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どこでも市長室(明日原会)
開催日時:令和5年6月1日 16時~
開催場所:堅石区民センター
参加団体 明日原会
団体の概要:10年くらい前に堅石のゴルフ好きの会で、休耕田を開拓し、アスパラガスを栽培し始めた。これからの農業や休耕地の活用を、高齢者の仲間つくりと合わせた方法で何か出来る方法を探りたい。
明日原会について
(明日原会)アスパラを作るために10年前から始めた農業の会。初めは荒れ地だった場所を整備し、現在では8人のメンバーでアスパラを栽培している。メンバーは定年後にゴルフを通じて集まった仲間。アスパラは病気に弱く、管理が大変だが楽しく農業をやっている。
(市長)今は市内のあちこちで荒廃地が出てきてしまっている状態。退職後に仲間と一緒に農業を始めるグループが他にも出てきていると聞いている。皆さんのように集まって荒廃地を開墾して農業をやる人が出てくればそういった問題も解決に向かうのでは、と考えている。他のグループとの横のつながりはあったほうが良いか?
(明日原会)荒廃地を整備したら、散歩をする近隣の人たちから感謝されたりしたこともあった。荒廃地をそのままにしておくとゴミ捨て場になったり野生生物が住み着いてしまうこともあるのでやってよかった。他のグループとのつながりは自分たちの作業が大変でそういう時間があまりないのが現状。
(市長)皆さんのようなグループが他にも広がって、耕していく面積が増えると市としてはとてもありがたい。
農機具等の初期投資について
(明日原会)農業を始めるとなると大きな機械がどうしても必要になってきてしまう。定年後の年金で暮らしている世代には購入は厳しい。造成については補助があるが、機械の貸し出しなどがあればとても助かる。明日原会の噂を聞いてトラクターやスピードスプレイヤーを寄附してくれた方もいた。仕事を退職して今は仕事がない人が意外とたくさんいると思うので、農業を始めたい人をうまくマッチングできる仕組みと初期投資に対する補助があれば変わっていくのではないか。
(市長)市の制度としては新規就農者の支援を手厚くしている状態だが、どうしても年齢制限がある。機械の補助については65歳未満を対象とした定年後に農業をしたいという人向けに「新規就農者機械等導入事業補助金」の「定年帰農者枠」がある。
(明日原会)農業を始めようと思ったときに65歳未満だったが、そういった制度があるのは知らなかった。
(市長)制度のPR不足だったのでしっかり周知していきたい。
モデルプランについて
(明日原会の皆さん)作物別のモデルプランがあればよいと感じている。作物の種類別に必要な面積や収穫までに必要な年数、推定年収がシミュレーションできる仕組みがあれば良いと思う。複数の畑を持っている人はいろんな作物をローテーションで作ることも可能だったりするのでは。
(市長)定年されてから農業を始めようと思う人向けに、ある程度先が見えるモデルプランがないと足を踏み出せないと思う。そして、明日原会の皆さんも今後持続をしていってもらいたいと思っていて、私たちも知恵を絞らないといけない。皆さんのような取り組みが好循環を生んでいくようにしていかないといけないと考えている。定年を迎えた人が農業に入っていただいたり、第二の社会人を農業でやっていただける人が増えてくると市の農業も安定してくるのかなと思う。
(明日原会)実際に作物が取れるまで何年もかかるものもある。私たちは年金があって生活するのに困らないが、農業一本の人はいろんな作物を年間を通して作らないといけない。それが難しいと思う。
(市長)定年後にゼロから農業を始めた人の話を伺ったことは今までなかったので、そういう人が新たな農業の担い手になれるような環境を作っていかなければと思う。
講座について
(明日原会)以前に「儲かる農業塾」という講座があって受講したことがあり、とても内容がおもしろく良かった。農業を広めたいのであればそういう講座を積極的にやってみてはどうか。
(市長)定年を迎える皆さんの層を対象に「新たに農業、始めてみませんか」というような講座を補助や制度の周知も含めてやってもよい。その際にはぜひ、皆さんにもお話をしていただいて農業の楽しさを伝えていただければと思っている。
総括(農林課)
農業の担い手不足というのは全国的な悩みで重要な課題。どこの自治体も補助金を投入するなどしてきたが解決できなくて困っていた。皆さんのようなグループを増やすことが解決の糸口につながるのではないかと思った。
時代に合わせて制度を変えながらより良い制度が出来るように皆さんのご意見を引き続き伺って検討していきたい。