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塩尻短歌館 常設展 展示替えのお知らせ(令和7年1月)
土蔵2階の掛軸を入れ替えました(令和7年1月)
塩尻短歌館では、主に土蔵展示室で太田水穂や島木赤彦ら「塩尻ゆかりの近代歌人」の遺筆を展示していますが、所蔵している数多くの掛軸をご覧いただけるようにするため、常設展の展示品を数ケ月ごとに入れ替えています。
今年度第5弾として、令和7年1月に土蔵2階展示室の掛軸を入れ替えました。近代歌人の貴重な筆跡を見に、ぜひご来館ください。
今年度第5弾として、令和7年1月に土蔵2階展示室の掛軸を入れ替えました。近代歌人の貴重な筆跡を見に、ぜひご来館ください。
常設展 土蔵2階の展示内容(令和7年1月より)
短歌「花ぐもりいささか風のある日なりひる野火もゆる高遠の山 水穂」 | 太田水穂 大正8(1919)年作 歌集『雲鳥』収録 |
短歌「大栂の千とせのふりにひびき入るあら海の音をおもふたふとさ 水穂」 | 太田水穂 大正14(1925)年作 歌集『冬菜』収録 |
短歌「白王の牡丹の花のそこひよりわきあがりくる潮の音きこゆ 水穂」 | 太田水穂 昭和11(1936)年作 歌集『螺鈿』収録 |
短歌「さき足りておのれしづるる藤浪のながきひさしきこころわするな 水穂」 | 太田水穂 昭和8(1933)年作 歌集『鵜』収録 |
短歌「ちり一つとどめぬそらの清けさをわがものにして月ぞ待たるる 水穂」 | 太田水穂 昭和11(1936)年作 歌集『螺鈿』収録 |
短歌「喪ひしもの誰も気づかず草原に落ち居し雲のかげ消えしとき 光子」 | 四賀光子 昭和38(1963)年作 歌集『青き谷』収録 |
短歌「老樹讃 いく百年うつる時代を超えて来てこれの老樹は神の厳しさ 喜志子」 | 若山喜志子 昭和14(1939)年作 全歌集内『補遺』収録 |
短歌「夏草の茂みがうへに伸びいでてゆたかになびく山百合の花 牧水」 | 若山牧水 大正6(1917)年作 歌集『白梅集』収録 |
短歌「富士が嶺やふもとに来りあふぐときいよよ親しき山にぞありける 牧水」 | 若山牧水 大正10(1921)年作 歌集『山桜の歌』収録 |
短歌「久方の朝あけの底に白雲の青嶺の眠り未だこもれり 赤彦」 | 島木赤彦 明治42(1909)年作 歌集『馬鈴薯の花』収録 |
短歌「湖の氷はとけて猶さむし三日月の影波にうつろふ 赤彦」 | 島木赤彦 大正13(1924)年作 歌集『太虗集』収録 |
短歌「遠き村の火事の火見ゆるやまの中かつこう鳥は夜をなきて居り 大正八年夏 赤彦」 | 島木赤彦 大正8(1919)年作 歌集『氷魚』収録 |
短歌「街燈のつらなるうへの春の空ほし眠げなり真やみの奥に 空穂/ 若葉まじりむらがりさけるしら藤の花のみだれの眼にしづかなり 空穂」 |
窪田空穂 大正15(1926)年作/昭和3(1928)年作 歌集『青朽葉』収録 |
長歌「膝つきて胡瓜うつ子や、打ちさして我を見あげつ、肌さむみきたるどてらの、肩あてのあかきを笑ふ、あなうつくしと 空穂」 | 窪田空穂 大正15(1926)年作 歌集『青朽葉』収録 |
短歌「あるは又み祖の国が南の地図みすうればまねく声する 瀏」 | 斎藤瀏 昭和15(1940)年作 歌集『四天雲晴』収録 |
短歌「はるしやぎく心まどひにゆらぐらしひとみかがやくせうねんのむれ 迢空」 | 釈迢空 大正4(1915)年作 歌集『海やまのあひだ』収録 |
短歌「燿へる白砂の雪湖の雪ゆきてかへらずなりしまぼろし 忠一」 | 武川忠一 昭和56(1981)年歌集『秋照』収録 |
短歌「たましひのすみとほるまで白鳥の舞ふを見てゐて去りなむとする 弘彦」 | 岡野弘彦 昭和62(1987)年歌集『天の鶴群』収録 |
詩「たそがれのうた つと立ちよれば垣根には/露草の花さきにけり/さまよひくれば夕雲や/これぞこひしき門辺なる/瓦のやねにからす啼き/からすかへりて日は暮れぬ/おとづれもせずいにもせで/蛍と共にここをあちこち 落梅集の中なる小詩一章をしるす 藤村」 | 島崎藤村 明治32(1899)年作 詩集『落梅集』収録 |