立ち上げました。
小学生のうちにたくさんの種類の運動を経験することで、中学生になった時に部活動の選択肢が広がると思っています。競技を決めて部活動で始めてみたり、より極めるためクラブチームで活動したりするなど、子どもたちの選択肢を広げるための活動をしていきたいです。サッカーをはじめとしたいろいろな競技を体験できるように、このスポーツクラブを運営していきたいです。「写真」
部活動編 「写真」
市全体で吹奏楽を楽しめる環境をつくっていきたい 塩尻西部中学校吹奏楽部 部活動指導員 吉江 節子「写真」
3年前に、部活動指導員として丘中学校の吹奏楽部で教え始めました。今年度からは塩尻西部中学校の吹奏楽部で指導しています。熱心な顧問の先生の指導の下、演奏の分からないところなどを生徒に教えています。
少子化で、市内の中学校で吹奏楽部に入部してくる生徒が減少しつつあると思います。人数が少ないとコンクールなどに出ることができない学校もあるため、市内の中学校を三つくらいのグループに分け、グループ名を付けて活動すると面白いのではないかと思います。生徒は、1校の部活動にはない学校の垣根を越えた活動により刺激を受けることができます。今後、市全体で吹奏楽が楽しめる環境を整備していきたいと思います。
子どもたちが希望する活動に参加できるように 教育総務課 部活動総括コーディネーター 中沢 寛「写真」
部活動総括コーディネーターに、これからの部活動の地域移行について聞きました。
子どもたちの活動の機会を確保する
部活動の地域移行とは、学校の部活動を地域に丸ごと移すことではなく、子どもたちがスポーツ・文化芸術活動に継続して親しむことができる機会を確保することです。そのためには、スポーツや文化芸術活動ごとに、各学校や地域の実情を把握し、その活動に合った環境を整備していく必要があります。
主役は子どもたち
部活動の地域移行は子どもたちのために行うものです。本市では、国や県の方針に基づき、まずは休日の部活動の環境整備を行っていきます。また、子どもたちが希望する活動に参加できるようにするためには、活動に関わる保護者や指導者だけでなく、行政の支援と、地域の皆さんからの協力が必要不可欠です。
これからは、「地域の子どもたちは、学校を含めた地域で育てる」という意識を持ち、学校と共に子どもたちの活動を支えていただきたいと思います。
部活動の地域移行についての検討は始まったばかりです。本市では、地域の皆さんと共に子どもたちのための環境づくりを進めていきたいと考えていますので、ぜひ、ご協力ください。
また、部活動の地域移行について、ご意見などがあれば、教育総務課にお寄せください。
活動を支える人や団体を募集
問い合わせ 教育総務課学校支援係 電話0263-52-0280 内線3113
今後の子どもたちのスポーツ・文化芸術活動を支えていただける人や団体を募集しています。
※詳細はお問い合わせください。
本市の取り組み状況を公開
部活動の地域移行について、本市の取り組み状況を公開しています。
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