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広報塩尻令和5年10月号テキスト版 2ページから13ページ

ページID:0035386 更新日:2023年9月28日更新 印刷ページ表示

広報しおじり2023年10月号テキスト版2ページから13ページがご覧になれます。

#特集 #高校生が伝える #地域食材の魅力

地産地消ってどんなこと?「イラスト」
 塩尻はレタスを中心に野菜や果物、畜産など魅力ある食材が豊富ですが、その土地柄はまだ知られていません。今回は高校生広報アドバイザーの協力を得ながら、地域食材と地産地消について皆さんに伝え、地域への誇りと愛着の醸成を目指します。

#行政×高校生

高校生広報アドバイザー
 令和4年度から市内高校3校の生徒に高校生広報アドバイザーに就任していただき行政広報の堅苦しさの打破、地元高校生の地域への愛着醸成を目指しています。今年度は若者目線による「地域食材」の魅力を伝えるため、広報塩尻やSNS、ホームページなどの情報発信に関わっていただきます。

塩尻志学館高校

中川 響さん「写真」
中野 琴美さん「写真」

田川高校

片桐 尚紀さん「写真」

東京都市大学塩尻高校

原 凛羽さん「写真」
高見 紘生さん「写真」
神原 愛梨さん「写真」
カンポス 紗智さん「写真」

地域で生産した食材を地域で消費する

 地産地消とは、地域生産・地域消費のことで、「地域で生産された食材をその地域で消費する」という意味です。人々が暮らす地域とそこで採れる食材は、食文化や健康面において深い関わりを持っています。
 地産地消に取り組むことは、生産者の顔が見えて安心するだけでなく、地域内で消費することで物流距離が短縮され、環境保全にもつながります。また、文化的・教育的な側面の他、生産者が消費者のニーズを捉えやすくなることで、地域農業の活性化にもつながっています。

人の健康を支える地域食材

 近年、全国で地産地消が推進される中で、「身土不二(しんどふじ)」という言葉も注目を集めています。この言葉は、「身体と環境(=土)は一元一体である」という考え方です。人の命と健康は食べ物で支えられ、その食べ物は土が育てており、人の命と健康はその土と共にあるとされています。
 また、江戸時代には、生活範囲とされていた四里四方(16キロメートル四方)で栽培された食材を食べていれば、健康で長寿でいられるといわれていました。
 私たちが住む土地で育つ食材もまた、その土地の季節や気候に応じて育ったものです。現代では交通が発展し、生活範囲は当時に比べて拡大していますが、塩尻で育ったものを食べることでより新鮮かつ栄養豊富なものを味わえます。

地域の食材に触れ、魅力に迫る

 皆さんは、地産地消について考えたことはありますか。高校生の皆さんに地産地消について聞くと、「地域で有名な食材は知っているけど、地域の食材を地域で消費する大切さは考えたことがない」そんな声が上がりました。
 そこで今回は、市内高校3校の生徒7人と一緒に、地産と地消それぞれの体験をするとともに、地産地消の意義や地域食材の魅力をお届けします。

地域で育つ食材、いくつ思い浮かびますか

 下にある食材は塩尻で育つ食材です。どこにでもあるものから特産品まであり、この他にも、私たちの地域ではさまざまな食材が生産されています。皆さんも高校生と一緒に地産地消について考えてみませんか。
「写真」桃 アスパラガス トウモロコシ 豚肉 パセリ リンゴ レタス 米 鶏肉 ナス ニンジン ジャガイモ ブドウ あやみどり

#塩尻の特産品 #収穫体験

地産地消は人と人のつながりを生む
 塩尻には、多くの特産品があります。ブドウ、レタス、パセリ、アスパラガスなど。今回は、東京都市大学塩尻高校の4人がブドウの収穫体験をし、生産者にブドウの魅力や生産者が考える地産地消について聞きました。
「写真」神原 愛梨さん カンポス 紗智さん 原 凛羽さん 高見 紘生さん

ブドウ生産者 塩原 岬さん「写真」▼profile

 定年後、専業で果樹栽培をしている。1園で7品種のブドウを栽培している他、桃やプルーンなども栽培。また、プラムの珍しい品種を育てるなど今も挑戦を続けている。

凍霜害に遭いにくく栽培しやすい

 農作物には品種があり、「ブドウ」にもさまざまな品種があります。種なしのものや皮ごと食べられるものなど、新しい品種が早いペースで開発されています。
 ブドウの魅力を「ブドウは、他の果物に比べて芽が出る時期が遅いため、凍霜害に遭いにくく栽培しやすいです。また、低い位置に実がなるため、高所作業がなく安心して作業ができます」と話す塩原さん。それを聞いたカンポスさんは、「高所作業がなく転落の危険がないため、誰でも安全に作業ができるところが良いですね」と話します。

丹精込めて作ることが大切

 ブドウを消費者の皆さんに手に取ってもらうために塩原さんは「安心安全でおいしいブドウを作ることを心掛けています。新しい品種が出たからといって、何でも作れば良いということではありません。育てられる範囲で丹精込めて作ることが大切ですね」と話します。収穫体験を経て「ほんの一部ですが、出荷するまでにさまざまな作業があることを知りました。生産者と顔を合わせて話を聞くと、人柄も分かり安心につながりますね」と高見さんは実感します。また、農作物を安定して栽培し続けるためには「ある程度好きじゃないと続かない」と話す塩原さんに対して、原さんは「今日の体験は楽しかったけれど、毎日楽しんでやることは簡単なことではないと思いました」とブドウ栽培の大変さを知ります。

生産者が考える地産地消

 「出荷してスーパーマーケットなどの店頭に並ぶまでに、約2日はかかります。そのため、直接買ってもらうことが農家にとっても流通コストがかからないし、消費者にとっても安心で新鮮なものを食べる近道になります」と塩原さん。「ただ、農作物はおいしく食べられる期間が短いため、地元に住む人だけで消費することは難しいです。地元だけでなく、その周りに住む人にも、食べてもらえるような工夫が大切ですね」と塩原さんは話します。「地産地消は地元だけで消費することでなく、隣市も含めた生活範囲での消費が大切だと感じました。スーパーマーケットだけでなく、農家さんの顔が見えやすい直売所にも足を運んでみたいです」と神原さん。他の高校生からも、実際に直売所に行ってどのような野菜や果物などが売られているのかを知りたいという声が上がりました。
 生産者は地域の食卓を彩る農作物を生産し、消費者は新鮮な野菜を買うことで地域農業を支えます。こうして、地産地消は、人と人とのつながりを生み出します。

ナイアガラ「写真」

 糖度が高くて甘みが強く、果汁が豊富で特有の芳香があります。粒は4gくらいと小さめで種入りですが、皮離れがよく食べやすいのが特徴です。
 緑が濃いものよりも、黄色みがかっているものがお薦めです。
「写真」塩原さんを囲んで高校生自らインタビューしました。

皆さんに届けます!生産者の声

レタス生産者 小川 遼さん(岩垂)「写真」

新鮮なレタスを食べてほしい

 春と秋の二毛作でレタスを栽培しています。良いレタスを作るために、ほ場の土壌検査などを行ない、その結果を参考にしながら良い土作りを心掛けています。私のお薦めの食べ方は、レタスしゃぶしゃぶです。塩尻はレタスの産地でもあるので、ぜひ1度採れたてのレタスを食べてみてください。

パセリ生産者 寺沢 一敏さん(芦ノ田)「写真」

パセリは栄養豊富な野菜

 イワシから抽出したアミノ酸を含ませた肥料を使用し、安心安全で一枝が大きいパセリを目指しています。パセリはビタミンCや鉄分、カロテンなどの栄養がたっぷり詰まっている体に良い野菜です。また、保存性も高いため、乾燥させれば長期保存できますので、ぜひメイン野菜として食べてほしいです。

アスパラガス生産者 塩原 正さん(郷原)「写真」

お客さんの笑顔が励み

 堆肥にキノコの残渣(ざんさ)を利用してアスパラガスを栽培しています。収穫から販売まで家族で手がけていますが、収穫後の株が来シーズンまで病気にならないように管理するのも大切な仕事です。
 太くて甘く美味しい新鮮なアスパラガスですのでたくさんの人に食べてもらいたいと思います。

#自校給食 #食育

地域食材の魅力を子どもたちに伝える「写真」
 塩尻はすべての小・中学校で、自校給食を行っています。今回は、田川高校の生徒が洗馬小学校の給食の時間に密着し、自校給食だからできる地産地消とその魅力を学校栄養士に聞きました。
「写真」洗馬小学校管理栄養士 今井 きみ子さん 田川高校 片桐 尚紀さん

自校給食で地産地消を推進

 本市では、給食に地域食材を積極的に取り入れる地産地消を推進しています。主食では、週4回の米飯給食にすべて市内産のお米を使用しています。また、主食以外でも牛乳の原乳はすべて県内産を使用し、肉や野菜、果物にもできるだけ市内・県内産を取り入れています。令和4年度の給食では、野菜が48.9%、果物が47.1%市内・県内産を使用しました。給食に市内産の食材を使用することについて今井さんは「地域食材は収穫してから子どもたちの口に入るまでの時間が短く、新鮮で栄養が豊富です。また、食材が育った環境が分かるのも安心安全な給食につながりますね」と語ります。

自校給食だから地域食材を学べる

 本市では、子どもたちが地域食材に触れる機会を増やしており、洗馬小学校では地域食材の中でも、洗馬産の食材を積極的に活用しています。給食が始まる前の放送や給食室の前で、洗馬産の野菜とその生産者の名前を紹介しています。「どこで誰が育てたかを知ることで、食べ物を大切にする心や感謝の気持ちを育みます」と今井さん。また、5年生になるとレタスの栽培に取り組み、収穫したレタスを地域の皆さんに配ったり、給食で使用したりしています。「一緒に給食を食べた6年生に地元食材は何か聞くと、『レタスだよ』とすぐ教えてくれたことが印象的でした」と片桐さんは驚きます。
 「私は市外出身で、小学生の頃に地産地消について学ぶ機会はあったのですが、さらに踏み込んで地域食材を知る機会はなかったです」と片桐さん。「市内産の食材の使用率が高く、小学生が地域食材のことを知っているのは、自校給食だからできることだと思います」と今井さん。それを聞いて片桐さんは「小学生の時から地元食材を意識していることはすごいことだなと感じました」と話します。

学校栄養士が考える地産地消

 地産地消の意義を「私たちが暮らす土地で育った食材は、そこで暮らす私たちの体に合ったものです。身近な食材を通して食への関心を持ち、食材が自分の口に入るまでの過程を意識してほしいですね」と話す今井さん。
 本市では今年度、学校栄養士と給食調理員で塩尻特産の食材を使用し、各学校の特色あるメニューを考案しています。自校給食は子どもの頃から地域食材を学ぶ大切な機会となっており、各学校の特色あるメニューが地域の愛着醸成へとつながっています。

洗馬産の野菜を多く使用した献立「写真」

 おかずにタマネギ、スープにレタスとタマネギとパセリ、サラダにキャベツが入っています。

塩尻市食生活改善推進協議会の取り組み 塩尻市食生活改善推進協議会 青柳 敏子さん「写真」

子どもたちに郷土料理を伝える

 塩尻市食生活改善推進協議会は、「私たちの健康は私たちの手で」をスローガンに、子どもから高齢者まで幅広い年代を対象に、地域に根差した食育活動を行うボランティア団体です。
 洗馬地区では、小学生の食育を推進するために、年4回、郷土料理クラブで地域の食材を使った郷土料理を教えています。この取り組みを通して子どもたちには、地域の食材がとてもおいしいことを知ってもらい、地域食材を誇りに思ってほしいです。また、大人になった時に地域の食材や郷土料理などを思い出して、周りの人や次の世代に伝えてくれたら良いなと思います。「写真」
「写真」洗馬産レタスのスープ 塩尻発祥!キムタクご飯

小学生に聞きました!地元食材のこと

6年1組 古瀬 千真さん「写真」 給食を食べると力が復活する

 給食には、さまざまな地元食材が使われています。給食を食べると、給食前の授業で使った力がよみがえってきます。地元食材を使ったメニューを作れる機会があれば、僕はレタスをいっぱい入れた塩ラーメンを作ってみたいです。
好きなメニュー レタスチャーハン

6年2組 原田 小百合さん「写真」

地元食材の魅力を伝えたい
 塩尻の給食は、お店で食べるような味がして、とても満足感があり、幸せな気持ちになります。給食で地元食材をたくさん食べているので、このおいしさを家族や市外の学校の友だちに教えて、地元食材の魅力を伝えていきたいです。
好きなメニュー あんかけ焼きそば

#対談 #ワインジェラート作り「イラスト」

友だちにワインを味わってもらうために
 塩尻志学館高校は長野県で唯一、授業の一環でワイン用のブドウを生産しワイン醸造を行っています。ワイン醸造に携わる生徒2人と地産地消を考える地元企業の取り組みをご紹介します。
「写真」Re:gelato 社長 芝田 潔さん 塩尻志学館高校 中川 響さん 中野 琴美さん

高校生の挑戦

 塩尻志学館高校では、学校の敷地内2カ所にワイン用ブドウの畑があります。そのブドウ畑で生徒たちは一からブドウを育てて収穫し、ワイン醸造まで行っています。
 農業科学系列で学ぶ、中川響さんと中野琴美さんは、自分たちが醸造したワインを使って、お酒が飲めない人や高校生にもワインを楽しんでもらいたいと、ジェラートのトッピングとして赤ワインのアルコール分を飛ばしたソルトとソースの開発に取り組みました。県内産の食材を使ってジェラートを作るリジェラートと、専門学校の未来ビジネスカレッジの協力を得ながら商品化に成功しました。
 今回は、高校生とリジェラートの芝田さんに開発当時を振り返ってもらうとともに、塩尻産の食材を生かして商品化した皆さんが考える地産地消について語っていただきました。
「写真」塩尻志学館には2つのほ場があり、ナイアガラやメルローを栽培しています。

芝田 潔さん「写真」▼Profile

 地産地消・フードロス・食育を考え、地元の旬の果物や野菜などの素材を楽しんでもらうために、ジェラートにして届けている。地域や人に溶け込めるように、地元の食材を起用し新メニューの開発も手掛ける。

高校生自身が企画し、商品化を目指す

中野さん 私たちは2年次から、ブドウ栽培からワイン醸造までを行っています。ある日、先生とワインをアレンジした商品の開発について話したことがきっかけでこの企画が始まりました。
中川さん ジェラートもトッピングも自分たちでレシピを調べて作ってみたのですが、肝心のジェラート作りがなかなかうまくいきませんでした。
中野さん 自分たちで作ってみてから、うまくできない原因や味の違いを知りたいと思い、そこでリジェラートさんに協力をいただきました。
芝田さん そうでしたね。高校生の取り組みや思いを聞いた時に、私の「地域貢献をしたい」という思いとマッチしました。高校生は戸惑いがある中でも、何かを得るだろうなと思ったのでタッグを組むことになりました。ブドウの栽培から商品を売るまでの経験や知識が、2人の人生でも生かせることが容易に想像できましたね。
中川さん ありがとうございます。協力してもらえたおかげで、自分たちではできなかったことや問題点を改善できました。
中野さん ソースにとろみが付かないことも課題でしたが、未来ビジネスカレッジの古川先生に教わって改善し、商品化できました。「写真」

実際に文化祭で販売し、お客さんの反応を知る

中野さん 文化祭でワインジェラートを食べたお客さんが、おいしいと言ってくれたことがうれしかったです。
中川さん 子どもや同級生、お年寄りなど幅広い年代の人が来てくれて、珍しがったり、味の感想を言ってくれたりしたことが達成感につながりました。
芝田さん 自分が作ったものを他の人が喜んでくれたことが、達成感や喜びとして自分の経験にも残りますよね。
中野さん 商品を買ってくれた人に香りや後味、口溶けなど7項目をアンケートしました。この結果をまとめて今後の研究に生かしたいです。
「写真」文化祭当日に用意した100個は午前中ですべて完売しました。

作り手が考える地産地消

芝田さん 私は、農家さんとつながることを地産地消の中に含めて考えています。農家さんが丹精込めて育てた作物の中には、傷が付いたり、サイズが小さかったりなどの理由で、出荷できない物があります。そのような作物を農家さんから直接仕入れることで、農家さんは少しでも利益になり、私たちも仕入れのコストが下がります。このことに共感を得られた農家さんと協力しています。生産者の顔が見えることこそが、地産地消の意義だと思います。
中川さん 私もそう思います。地産地消は、消費者は生産者の顔が見えますし、生産者は消費者の顔が見えます。お互いの顔が見えることで、お互いが安心できると感じています。
中野さん 私たちは今回の取り組みで、自分たちが作ったものを自分たちで売りました。食べた人の笑顔が見られることは、作った私たちとしてもうれしいですね。「写真」

#食材の味を生かす #地元の人に届けたい

身近な食材が当たり前においしい
 皆さんは身の回りにある地域食材がどれだけあり、その素材がどんな味か知っていますか。料理で素材の味を最大限に引き出し、地域食材の魅力を人に伝えている飲食店経営者の宮内隼人さんに聞きました。「写真」

シオジリ_ストア 宮内 隼人さん「写真」▼Profile

 東京都出身。前職で全国を回り各地の食材に触れる中で、長野県の食材に興味を持ち移住。地元の食材を地元の人に届けたいと市内で飲食店を営んでいる。

塩尻は素材に興味を持つ人が多い

 長野県は、野菜や果物が豊富だと感じます。野菜や果物は、種類によって味も香りも全く違います。そのため、素材の味をそのまま生かした料理を提供することができます。素材の味がおいしくないと、どんなに手を加えても料理はおいしくなりません。塩尻の食材は当たり前においしいのが素晴らしいですね。
 また、塩尻に来て驚いたことは、食材の味や品種に興味がある人が多いということです。例えば、都心部のスーパーマーケットでレタスを買う際に、値段を気にする人はいても、味を気にする人はほとんどいません。しかし、塩尻の皆さんは味や産地を気にしてレタスを選んでいます。それほど塩尻産の食材を知り、おいしいと思って食べている人たちが多い地域だと感じています。

地域に住む人に驚いてもらう それが地産地消の意義

 都心部で新鮮な野菜を手に入れようとしても、産地から手元に届くまでに約1週間かかります。しかし、産地では新鮮な野菜がすぐに手に入りますし、直売所に行けば、スーパーマーケットでは買えないような食材まで買うことができます。住まいと産地が近いことがとても魅力的で、季節ごとの食材を見てどんな料理にしようか考えるのはとても楽しいです。
 私は、化学調味料や冷凍食品を使わず、素材を組み合わせた料理を提供することをコンセプトにしています。地元のお客様に「おいしい」と感じてもらうだけでなく、一つの食材をいろいろな料理で提供することで、「そんな食べ方もあったのか」と驚きや発見をしてもらうことが大切です。塩尻産の食材を使った料理を食べてもらい塩尻に住む人に改めて地元食材の魅力を知ってもらうことが、地産地消の意義だと考えます。素材の味を生かした料理を食べた人から、レシピを尋ねられることもあります。家庭で塩尻産の食材を使い料理して地元食材を食べるきっかけになってくれたらうれしいです。

素材の味を多くの人に届けたい

 将来的には、地元食材を使った調味料や総菜を作り、お店に来なくても健康的でおいしい塩尻の味を体験してもらいたいと思います。市外の人向けでもありますが、市内でも移動手段がなくお店に来られない方や地元食材の魅力を知らない方などに向けて、日常食を発信したいと考えています。
 また、塩尻は自然が多いことや整った住環境に加え、やりたいことにチャレンジしやすい環境が整っています。食材に興味を持った方が、私の取り組みを知り、後に続く人が増えれば良いなと思います。

#家庭で挑戦 #ワインに合う 食材の味を生かしたレシピ

塩尻で育つのは野菜や果物だけじゃない!信州SPF豚

やわらかく、あっさりしていて食べやすい豚肉です。 岩垂原エスピーエフ農場 山本 公利さん「写真」

 信州SPF豚は、脂身が甘くてあっさりしており、やわらかく臭みがあまりないのが特長です。餌にお米を混ぜているので、うまみ成分のオレイン酸が多いです。またSPFとは、あらゆる病原菌を遮断して飼育する方法で、農場に入る時は毎回シャワーを浴びるなど、細心の注意を払っています。塩尻産の豚をぜひ食べてみてください。

宮内さん直伝!  信州SPF豚肩ロースソテー 季節の野菜とサルサソース「写真」

材料(1人分)

豚肩ロース 150グラム
ニンニク 1片
タイム 1枝
ローズマリー 1枝
ウスターソース 大さじ2
フォンドボー 大さじ1
濃口しょうゆ 小さじ1
みじん切りしたタマネギ 大さじ1
塩・胡椒・油 少々
お好みの野菜 適量
【サルサソース】
トマト 1個
★ライム果汁 2分の1個
★削ったライム果皮 少々
★刻んだハラペーニョ 小さじ1
★オリーブオイル 大さじ1
★千切りしたバジル 3枚分

作り方

(1)豚肩ロースはフォークで筋を切り、塩を振る。油をひいたフライパンで豚肩ロース、ニンニク、タイム、ローズマリーを入れて香りを移しながら焼き色を付け、その後低温のオーブンで10分ほど加熱する。
(2)豚肩ロースを焼いた後のフライパンに、ウスターソース、フォンドボー、濃口しょうゆ、タマネギを入れてソースを作る。
(3)トマトを湯むき後、ざく切りにして余分な水気を切り、ボールに入れる。★を合わせてサルサソースを作る。
(4)お好みの野菜を一口サイズに切り、フライパンでソテーし、塩で味付けをしてお皿に盛り付ける。
(5)オーブンから取り出した豚肩ロースを切り、(4)のお皿に盛り付けてソースをかけ、サルサソースを添えたら出来上がり。

動画でも作り方を紹介中!

 今回紹介した料理を動画でも紹介しています。おまけの料理動画も公開していますので、料理してワインと一緒にご賞味ください!「QRコード」
「写真」葡萄ヨーグルトクリームチーズ

新鮮でおいしい食材を選んで食べる「写真」

ブドウの収穫を通して塩尻の魅力を感じた 高見 紘生さん「写真」

 市内出身ですが、ブドウの収穫体験は初めてでした。塩尻の特産品の一つにブドウがあることは知っていましたが、ブドウの生産に触れる機会がなかったので、今回ブドウの収穫を通して塩尻の土地や食材の魅力を知れて良かったです。

手元に届くまでの過程を知り、物語に思いを馳せる カンポス 紗智さん「写真」

 今回は貴重な体験をしました。普段食べるブドウが自分たちの手元に届くまでの過程を知り、そのありがたさが身に染みました。私の地元はリンゴが有名で、そこにも私たちが食べるまでに物語があると思うととても感慨深いです。

地産地消を改めて学び、地元を誇りに思う 原 凛羽さん「写真」

 生産者に実際に会わないと知ることができない地産地消について、たくさん知れたので、勉強になりました。塩尻の特産品を知るとともに、市外の私の地元にもさまざまな特産品があると気付き、自分の地元も誇りに思いました。

地域食材に注目し、地産地消を考えていきたい 神原 愛梨さん「写真」

 地域で育ったブドウを地域だけで消費することは難しいことを学びました。これまで地産地消について軽く考えていましたが、もっと深く考えたいと思いました。自分が住む土地の食材にも目を向けたいと思います。

自校給食は地域食材に触れられる 片桐 尚紀さん「写真」

 塩尻の自校給食の取材を通して、子どもの頃から地域の食材に触れることの大切さや、地域食材を使って献立を考える栄養士さんの取り組みを知れて良かったです。改めて自分が住む地域の食材を知りたいと思いました。

経験を今後の人生に生かしたい 中川 響さん「写真」

 自分たちで醸造した赤ワインを使って取り組んだワインジェラート作りですが、直接、食べたお客さんの笑顔が見られたり、感想が聞けたりして良かったです。この経験を今後の人生に生かしたいと思います。

消費者の声をまとめて研究の糧に 中野 琴美さん「写真」

 お酒が飲めない人や同級生に自分たちが醸造した赤ワインの味を楽しんでもらえたことがうれしかったです。文化祭で消費者の生の声が聞けたので、その時に行ったアンケートをまとめ、今後の研究の糧にしたいです。

地域食材の魅力を届けます

市ホームページ▶「QRコード」
今回の取材を写真とともに発信します!
「QRコード」◀市公式X(旧Twitter)
高校生のコメントや写真を掲載します!

編集後記「イラスト」

 昨年に引き続き、やわらかい広報を目指すために、高校生に協力いただいた。取材前、地域の食材や地産地消についてあまり考えたことがないと言っていた高校生。しかし、取材が終わると、もっと地域の食材について知りたいという声が上がっていた。
 私も生き生きとした笑顔で食材の魅力を語る生産者や、熱い思いで食材を生かす人々と出会う中で、地域の食材に惹かれていた。周りを見渡すと、いろいろな地域の食材であふれていた。塩尻は食の宝庫だ。この特集を読んだ人が、自分の地域の食材に興味を持ち、地域の食材とその食材が育つ地域を誇りに思ってもらいたいと切に願う。

日本酒とそばもあるよ!「イラスト」 しおじりオータムフェスタ2023 

 秋の収穫祭をイメージし、塩尻市にゆかりある食べ物やワイン、キッチンカー、ハンドクラフトなどさまざまなお店が出展する、にぎやかなイベントです。
 また、塩尻市で活躍する、日常では関わることのないさまざまなジャンルの“つくり手”と、来場者がつながる機会です。しおじりの秋を“収穫”しに来ませんか。
■日時 10月21日土曜日・22日日曜日 午前10時から午後3時
■場所 平出遺跡公園
※詳細は塩尻市観光ガイド時めぐり(URL https://tokimeguri.jp/guide/shiojiri-autumn2023/)をご覧ください。「QRコード」