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ホタルの種類

ホタルは世界中に分布していますが、熱帯地域ほど種類が多く、約2,000種類が知られています。また、その生態も様々で、光を出さない種類もあります。
日本には約50種のホタルが生息し、光るものは14種です。その中でも代表的なホタルが、ゲンジボタルとヘイケボタルです。
光は信号
ホタルが光るのは、オスとメスが出会うときの信号で、発光について多くの研究がされています。
光を明滅させながら飛びまわっているのは、主にオスです。メスはあまり飛ばず、草などにとまって光を出しオスに信号を送ります。オスはメスの発光をみつけると、近づいていって一段と明るく明滅します。メスもこれにこたえて明滅します。これが出会いの信号です。
また、ホタルの光は熱が出ないため「冷光」と呼ばれています。
ゲンジボタルとヘイケボタル
ホタル類の幼虫は、ほとんどが陸上に生息し、カタツムリの仲間など陸上の巻き貝を食べて生活しています。
しかし、ゲンジボタルとヘイケボタルは、幼虫時代を水中で過ごす数少ない種類なのです。
同じ水中生活をするといっても、両者の生息している場所は違います。ゲンジボタルの幼虫は、水質に敏感なので、いつも流れている水のきれいな川にしか生息しません。一方、ヘイケボタルの幼虫は、沼や水田など水が流れない水域に生活しています。
また、ゲンジボタルが淡水性巻き貝の中のカワニナしか食べないのに対して、ヘイケボタルは淡水性の巻き貝ならほとんど食べます。このように、ヘイケボタルの方が生息する環境に幅があります。
前胸部のたてじま、発光部

ゲンジボタル

ヘイケボタル
| 比較項目 | ゲンジボタル | ヘイケボタル |
|---|---|---|
| 体長(センチメートル) | 雌 約2.0センチメートル 雄 約1.5センチメートル |
雌 約1.0センチメートル 雄 約0.8センチメートル |
| 成虫の季節 | 6月中旬~7月上旬 | 7月~8月中旬 |
| 明滅回数 | 約20回/分 | 約80回/分 |
| 産卵数(個) | 500~1000個 | 50~100個 |
| 卵の直径(ミリメートル) | 約0.5ミリメートル | 約0.6ミリメートル |
| 卵の期間(日曜日) | 25~30日 | 20~25日 |
| すんでいる場所 | 河川(流水) | 水田・池(止水) |
| えさ | カワニナ | タニシ・モノアラガイなど |
| 水質の汚染に対して | 弱い | 強い |






