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埋甕 Umegame <A buried jar>
埋甕(うめがめ)は、平出遺跡ロ号住居址の出入口付近で逆さまの状態で出土した暗褐色の大甕です(高さ68cm、口径35cm)。首の部分に渦巻状の高く盛り上がる帯状の文様や胴の部分に唐草(からくさ)風の線が施されています。
住居床下の出入り口付近に土器を埋設する習慣を「埋甕(うめがめ)」と呼び、縄文中期から後期にかけて、中部、関東などの地域で見ることができます。昭和25年の平出遺跡での埋甕出土は、埋甕研究の発端となり、「幼児埋葬説」「胎盤収納説」「貯蔵具説」「建築儀礼説」などが論じられ、縄文人の祈りや願いが語られています。この埋甕は、平出博物館の見ることができます。
出土した埋甕
埋甕