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広報しおじり2022年2月号テキスト版12ページから13ページ

ページID:0018986 更新日:2022年1月31日更新 印刷ページ表示

広報しおじり2022年2月号テキスト版12ページから13ページがご覧になれます。

第35回全国短歌フォーラムin塩尻

「一般の部」「学生の部」最優秀賞・優秀賞作品
 第35回全国短歌フォーラムin塩尻に全国から「一般の部」2,527首、「学生の部」10,857首もの短歌が寄せられました。表現力豊かな入賞作品を紹介します。
問い合わせ 社会教育スポーツ課社会教育係 直通電話0263-52-0903

一般の部 最優秀賞

 

佐佐木幸綱 選

リモートの「被服学基礎」三限目 提出課題は手作りマスク「写真」
長野市 松田 わこさん
【選者の講評】「リモート授業」そして「手作りマスク」。二年目に入ってすっかり日常化してしまったロナ禍を、的確に作品化してみせたアイデアに感心しました。

 

 

永田和宏 選

君の声聞こえなかった風のせい 聞き返せない君の目のせい「写真」
松本市 川端 いず美さん
【選者の講評】君の声が聞こえなかったのは風のせいだが、聞き返せなかったのは「君の目のせい」だという。見つめ合う若い恋人の震えるようなナイーブな感性が、つぶやきだけで鮮やかに切り取られた。木に登り梅取りをれば子を負ひし

 

 

小島ゆかり 選

「風(ふう)」なんて名付けしばかりに大空へ 飛び立ちゆきしインコの風ちゃん
北海道稚内市 及川 文子さん
【選者の講評】「インコの風ちゃん」はその名のとおり風になったのだ。初句の口語と、「大空へ」からの上昇のリズムが歌を生かした。寂しさの一方で、どこか晴れ晴れとした一首。

 

 

一般の部 優秀賞


木に登り梅取りをれば子を負ひし 猿が口あけ吾を威嚇す
飯田市 竹内 和子さん
羽のない僕らに風を 恋人が 土手から飛んでやると言い張る
東京都板橋区 松下 誠一さん
熱風と金属音と歓声の 車いすバスケ試合会場
新潟県燕市 七里 松枝さん
眠れない夜だってある私にも きっと鳥にもそう魚にも
富山県富山市 松田 梨子さん
裏返しまたばたばたと渋団扇 時に自分を煽ぐうなぎ屋
青森県野辺地町 山田 摂さん
つばくらめ緑をすべり水すべり 夏をすべるぞ風だおまえは
塩尻市 中村 悠介さん
出会いでも別れでもない春が来る きみは今年も帰って来ない
上田市 日向 彼方さん
大海を泳ぐクジラの胃の底に いつか私が嚙んだストロー
松本市 青山 志織さん

 

 

学生の部 最優秀賞(穂村弘 選)


ねえねがねふくがかわいいみずたまで えいごがすごいずぼんがいちご「写真」
広丘小学校1年 ほり ほのかさん
【選者の講評】「ふくがかわいい」「えいごがすごい」からの「ずぼんがいちご」のすばらしさにくらくらした。「ねえね」のことが大好きなんだろう。
びちょびちょのお魚さわるぞっとする 魚をつかむ私すごいな「写真」
吉田小学校5年 細野 葵さん
【選者の講評】素手で魚に触った時の怖さと興奮がリアルに表現されている。たしかに「ぞっとする」感覚がある。最後に「私すごいな」と自分で感心するところも良い。
夏はいつ?知りたくなったら空を見て 入道雲でおしらせします「写真」
松本市立清水中学校2年 米山 芙美さん
【選者の講評】「夏はいつ?」という疑問に対して、カレンダーや気温ではなく「入道雲」で答えるという発想に惹かれる。「空を見て」という表現も良い。
人間はにんげんと書くとにんじんと いんげんの子どもみたいな生きもの「写真」
埼玉県浦和明の星女子高等学校1年 木本 奈緒さん
【選者の講評】「にんげん」「にんじん」「いんげん」という言葉遊びの面白さ。生真面目な思考によっては辿り着けない真理が、闇の中に一瞬閃くようだ。

 

 

学生の部 最優秀賞(小島なお 選)


晴れた日のくるまやさんで考えた そらいろのはねしんしゃの名前「写真」
広丘小学校2年 藤澤 晴樹さん
【選者の講評】空色の羽は今にも青空へ飛んで行けそう。ぴかぴかのまだ誰のものでもない車。名前をつけることは相手と特別な関係になることです。
家の中移動するにはピケトゥール 気分がよいとアントルラッセ「写真」
大阪府大泉学園堺市立大泉小学校5年 垣井 結乃さん
【選者の講評】片脚立ちで回転するピケトゥール。足を交差させてジャンプするアントルラッセ。バレエの技のようにしなやかに伸びていく一首のリズムと心。
しっかりとおさえてくれよ薄紙が トリになるから壁かけの風「写真」
東京都葛飾区立亀有中学校2年 柴田 笑佳さん
【選者の講評】窓からの強風であおられる壁一面の掲示物。薄紙は半紙か模造紙か。鳥になって一斉に飛び立つ光景の恍惚を思います。
暗闇で大きく手を振る私達 気づいているよと指さすあなた「写真」
東京都東京都立小岩高等学校3年 杉山 琴美さん
【選者の講評】気付いてほしくて手を振る。相手が気付いてくれる。そんな当たり前は時々特別な瞬間になることがある。私たちとあなたと、一度きりの夜の時間です。
※このほかの優秀賞・入選作品は、全国短歌フォーラムin塩尻ホームページ(URL https://tanka.shiojiri.com/)に掲載しています。ぜひご覧ください。「QRコード」