本文
きのこの中毒に注意
きのこ中毒に注意しましょう
(迷信を信じないこと)
「毒キノコを覚えてから、キノコ狩りをしよう。」
現在知られているだけで有名な猛毒キノコは約20種類あり、中にはなかなか見かけられないものもあります。中毒により入院しなければならないような毒キノコは、50~60種類あります。一般の人では、とてもこれだけのものは覚えきることはできません。
→ ですから、正解は自信を持って区別してビクに入れることができる美味しいキノコを覚えて、10本. 20本. 30本… と増やしていくことです。
1.●「柄が縦に裂ける
キノコは、 食べられる?」
●「毒々しい色をしている
キノコは 、毒キノコでる?」
●「虫が食べている
キノコは、毒キノコではない?」
物理的な性質・色・形と毒成分とは何の関係もありません。真っ赤な毒々しい色のタマゴタケは有名な美味しいキノコです。カキシメジ・クサウラベニタケは地味な色のため、誤食してしばしば食中毒にかかる人がいます。まして、虫・動物と人間の体は全然違いますので、虫を目安にしてはいけません。
→ ですから、正解は迷信に惑わされることなく、美味しいキノコを一つずつ正確に覚えていくことです。食用キノコ・毒キノコに共通した法則は一つもありません。
2.●「塩漬けにすれば、
どんなキノコも食べられる?」
●「乾燥させれば、
毒キノコの毒は抜ける?」
●「ナスと一緒に煮れば、
毒キノコの毒は抜ける?」
毒の成分は千差万別で、水溶性のもの・揮発性のもの・熱分解できるものもありますが、どんなことをしても毒成分の抜けないキノコもあります。昔から、カキシメジ・ベニテングタケを毒抜きして食べる地域がありますが、100%毒が抜けているとは言い切れません。そのようなキノコを長期間食べ続けると、肝臓や腎臓に負担がかかりますので、危険を冒してまで食べてはいけません。
→ ですから、正解はどの図鑑をみても美味しいと明記されているキノコを食べると言うことです。まずいキノコ・不食と書かれているキノコを食べることも危険です。キノコは、誰かが中毒になり事故を起こさないと「毒キノコ」にならないものなのです。
3.●「食用キノコと
並んで生えていれば、
毒キノコではない?」
ホンシメジとクサウラベニタケ(毒)が並んで生えていて、一緒に食べて中毒してしまった例があります。また、ヤマドリタケモドキとアシベニイグチ(毒)を同じ場所で採り食べて、中毒した例もあります。
→ ですから、正解はキノコを一つずつ見分けて・区分して、採取することです。傘・ヒダ・柄・ツボの特徴をしっかり見て、キノコを判別する目を養うことが第一に重要です。
4.●「毒キノコは、
銀のスプーンを変色させる?」
テングタケ科の一部のキノコは、銀のスプーンを変色させますが、すべての毒キノコにあてはまる法則ではありません。毒の成分は千差万別ですから、一つの判定法で食毒を見分けることはできません。
→ ですから、正解は食用キノコ・毒キノコを一つずつ正確に判別して覚えることです。自分で正確に名前の付けられないキノコを食べてはいけません。近所の人にもらったキノコを食べて、食中毒になったという例も多くあります。
5.●「イグチの仲間は、
全部食べられる?」
●「チョコタケは
食べられる?」
イグチ科のキノコでも、ドクヤマドリ・アシベニイグチなど毒キノコが知られています。また、カヤタケ属のキノコはおちょこ型をしますが、多くの毒キノコが含まれる仲間ですから、外観にこだわる判別法は正しくありません。俗に方言でホテイシメジのことをチョコタケと呼んでいるようですが、ただしい標準和名でキノコの名前を覚えましょう。
→ キノコに関する法則は一つもありません。
キノコは難しい生物です!
世界には約16,000種以上、日本には約8,000種のキノコが存在するであろうとも言われるくらいで、正確に名前をつけ・分類するのは専門家でも至難の技です。ですから、そもそも小さな図鑑に、採取してきたキノコが全部のっていると考えるのには、無理があります。
どの図鑑をみても美味しいキノコであると書かれている一般的なキノコ以外は、みだりに食べない方が賢明でしょう。