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日本に由来のある学名のきのこ
日本に由来のある学名のきのこ
1. マツタケ Tricholoma matsutake
学名に「まつたけ」の日本語が入っています。
ヨーロッパ産のきのこT. caligatum var. nauseosum と日本のマツタケが同一であることがDNA解析により分かっており、他に
T. murrillianum
T. magnivelare
T.mesoamericanum
T. ponderosum
T. anatolicum
T. dulciolens
などの近縁種が知られています。
現在ではマツタケは、日本~ブータン、モロッコ~スイス~北欧、北米に分布していることが知られています。
日本人にとってマツタケはきのこの王様なのですが、nauseosum の意味は「吐き気を催させる、 むかつかせる」ということでヨーロッパ人にとっては、この香りは良いものに感じられないようです。
ヨーロッパ産のきのこT. caligatum var. nauseosum と日本のマツタケが同一であることがDNA解析により分かっており、他に
T. murrillianum
T. magnivelare
T.mesoamericanum
T. ponderosum
T. anatolicum
T. dulciolens
などの近縁種が知られています。
現在ではマツタケは、日本~ブータン、モロッコ~スイス~北欧、北米に分布していることが知られています。
日本人にとってマツタケはきのこの王様なのですが、nauseosum の意味は「吐き気を催させる、 むかつかせる」ということでヨーロッパ人にとっては、この香りは良いものに感じられないようです。
2. シイタケ Lentinula edodes
学名に「江戸」の日本語が入っています。
シーボルトやバーケレイにより標本とされた日本産シイタケで、
古くは
Agaricus (Armillaria) edodes
とされていましたが、
伊藤誠哉やペグラーにより現在の学名は
Lentinula edodes
となっています。
その後の研究により、シイタケは東南アジアからニューギニア・ニュージーランドまで分布していることが判明しています。
栽培の歴史が長いため、現在日本では300種以上の品種があり、原木乾シイタケ用・原木生シイタケ用・菌床栽培用として使い分けられています。
シーボルトやバーケレイにより標本とされた日本産シイタケで、
古くは
Agaricus (Armillaria) edodes
とされていましたが、
伊藤誠哉やペグラーにより現在の学名は
Lentinula edodes
となっています。
その後の研究により、シイタケは東南アジアからニューギニア・ニュージーランドまで分布していることが判明しています。
栽培の歴史が長いため、現在日本では300種以上の品種があり、原木乾シイタケ用・原木生シイタケ用・菌床栽培用として使い分けられています。
3. ホンシメジ Lyophyllum shimeji
学名に「しめじ」の日本語が入っています。
「香り松茸、味占地」と古くから言われるように美味しい優秀な食用きのこです。
植物の根にくっついて共生している菌根菌なので人工栽培は無理とされていましたが、多くの菌株を集めて選抜して栽培試験を繰り返した研究者が、人工栽培に成功し市販されるようになりました。
自然の山ではマツタケよりも発生量が少なく、現在では貴重なきのことなっています。
「香り松茸、味占地」と古くから言われるように美味しい優秀な食用きのこです。
植物の根にくっついて共生している菌根菌なので人工栽培は無理とされていましたが、多くの菌株を集めて選抜して栽培試験を繰り返した研究者が、人工栽培に成功し市販されるようになりました。
自然の山ではマツタケよりも発生量が少なく、現在では貴重なきのことなっています。
4. ハツタケ Lactarius hatsudake
学名に「初茸」の日本語が入っています。
この学名は田中延次郎によるもので、日本人として初めて新種記載したものとして有名です。
近縁種に奄美大島で採取されたL. lividatus がありますが、明確な区別がされていません。
江戸時代から初茸として知られていた食用きのこで、
各地の方言で「ろくしょう」「まつみみ」「まつなば」などと呼ばれて親しまれてきました。
この学名は田中延次郎によるもので、日本人として初めて新種記載したものとして有名です。
近縁種に奄美大島で採取されたL. lividatus がありますが、明確な区別がされていません。
江戸時代から初茸として知られていた食用きのこで、
各地の方言で「ろくしょう」「まつみみ」「まつなば」などと呼ばれて親しまれてきました。
5. ツキヨタケ(毒) Omphalotus japonicas
暗闇で光を発する毒きのこツキヨタケは、長らく日本特産とされてきました。しかし、欧米にも類似のきのこがあり分類学の研究が進み、この学名には紆余曲折が生じて、
Jack O’Lanterm
Agaricus guepiniformis
Pleurotus harmandii
Pleurotus japonicus
Lampteromyces japonicus
Omphalotus japonicas
と変遷して決定した経過があります。
外見がシイタケ、ムキタケ、ヒラタケに似ているので、日本では最も中毒事件が出ているきのこです。
Jack O’Lanterm
Agaricus guepiniformis
Pleurotus harmandii
Pleurotus japonicus
Lampteromyces japonicus
Omphalotus japonicas
と変遷して決定した経過があります。
外見がシイタケ、ムキタケ、ヒラタケに似ているので、日本では最も中毒事件が出ているきのこです。
6. シロシメジ Tricholoma japonicum
シロシメジの学名は、「日本菌類図鑑(全5集)」を発行した菌類分類学者の
川村清一(1881~1946)にちなんだものです。
父親は数学者で一族も学者が多く、その中で研究の道に入ったようですが、各地を調査して回る中でも話し好きで誰とでも気軽に接する人だったと言われています。
オニフスベ Calvatia nipponica も川村博士にちなんで命名されました。
シロシメジは別名ヌノビキとも呼ばれ、秋にアカマツ林や混交林に発生しますが、傘の色は白色ではなく肌色っぽくなります。
幼菌のうちは肉が固く締まりコロコロしていて食用きのことして珍重されますが、最近ではあまり見かけなくなったきのこです。
川村清一(1881~1946)にちなんだものです。
父親は数学者で一族も学者が多く、その中で研究の道に入ったようですが、各地を調査して回る中でも話し好きで誰とでも気軽に接する人だったと言われています。
オニフスベ Calvatia nipponica も川村博士にちなんで命名されました。
シロシメジは別名ヌノビキとも呼ばれ、秋にアカマツ林や混交林に発生しますが、傘の色は白色ではなく肌色っぽくなります。
幼菌のうちは肉が固く締まりコロコロしていて食用きのことして珍重されますが、最近ではあまり見かけなくなったきのこです。
7. スギエダタケ Strobilurus ohshimae
学名の「おおしま」は標本採取者の大島広にちなんでおり、
命名者は菌類学者の本郷次雄(1923~2007)です。
傘が白色の小さなきのこで、晩秋から冬にスギなどの針葉樹林の落枝に発生する材の分解力が強い、
マツカサキノコモドキ S. stephanocystisの近縁種です。
命名者は菌類学者の本郷次雄(1923~2007)です。
傘が白色の小さなきのこで、晩秋から冬にスギなどの針葉樹林の落枝に発生する材の分解力が強い、
マツカサキノコモドキ S. stephanocystisの近縁種です。
8. フジウスタケ(毒) Turbinellus fujisanensis
学名に「富士山」の日本語が入っています。
アメリカ産のCantharellus kauffmanii と近縁とされますが、
ウスタケTurbinellus floccosusとは別種とされており、
今井三子により富士山麓で採取された標本により新種記載されたきのこです。
DNA解析により現在では、日本産のフジウスタケは3つ以上の分類群に分かれるとされています。
アメリカ産のCantharellus kauffmanii と近縁とされますが、
ウスタケTurbinellus floccosusとは別種とされており、
今井三子により富士山麓で採取された標本により新種記載されたきのこです。
DNA解析により現在では、日本産のフジウスタケは3つ以上の分類群に分かれるとされています。
9. その他
…採取者・命名者が日本人や日本の地名にちなんで学名が付けられたきのこ等
アカハツ Lactarius akahatsu
クチベニタケ Calostoma japonicum
シロハツモドキ Russula japonica
バカマツタケ Tricholoma bakamatsutake
ナメコ Pholiota nameko
ベニイグチ Heimioporus japonicus
ヌメリアイタケ Albarellus yasudae
マゴジャクシ Ganoderma neo-japonicum
コウボウフデ Pseudotulostoma japonicum
イボテングタケ Amanita ibotengutake
ツガコウヤクタケ Aleurodiscus tsugae
コトヒラシロテングタケ Amanita kotohiraensis
クチキトサカタケ Ascoclavulina sakaii
ススケヤマドリタケ Boletus haratsukae
マルミノヒトヨタケ Coprinopsis kimurae
アリタケ Ophiocordyceps japonensis、
タンポタケモドキ Tolypocladium japonicum
テッポウムシタケ Cordyceps nikkoensis
オオシワカラカサタケ Cystodermella japonica
ニカワアナタケ Favolaschia nipponica
コベニヤマタケ Hygrocybe imazekii
マツノタバコウロコタケ Hymenochaete yasudae
コバヤシアセタケ Inocybe kobayasii
シラタマタケ Kobayasia nipponica
キハツダケ Lactarius tottoriensis
コンボウアミガサタケ Morchella miyabeana
ヤマトオシロイタケ Postia japonica
ヒナベニタケ Russula kansaiensis
オクニッカワクモタケ Torrubiella miyagiana
ツブキクラゲ Tremellochaete japonica
ナスコンイッポンシメジ Entoloma kujuense
アカハツ Lactarius akahatsu
クチベニタケ Calostoma japonicum
シロハツモドキ Russula japonica
バカマツタケ Tricholoma bakamatsutake
ナメコ Pholiota nameko
ベニイグチ Heimioporus japonicus
ヌメリアイタケ Albarellus yasudae
マゴジャクシ Ganoderma neo-japonicum
コウボウフデ Pseudotulostoma japonicum
イボテングタケ Amanita ibotengutake
ツガコウヤクタケ Aleurodiscus tsugae
コトヒラシロテングタケ Amanita kotohiraensis
クチキトサカタケ Ascoclavulina sakaii
ススケヤマドリタケ Boletus haratsukae
マルミノヒトヨタケ Coprinopsis kimurae
アリタケ Ophiocordyceps japonensis、
タンポタケモドキ Tolypocladium japonicum
テッポウムシタケ Cordyceps nikkoensis
オオシワカラカサタケ Cystodermella japonica
ニカワアナタケ Favolaschia nipponica
コベニヤマタケ Hygrocybe imazekii
マツノタバコウロコタケ Hymenochaete yasudae
コバヤシアセタケ Inocybe kobayasii
シラタマタケ Kobayasia nipponica
キハツダケ Lactarius tottoriensis
コンボウアミガサタケ Morchella miyabeana
ヤマトオシロイタケ Postia japonica
ヒナベニタケ Russula kansaiensis
オクニッカワクモタケ Torrubiella miyagiana
ツブキクラゲ Tremellochaete japonica
ナスコンイッポンシメジ Entoloma kujuense