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イモムシを狩るアシナガバチ
蜂(はち)の仲間では、花の花粉と蜜を集めて幼虫に与えるミツバチがよく知られていますが、蛾や蝶のイモムシを狩り、その体の一部を幼虫に与える蜂(はち)もいます。
先日、昆虫愛好家の網谷さんが、その狩りの様子を撮影しましたので紹介します。
アシナガバチ
アシナガバチは、スズメバチ科アシナガバチ亜科に属するハチの総称で、世界で26属1000種以上が知られ、日本には3属11種が生息しています。
スズメバチ科のハチであるため主に肉食です。
幼虫を育てるための餌(えさ)として、蝶(ちょう)や蛾(が)のイモムシを狩り、それをかみ砕いて肉ダンゴ状にして巣に持ち帰り幼虫に与えます。
イモムシを狩るアシナガバチの様子
(鋭いアゴを使ってイモムシの腹部を切り刻んでいきます。)
(持ち運べるくらいの大きさまで刻んでいきます。)
(ていねいに丸めて肉ダンゴのようにして巣に運びます。)
害虫?益虫?
キャベツの葉を食べる害虫のイモムシ(蝶の幼虫)を狩ってくれるため、アシナガバチは人間にとって益虫とみられる側面と、刺されるとアレルギーを起こしてしまうので害虫という側面があります。
自然界におけるすべての生きものたちは、人間にとってそのような両面性をもちあわせているようです。