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広報塩尻令和5年7月号テキスト版 2ページから7ページ

ページID:0033175 更新日:2023年6月30日更新 印刷ページ表示

広報しおじり2023年7月号テキスト版2ページから7ページがご覧になれます。

特集 空き家の今と未来を考える「イラスト」

「写真」【特定空き家の例】現在は所有者により解体済みです。
 本来「財産」である家ですが、空き家となり適正な管理がされていないとあっという間に負の財産になってしまいます。市内で増加する空き家について一緒に考えてみませんか。
問い合わせ 建築住宅課建築住宅係 電話0263-52-0280 内線1291

空き家とは

 建物またはこれに付属する工作物(塀やカーポートなど)であって1年を通して居住などの実態がないものおよびその敷地(立木その他の土地に定着するものを含む)

増加する空き家

 本市では、令和3から4年度にかけて、市内全地区の空き家等実態調査を行いました。この調査は、各地区から空き家と思われる建物リストの情報提供を受け、市職員が報告のあった物件を見て状況を確認するものです。その結果、前回の調査で把握していた数の約1.5倍となる、1200件を超える空き家が存在していることが分かりました。(グラフ参照)
■本市の空き家の推移「棒グラフ」
※この数値は空き家等実態調査によるものです。
H25年 630件
H30年 825件
R4年 1,209件

適切な管理が大切

 調査の中では、十分な管理がされず老朽化が進み、周辺の生活環境を害する恐れがあるものや、草木が繁茂するなど、管理が行き届いていない空き家が多数見受けられました。この状態が続くと、近隣に迷惑がかかり、不法侵入やごみの不法投棄など犯罪のリスクが高まったり、景観・衛生環境の悪化で地域イメージの低下につながったりしてしまいます。
 さらに、著しく周辺環境へ悪影響があり、住民の生命、身体、財産に影響を及ぼすと判断されると、「特定空き家」に認定されます。不十分な管理が原因で事故などが起きると、所有者に多額の損害賠償が発生する恐れもあります。そのため、空き家になる前の予防や定期的な点検が必要となります。

相続について考える

 近年は、所有者の高齢化により判断能力が低下し、意思表示ができなかったり、相続登記がしたくても相続人の所在が分からなかったりするケースが増えています。相続登記ができなければ、家の売却や固定資産税の支払いがスムーズにできなくなるケースもあります。6年4月からは相続登記が義務化されますので、早めの手続きが必要です。
 また、判断能力が十分にあるうちに家族信託(民事信託)制度を利用して、信頼できる家族に家の管理や処分を任せることも、空き家の予防となります。空き家になる前から家族みんなで家の今後のことを考え、相続関係を整理するなど、家の将来について話し合うことが大切です。

ハンドブックの活用を

 本市では、空き家を適正に管理するための方法や、空き家の利活用方法など、空き家対策全般に関わる内容を記載した「塩尻市空き家等ハンドブック」を作成しました。「何から手をつければよいのか」「相続や税優遇、市の補助制度はないのか」などの疑問について、このハンドブックをご覧になり、適正な管理と利活用につなげましょう。

塩尻市空き家等ハンドブック

 塩尻市空き家等ハンドブックは、市役所2階建築住宅課の窓口で受け取るか、下のコード(市ホームページ)からダウンロードしてください。「QRコード」
空き家 一緒に考えてみませんか「塩尻市空き家等ハンドブック」「イラスト」

空き家相談会および移住定住相談会「イラスト」

問い合わせ 株式会社しおじり街元気カンパニー 電話0263-88-8530
■対象 市内に空き家を所有している人、本市への移住や定住を検討している人
■日時 7月30日日曜日 午前9時から正午、午後1時から4時
※相談は1組1時間までです。
■場所 えんぱーく4階405号室しおじり街元気カンパニー
■申し込み方法 電話またはメール(iju.teiju@shiojiri-genki.com)でお申し込みください。
■申込締め切り日 7月28日金曜日
※オンラインでの相談もできます。

空き家等対策住民啓発講座

問い合わせ 建築住宅課建築住宅係 電話0263-52-0280 内線1291
 空き家の適正管理や利活用方法、今からできる対策など、空き家に関する住民啓発講座を公民館と共催で行います。開催日などの詳細は、右のコード(市ホームページ)をご覧ください。「QRコード」

しおじり街元気カンパニー

所有者と利用希望者の思いに寄り添う
 空き家の相談を一挙に受け付けるワンストップ窓口。今回は、空き家コーディネーターの藤森茂樹さんに、空き家の利活用方法についてお聞きしました。
株式会社しおじり街元気カンパニー 藤森 茂樹さん「写真」

空き家の幅広い相談が可能

 株式会社しおじり街元気カンパニー(以下街カン)は、市と民間企業が出資し設立した第3セクターの会社です。主に、空き家や移住・定住に関する相談、補助金の相談、空き家の所有者と利用希望者とのマッチング支援を行っています。
 街カンの特長は、所有者の相続や財産管理などの相談、利用希望者の希望に合う空き家探しなど、専門知識が必要な幅広い相談を1カ所の総合窓口として相談できるところです。より専門知識が必要な場合は、専門家を紹介することもできます。

空き家に合う利活用方法を

 年々新規で空き家になる件数は増えており、空き家の利活用方法に関する相談も増えています。
■空き家の利活用方法
賃貸
 〇メリット 思い出の住まいが生かされ家賃収入が得られる
 〇デメリット 大家として管理や修繕に費用がかかる
建物付きで売却
 〇メリット 解体費がかからない、中古住宅を探している人の需要がある
 〇デメリット 家の状態や価格によって買い手がつかないことがある
更地にして売却
 〇メリット 解体により土地の売却が容易
 〇デメリット 建物付きよりも解体費分の経費がかかる
※ほかにも、メリットやデメリットがあります。

空き家をうまく利活用

 街カンでは、より多くのニーズに応えるために、できるだけ建物付きで空き家バンクに掲載しています。中古物件に住みたい人も、更地にして土地活用をしたい人も利活用しやすいからです。
 しかし利活用方法は、家の状況や所有者の思いによって異なります。所有者の気持ちに寄り添い、どのような状態であれば空き家をうまく利活用できるかを考えながら、デメリットを少なくする方法を所有者と一緒に考えています。自分が生まれたこの家を残したいという思いや、経済面、家の耐久性、間取りなどを総合的に判断することが大切です。
 塩尻市は寒冷地のため、適切な管理がされていないと水道管が破裂したり、家が劣化しやすくなったりします。リフォームするところが多いと空き家を売却しづらくなります。家をどうしたいか迷っている段階でも良いので、早めの相談をお願いします。
 また、利用希望者は気に入った家があれば、家の状態や地域の様子を知るために、実際に現地へ足を運ぶことが大切だと思います。

【塩尻市の空き家サポート体制】「イラスト」

<ワンストップ窓口>しおじり街元気カンパニーが空き家の利用希望者と空き家の所有者をマッチング
<ワンストップ窓口>しおじり街元気カンパニー←委託・連携→市建築住宅課←協定→不動産事業者(空き家利活用促進連絡会)
<ワンストップ窓口>しおじり街元気カンパニー←連携→不動産事業者(空き家利活用促進連絡会)
空き家の所有者 相談→<ワンストップ窓口>しおじり街元気カンパニー←相談 空き家の利用希望者
空き家の所有者←補助金 市建築住宅課 補助金→空き家の利用希望者
空き家の所有者←仲介 不動産事業者(空き家利活用促進連絡会) 仲介→空き家の利用希望者

更地にして土地活用

株式会社しおじり街元気カンパニー 今井 斐子さん「写真」
 解体して土地活用をする物件も増えています。解体した物件の事例を紹介します。

Before「写真」

 雨漏りしていて柱・梁に歪みがあり、使用できる状態ではなかったため、解体し更地にして売却することを選択。

After「写真」

 利用希望者から家を新築したいという相談を受けて、更地になったこの土地を街カンで紹介。

株式会社しおじり街元気カンパニー お問い合わせはこちら「イラスト」

■場所 えんぱーく4階405号室
■お問い合わせ先
 〇電話 0263-88-8530
 〇メール Eメール iju.teiju@shiojiri-genki.com
 〇ホームページ URL https://shiojiri-genki.com/
※来社相談をご希望の際は事前にご連絡ください。

塩尻市空き家バンク

 空き家バンクは、市内の空き家を「売りたい・貸したい」と考える人と、空き家を「買いたい・借りたい」と考える人を仲介するサービスです。
●登録対象となる地域
 市内全域(土石流・急傾斜地の特別警戒区域を除く)
●登録対象となる物件
 個人が居住を目的として建築した住宅およびその敷地であって、現に居住していないまたは居住しなくなる予定の物件
●登録情報の公開
 登録いただいた情報は、市ホームページで随時公開します。

注意事項

 市では、空き家バンクに登録された物件に関して、利用登録者に情報の提供を行いますが、交渉や契約に関しての仲介行為は行いません。登録時に、当事者間で直接交渉するか、宅地建物取引業者に仲介を依頼するかを選択していただきます。
▼空き家バンクに登録されている空き家の詳細はこちら「QRコード」「イラスト」

空き家を動画で紹介中!「写真」

 塩尻市空き家バンクに登録している空き家をYouTubeショートで内覧できます。気軽に視聴できるので、ぜひご覧ください。
※掲載されている動画は、6月21日時点のものです。
▼詳細はこちら「QRコード」

それぞれの思いを紡ぐ「イラスト」

空き家を生かして 暮らしを楽しむ
 空き家を利活用し、そこに住むと決めた人たちがいます。空き家に対する思いや今の暮らしについてお聞きしました。

人が留まるコミュニティ拠点 宿場noie(のいえ)坂勘 sakakan たつみ かずきさん・山田 海斗さん(贄川)

 かつて籠旅(はたご)だった築100年のこの家で、シェアハウスを含むコミュニティ拠点の場を運営しています。塩尻市は、人が来る“流入機能”は充実しているけれど、人が留まる“滞留機能”は構築が必要でした。以前からシェアハウスなどを運営していて、人が留まるコミュニティ拠点をつくりたいと行政や街カンに相談し、条件に合ったのがこの物件でした。所有者の「この家を大切に残したい」という思いや、地域住民の温かさなどがマッチングし、平成31年1月にオープンしました。
 年々空き家が増えています。より多くの人に空き家バンクを知ってもらえれば、空き家を再生する機会が増え、それが連鎖することで地域を持続させられると思います。住む場所の選択肢を増やし、人々が帰ってくる場所を残しておくために自分たちが今できることをしていきたいです。
Before「写真」▶After「写真」

みんなの笑顔であふれるカフェをオープン cafeたね・古道具こはく 加藤 敏江さん・博さん(上組)

 私たちは他市でカフェを営業していましたが、令和4年1月に洗馬上組に移転し、営業しています。移転前のカフェは自宅から距離があり、毎日の移動が大変でした。そこで自宅兼カフェとして利用できる場所を探していたところ、塩尻市の空き家バンクで希望に合う物件を発見しました。すぐに街カンへ問い合わせ、内覧し、移住を決めました。
 オープン前には、自分たちの手でほとんどの場所を改修しました。空き家を改修する補助金の条件が当てはまらず利用していませんが、補助金の対象や条件がさまざまなので、空き家を希望する人は調べることをお勧めします。また、地元農家の作物や作家の作品、夫の修理した古道具の展示・販売スペースも広く設けられました。地域の人がカフェに訪れてくれるなど地域とのつながりも増え、とても良い物件に巡り合えたなと感じています。
Before「写真」▶After「写真」

住んでいた歴史を感じ住み継ぐ 移住者 内田 考生さん・恵美子さん(贄川)

 海外で仕事をしていましたが、新型コロナウイルス感染症の影響で隣市で仕事をすることになり、帰国を考え始めるのと同時に物件を探し始めました。もともと古民家が好きだった私たちは、空き家バンクの物件を閲覧しました。街カンで紹介してもらった2軒を内覧し、旅籠としての歴史があった今の物件に一目ぼれしてしまいました。古民家の良いところは、建てた大工さんの思いや以前にお住まいの人の物語を感じられる事です。重厚な建具や使い込んだ持ち手などに思いを馳せます。
 昭和5年に贄川で起きた大火事。それでも消失しなかった歴史あるこの家を、私たちは住み継ぎました。いずれは私たちも後世に住み継ぐ時が来ます。そこにはとても大きな責任がありますが、この地域とそこに建つこの家を残したいという思いを胸に、生かす方法を考えていきたいと思います。
Before「写真」▶After「写真」

空き家利活用に関する補助金

 本市の空き家利活用補助制度をご紹介します。1年間を通して居住実態がない物件が対象となります。
 空き家整備事業
●対象 空き家の所有者および利用者(条件あり)
●対象経費 ごみ処理手数料、リサイクル料金、家財等処分委託費、敷地内の樹木伐採などに掛かる経費
●補助金額 対象経費の2分の1以内(上限10万円)
※空き家バンクに登録する(している)物件が対象です。
 空き家改修事業
●対象 空き家の所有者および利用者(条件あり)
●対象経費 改修工事費
●補助金額 対象経費の2分の1以内(上限50万円)
※空き家バンクに登録する(している)物件が対象です。
 空き家解体事業
●対象 空き家の所有者
●対象経費 解体工事費
●補助金額
 ○立地適正化計画による居住誘導区域で旧耐震基準の空き家(木造住宅は耐震診断をしたもの)の場合
  対象経費の2分の1以内(上限100万円)
 ○上記以外の空き家の場合
  対象経費の2分の1以内(上限50万円)
※解体後の土地を戸建住宅の用地とすることが条件です。
▶このほかにも条件があります。補助金の詳細は右のコード(市ホームページ)をご覧ください。「QRコード」