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広報しおじり2022年2月号テキスト版2ページから5ページ
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特集 進化する子どもたちのまなび
本市では、令和3年4月に「Gigaスクール構想」として、子どもたちの学力向上と教職員の働き方改革を進めるべく、一人一台端末と高速通信ネットワークを導入しました。これにより、子どもたちの授業の様子はどう変化したのでしょうか。
今回は、タブレット端末が導入されて約1年が経った現在の様子をお伝えします。
問い合わせ 教育総務課学校支援係 電話0263-52-0280 内線3113
全国で始まったGigaスクール構想
今年度、全国でGigaスクール構想による学びが本格的にスタートしました。Gigaスクール構想では、これまでの教育に加えて一人一台端末と、高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備することで、子どもたちの学習活動や授業の充実を図ります。
塩尻市で先進的に取り組む
本市では、基幹産業である製造業の振興と合わせ、企業や大学と連携し情報化社会の実現を目指してきました。こうした市の取り組みと並行して情報教育専門の指導主事の配置や電子黒板などのIct機器導入を積極的に行いIct活用教育に取り組んできました。令和2年度には、Gigaスクール構想の実現に向けて、市内全小・中学校の児童生徒に一人一台端末と各学校に高速大容量の通信ネットワークを整備。さらに3年度にIct支援員を配置し、端末の設定や教員・子どもに対して授業のフォローを行うなど、Ict教育を推進しています。(5ページ「Ict支援員を各学校に配置!」を参照)
子どもたちの学習をより深いものに
現在、デジタル機器やインターネットが生活に欠かせない時代となっています。本市では、子どもたちがデジタル社会を豊かに生きる力を養うため、「今まで蓄積された教育実績」と「高速通信が可能な環境や一人一台端末によるIct技術」を組み合わせることにより、学習活動の充実や主体的・対話的で深い学びの実現を目指しています。
次のページからは、Gigaスクール構想がもたらした変化と本市の取り組みをご紹介します。
Gigaスクール構想とは??
Global and Innovation Gateway for All の略
意味:すべての児童・生徒のための世界につながる革新的な扉
特別な支援を必要とする子どもを含め、子どもたち1人ひとりの個性に合わせた教育の実現と、教育実践の蓄積とIctを掛け合わせて、教員と児童生徒の力を最大限に引き出すことを目的としている。
Ictとは??
Information and Communication Technology の略
意味:情報通信技術のこと
IT(情報技術)にコミュニケ―ション(通信・伝達)の要素を含めたものが「Ict」。情報技術だけでなく、インターネット、SNS、メールなどの通信技術を活用する方法も含めた総称。
タブレット端末導入で変わったこと
気になるポイント
01 授業風景はどのように変わった??
02 子どもに与える影響はどんなもの??
03 先生にとっての変化はあったの??
個々の学習状況がひと目で分かる「写真」
これまで黒板や大型モニターを用いて説明を行い、子どもたちの興味・関心・意欲を高めながら授業を行ってきました。現在は、さらに子どもたちのタブレット端末の内容を先生と共有することにより、子どもの反応を把握した上で、先生と子どもたちの双方向型の一斉授業が可能になりました。
子どもの主体性が高まる「写真」
先生や子どもたちがタブレット端末上で学習履歴を管理することができ、学習意欲や学習状況に応じた個別学習が可能となりました。
また、一人一台端末のため、お互いの意見をリアルタイムで共有し、子ども同士で双方向の意見交換や共有をしています。
ルールを決めて学ぶ
気になるポイント
04 セキュリティ対策は出来ているの??
タブレット端末を使う時の約束「写真」
各学校ごとに、タブレット端末を使用する時の約束を決め、学習を進めています。
各学校に高速通信ネットワークを整備し、小学生は「ロイロノート」という授業支援アプリから、中学生は「グーグルクローム ブラウザ」からインターネットに接続します。どちらも有害サイトにアクセスできないようにフィルタがかかる仕様となっています。
市公式YoutubeでGigaスクール構想について紹介しています!「写真」
Gigaスクール構想の内容や学習の形、市内各学校の取り組みの一部についてお伝えしています。合わせてご視聴ください。「QRコード」
塩尻東小学校・両小野中学校に潜入!
実際の授業はどうなっているの?
塩尻東小学校4年生 理科「水の温まり方」の授業を覗いてみた
実験の様子をタブレット端末で記録し、先生と友達に共有する
熱すると色が変わる青い水をガスコンロで温め、色が変わる過程から水の温まり方を検証します。タブレット端末で写真や動画で記録することで、より細かく観察することができます。
1 まず、タブレット端末内のロイロノートを使い、予測シートに青い水の変わり方を予想し提出します。提出された予想は、先生が集約し、全員で共有します。「写真」
2 実験中は、写真や動画機能を使用して、実験の様子を記録します。「写真」
3 実験の結果はクラス全員で共有します。「写真」
4 最後にまとめシートを記入してタブレット端末から提出します。「写真」
Interviewタブレット端末を使用してみて
赤羽 沙耶さん(町区)「写真」
写真を撮って簡単に記録ができるので、前よりも授業が分かりやすくなりました。また、友達同士で写真を送り合うことで、違う発見があるので授業が楽しいです。
塩尻東小学校理科専科教諭 金子 和弘さん「写真」
今まで情報の共有は、発表してくれた子が中心でしたが、データを集約することで子どもたちは他の子の考えに触れる機会が増えました。実験の予想や考察をすぐに比較できるため、子どもたちの深い学びにもつながっています。
両小野中学校2年生 体育「バスケットボール」の授業を覗いてみた
タブレット端末を使用し、チーム全員で意見を出し合い作戦を立てる
授業の初めに、タブレット端末を使用し自分たちの意見をまとめながらチームごと作戦会議を行います。
試合後は、プレーの反省点について振り返りを行い、生徒同士で共有します。また、授業の感想はその場で記入し、教員に送信します。
タブレット端末により、自分の思いを他者に共有しやすくなり、さまざまな意見に触れることで、違う視点から学ぶことができます。
1 授業前に作戦会議をする様子「写真」
2 作戦を基にバスケットボールをする様子「写真」
3 Chromebookに授業の感想を打ち込む様子「写真」
Interviewタブレット端末を使用してみて
小野 真央さん(上田)「写真」
自分の考えと友達の考えをその場で共有しやすくなったため、話し合いがスムーズに行えています。分からないことはその場で調べられるので、話し合いが活発になりました。
両小野中学校保健体育教諭 金森 晴彦さん「写真」
プリント提出の時より生徒の感想量が増えました。また、前回授業の振り返りをタブレット端末で共有することで、一人ひとりの考えや課題が学びに生かせるようなりました。また、次の授業の準備が早くなったりと授業の効率化につながっています。
Ict支援員を各学校に配置!「写真」
Ict支援員には、時短就労者を対象とした自営型テレワーク推進事業Kadoのテレワーカーが起用され、タブレット端末の設定や教員・子どもたちへ授業のフォローなどを行なっています。
詳しくは、広報しおじり令和3年11月号でも紹介していますので、ご覧ください。「QRコード」
一人一台端末と貸し出しWi-Fiルーターを配備!
小学生「写真」
Ict機器に親しみやすく直感的に画面をタッチしながらの作業がしやすいようにIpadを採用
中学生「写真」
タイピングなどキーボードの操作がしやすいようにノートパソコン型のChromebook(クロームブック)を採用
共通「写真」
家庭学習で利用する場合は、条件を満たした場合に限り、Wi-Fiルーターの貸し出しを行っています。
※詳細は市ホームページをご覧ください。
子どもたちの資質や能力をサポートする
教育総務課情報教育担当指導主事 高橋 和幸「写真」
新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、急速にIctの整備が進み、学校の中は少なからず混乱がありました。しかし、先生方と子どもたちのさまざまな工夫により、1年間で多くの成果が見られています。
今後はオンライン授業や端末の持ち帰りなども進みますが、その中でも教育の情報化で常に大切にしたいことは、(1)Ictを学習の道具として使いこなすこと(2)他者と協働しながら、意見や価値観の違いを乗り越えていくこと(3)社会に出てからも学び続け、課題を発見し、解決策を見出すこと(4)新たなアイデアや価値観を創造することです。
これからの塩尻市、日本社会を支えていく子どもたちが、資質・能力を身に付けていけるようサポートを続けていきます。