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広報塩尻令和4年12月号テキスト版 8ページから9ページ

ページID:0027512 更新日:2022年12月1日更新 印刷ページ表示

広報塩尻2022年12月号テキスト版8ページから9ページがご覧になれます。

歯の健康は長寿への道

 今年度からスタートした表彰や表彰者が取り組む口腔ケア方法についてお伝えします。
問い合わせ 長寿課介護予防係 電話0263-52-0280 内線2131

病気を予防する口腔ケア

 口の中は、細菌などの微生物が好む環境(温度・湿度・食べかすなどの栄養成分)が揃いやすい場所です。特に年齢を重ねると、唾液の分泌量の減少や、自力での口腔ケアが難しい場合もあるため、細菌が定着しやすくなります。高齢者や要介護者は複数の病気を持っていることが多く、口の中の細菌は全身に波及し、発熱、誤えん性肺炎や感染症が重篤化しやすい状態にあります。また、低栄養や脱水にもつながります。
 要介護者に関わる家族や介護関係者は、専門家のアドバイスを受けながら、無理なく口腔ケアを継続していくことが重要です。

口腔ケアへの取り組みを表彰

 塩尻市在宅医療介護連携推進協議会の口腔・摂食・嚥下(えんげ)関係委員会では、医療機関と介護関係者などの多職種で連携し口腔機能向上に向けた取り組みを行っています。口腔ケアの必要性の啓発や口腔ケアに努力している高齢者、介護者、介護事業者に敬意を表すため、塩筑歯科医師会の協力のもと、今年度から「しおじり優良口腔ケア表彰」を開催しました。

令和4年度 しおじり優良口腔ケア表彰

部門および全体表彰者

高齢者部門 上條員弘さん、林けさみさん、荻上智子さん、永田暉恵さん、望月田鶴子さん、永井泰仁さん、大和紀子さん、井口惠子さん、田上靜子さん
介護者部門 上條宏さん、小松しづ江さん、宮下和美さん、永井壽美子さん、牛丸康子さん
介護事業所部門 渡邊資子さん(介護支援専門員)、JA洗馬小規模多機能型居宅介護事業所クレアせば
「写真」◀表彰式に参加された皆さん
前列左から 荻上智子さん 田上靜子さん 永井泰仁さん 永井壽美子さん 小松しづ江さん
後列左から 百瀬公章(市健康福祉事業部長)、はい島弘之先生(松本歯科大学地域連携歯科学講座教授)、渡邉善也先生(渡辺歯科医院) 渡邊資子さん 奈良井かおりさん、都筑文男先生(つづく歯科医院)、麻田加代子さん(歯科衛生士)

Interview インタビュー 歯科医師に聞く「表彰への思い」

口腔ケアの意欲向上に期待 塩筑歯科医師会会長 渡邉 善也先生「写真」

 口腔内の健康を保つためには、本人または介護者が日頃から口腔ケアをしたり定期的に歯科健診を受けたりすることが重要です。口の中のトラブルを早期発見・早期治療し、おいしい食事を長く楽しんでもらいたいです。今回の表彰から、多くの皆さんが口腔ケアの必要性を知り、より意欲的に口腔ケアに取り組んでもらえることを期待します。

口腔ケアの重要性を知ってほしい 塩尻市在宅医療介護連携推進協議会口腔・摂食・嚥下関係委員会委員長 都筑 文男先生「写真」

 今回の受賞者からは「とてもうれしい」「今後の励みになる」などの感想が寄せられました。市が多職種で高齢者や要介護者の口腔ケアに取り組んでいることを今回の表彰制度を通して多くの市民の皆さんに知ってほしいです。また、私たちが受診できない高齢者の口腔内のことを心配してることも知ってほしいと思います。

Interview インタビュー 表彰者に聞く「口腔ケア方法」

 しおじり優良口腔ケア表彰の受賞者に、健康な口腔を保つために日頃から実践していることについて聞きました。

日々の口腔ケアに取り組んでいます

上條 宏さん(写真上) 員弘さん(写真下)(吉田一区)「写真」

 高齢者部門と介護者部門で表彰された上條さん親子。人間の歯は28本あり、80歳の平均本数は約17本といわれています。その中で、父の員弘さんは、101歳で自分の歯が23本もあります。現在、週2回のデイサービスと必要に応じて市の歯科衛生士に自宅訪問をしてもらい、口腔ケアを行っています。
 歯科衛生士は自宅に訪問し、歯磨きなどの口腔ケア指導を行います。その時に、むし歯や歯茎の腫れなどの口腔トラブルがあれば、地域の歯科医に連絡を取り、受診や訪問治療につなげます。歯科衛生士の訪問について息子の宏さんは「家族では気付けないトラブルを見つけ、迅速に対応してくれるので助かります」と話します。自分の歯を保ち、少しでも長く食事を楽しむためには、定期的な口腔ケアが大切です。
 取材したこの日、員弘さんには歯科衛生士による口腔ケアが行われていました。
「写真」通所しているデイサービス事業所で表彰状を受け取る上條さん親子。
「写真」歯科衛生士の訪問口腔ケアを受けている員弘さん。

自分で行う口腔ケアを支援しています

JA洗馬小規模多機能型居宅介護事業所 クレアせば 渡邊 資子さん(写真左)、奈良井 かおりさん(写真右)「写真」

 デイサービスなどを行うクレアせばでは、15年ほど前から事業所全体で口腔ケアの取り組みを開始。昼食前には、咀しゃく機能やえん下機能の向上を目的とした、口や首などの筋肉を動かすえん下体操を行っています。また、昼食後には一人ひとりに合わせ、歯磨きの手伝いをしています。
 施設で行う口腔ケアについて、施設管理者の奈良井さんは「口腔内がきれいになることで、利用者様は食事や歯磨きに対して意欲が出ます。そうすると生活力が自然と向上します」と話します。口腔ケアをして、口の中がきれいになることで、気持ちよく会話をしたり、食事を楽しんだりする人が増えています。
 さらに、多職種との連携にも力を入れているクレアせばでは、市で行う訪問歯科健診を利用したり、異変を感じたらすぐに歯科医に連絡したりします。ケアマネジャーの渡邊さんは「日頃から、利用者の口腔内を気にかけています。迅速に対応することが利用者の健康につながります」と話します。口腔内のことは家族にも共有し、家庭でケアするきっかけ作りも大切です。
 最後に二人は、「利用者の生活が少しでも豊かになるように意識して口腔ケアに取り組みたい」と語りました。
「写真」食事前に口の周りの筋肉をほぐすことで、えん下しやすくなります。