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広報塩尻令和5年9月号テキスト版 6ページから7ページ

ページID:0034494 更新日:2023年8月30日更新 印刷ページ表示

広報塩尻2023年9月号テキスト版6ページから7ページがご覧になれます。

文化財を後世に残す 塩尻市文化財保存活用地域計画を策定しました「写真」

 地域に存在する文化財。これらを後世まで残すために「塩尻市文化財保存活用地域計画」を策定しました。
問い合わせ 文化財課文化財係 直通電話0263-52-0904
 本市は、長野県のほぼ中央に位置し、中央アルプスなどの山並みに囲まれた田園風景が広がる、清浄な水と緑に囲まれた歴史あるまちです。市内には「堀内家住宅」、「小野家住宅」などの7件の重要文化財建造物や、重要有形民俗文化財「木曽塗の製作用具および製品」、縄文時代から平安時代にかけての大集落遺跡である史跡「平出遺跡」、重要伝統的建造物群保存地区「奈良井」、「木曾平沢」などをはじめとする貴重な文化財が多く存在します。
 近年、文化財を取り巻く環境は、過疎化や少子高齢化などの社会環境の変化や価値観の多様化、気候変動により大きく変化しています。本市においても少子高齢化、核家族化の進行などといった社会状況の変化により、有形文化財・記念物などの継承・維持管理、無形の民俗文化財の公開・後継者の育成が困難な状況となっています。
 このような社会状況の中であっても、先人たちから受け継がれてきた地域の文化財を指定・未指定に関わらず、未来へ伝えていくために、塩尻市文化財保存活用地域計画を策定しました。
 所有者や行政だけでなく地域社会全体で幅広く文化財を把握し、保存・活用に取り組むことが必要です。また、文化財は地域の特徴を表しています。その文化財を保存し活用することで、地域の活性化につなげていきます。

塩尻市・実は 重要文化財建造物民家の数が全国で3番目に多い!

 本市には、中山道塩尻宿にある旅はたご籠を営んでいた「小野家住宅」や、江戸時代の北熊井村の名主の住まいと伝えられる「嶋崎家住宅」など、国指定の重要文化財建造物民家が7件あります。このうち、宿場に関する建造物が4件あります。全国における重要文化財建造物民家の数は、本市は3番目となっています(1番:橿原市、2番:高山市、3番:塩尻市と川崎市)。
小野家住宅「写真」
嶋崎家住宅「写真」

塩尻市文化財保存活用地域計画 計画の一部をご紹介します。

将来像 山と川、人とみちの交わりが育んだ多様な歴史文化を感じるまち 塩尻

保存に関する課題

●未指定文化財の確実な保存のため、指定・登録を進める必要がある。
●老朽化した有形文化財(建造物)について保存修理を行う必要がある。 など
(1)保存の基本方針
大切な文化財を後世へ継承する
方針1-1 調査
塩尻の文化財の把握
方針1-2 管理
価値付けされた文化財の維持
方針1-3 防災・防犯
文化財の防災・防犯活動

活用に関する課題

●郷土学習による市民の郷土愛の醸成を図る必要がある。
●地場産品に触れる拠点を整備し、地場産品に関する各種イベントを企画・開催するとともに、PRする必要がある。 など
(2)活用の基本方針
多様な文化財を生かし地域の活力とする
方針2-1 公開
価値付けされた文化財の公開と発信
方針2-2 産業
文化財を生かした産業の活性化
方針2-3 学習
文化財の学習による郷土愛の醸成

基盤整備の課題

●文化財を活用した地域づくりや、ワインに関する取り組みなどに支援を継続する必要がある。
●継承されてきた地域のお祭りなどの担い手を育成する体制を構築する必要がある。 など
(3)基盤整備の基本方針
多様な主体の連携による文化財の保存・活用
方針3-1 体制
保存・活用に係る連携体制の構築
と担い手の育成
方針3-2 支援
保存・活用の活動の支援

具体的な取り組み(一部) 全体で54あります

文化財把握調査の実施

無形民俗文化財や美術工芸品(古文書など)を主とした未指定文化財を把握するための調査を行います。「写真」▶贄川本陣絵図

観光資源としての活用

文化財を活用した観光ツアーやイベントを実施します。「写真」▶平出遺跡

地域のお祭りの後継者育成

伝承者から後継者への催しものなどの指導を行い、育成を図ります。「写真」▶床尾神社御神楽

塩尻市の歴史ストーリー

塩尻市文化財保存活用地域計画は、本市の歴史文化の特徴に基づくさまざまな文化財を、その関連性からテーマやストーリーでまとめた「関連文化財群」という新しい視点で捉え、保存活用を図っていくという点が特色です。今回は、本市の歴史文化の特徴についてインタビューしました。

塩尻市の歴史文化を生み出した背景 塩尻市文化財保存活用地域計画協議会 会長(計画策定時)青柳 直良さん「写真」

 今回の計画は歴史だけでなく、塩尻市の歴史文化の特色を捉えたものです。塩尻市の文化財を7つのストーリーにまとめた背景には、まず塩尻という地域を6つに分けたことから始まります。
 楢川周辺の豊かな森林や川がある地域は木材や漆の加工が発展し、宗賀・大門・塩尻東周辺は平出遺跡や街道、駅を中心とした歴史があります。洗馬周辺は、多くの文人墨客が地域の人と交流し、歌や俳諧、焼き物などの文化を残しています。広丘・吉田・高出周辺では、太田水穂や島木赤彦などの近代短歌の歌人がこの地に集い、短歌の中心地域となりました。片丘周辺では、集落を形成する上で適した地域であることから縄文時代の遺跡が数多く存在しています。北小野周辺では、安土桃山時代に北小野村と南小野村に所領が分けられましたが、現在でも「両小野」の地名にあるように行政の違いを超えたつながりがあります。
 各地域にある歴史文化を地域としてだけでなく、平出遺跡、街道、建物、伝統のわざ、文人などのテーマに沿って7つにまとめ、塩尻全体を一つの線で表しています。本市には数多くの魅力ある文化財とそれに伴うストーリーがあります。しかし、計画内でのアンケートで文化財に関心がある人が少ない状況であることが分かりました。今後、若い世代をはじめ多くの皆さんにも興味を持ってもらうことができる魅力ある仕掛けを考えていく必要があると思っています。
ストーリー1
五千年におよぶムラ・平出
「写真」
ストーリー2
今に息づく街道と宿場
「写真」
ストーリー3
守り受け継がれる多様な建築
「写真」
ストーリー4
地域が誇る伝統の「わざ」
「写真」
ストーリー5
塩尻に集う文人墨客
「写真」
ストーリー6
地域を束ねる祭り
「写真」
ストーリー7
塩尻に根付いた葡萄とワイン
「写真」