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意見書(平成27年6月定例会)
意見書(平成27年6月定例会)について記載しています。
平成27年6月定例会に提出された請願、陳情及び議員提出議案が、慎重審査の結果、採択及び可決されましたので意見書を関係行政省庁へ提出しました。
地方単独事業に係る国保の減額調整措置の見直しを求める意見書
今国会において「持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律」が成立し、国保の財政基盤の強化や都道府県による財政運営に向けて具体的な改革作業が始まるところであります。
国保改革に当たっては国と地方の協議により、地方単独事業に係る国庫負担調整措置の見直しなどが今後の検討課題とされたところであります。
一方、地方創生の観点から人口減少問題に真正面から取り組むことが求められており、全国の自治体では単独事業として乳幼児医療費の助成制度の拡充などに取り組む事例が多くみられるようになりました。
さらに、平成26年度補正で用意された国の交付金を活用し対象年齢の引き上げなどの事業内容の拡充に取り組む自治体も報告されているところであります。
こうした状況の中で、長野県及び塩尻市で取り組まれている乳幼児医療の助成制度など単独の医療費助成制度は償還払いを採用しているため、国の減額調整措置を免れてはいるものの、現物給付まで至っていない状況を鑑み、次の内容について早急に検討し結論を得るよう強く要望します。
- 人口減少問題に取り組むいわゆる地方創生作業が進む中、地方単独事業による子ども等に係る医療費助成と国保の国庫負担の減額調整措置の在り方について、早急に検討の場を設け、見直しを行うこと。
平成27年6月26日
塩尻市議会
<提出先>
内閣総理大臣、財務大臣、総務大臣、厚生労働大臣、内閣官房長官
年金積立金の専ら被保険者の利益のための安全かつ確実な運用に関する意見書
公的年金は高齢者世帯収入の7割を占め、6割の高齢者世帯が年金収入だけで生活しています。また、特に高齢化率の高い都道府県では県民所得の17%前後、家計の最終消費支出の20%前後を占めているなど、年金は老後の生活保障の柱となっています。
そのような中で、政府は、成長戦略である「日本再興戦略(2013年6月14日閣議決定)」などにおいて、年金積立金管理運用独立行政法人に対し、リスク性資産割合を高める方向での年金積立金の運用の見直しを求め、2014年10月31日、基本ポートフォリオが大きく変更されました。年金積立金は、厚生年金保険法等の規定にもとづき、専ら被保険者の利益のために、長期的な観点から安全かつ確実な運用を行うべきものであり、日本経済への貢献が目的ではありません。まして、年金積立金管理運用独立行政法人には保険料拠出者である被保険者の意思を反映できるガバナンス体制がなく、被保険者の意思確認がないまま、政府が一方的に方向性を示し、見直しが進められていることは問題であると言わざるを得ません。リスク性資産割合を高め、年金積立金が毀損した場合、結局は厚生労働大臣や年金積立金管理運用独立行政法人が責任をとるわけではなく、被保険者・受給者が被害を被ることになります。
こうした現状に鑑み、本議会は政府に対し、次の事項を強く要望します。
- 年金積立金は、厚生年金保険法等の規定にもとづき、専ら被保険者の利益のために、長期的
な観点から安全かつ確実な運用を行うこと。 - これまで安全資産とされてきた国内債権中心の運用方法から、株式等のリスク性資産割合を
高める方向での急激な変更は、国民の年金制度に対する信頼を損なう可能性があり、また、
国民の財産である年金積立金を毀損しかねないため、責任の所在を明確にすること。 - 年金積立金管理運用独立行政法人において、保険料拠出者である労使をはじめとする関係者
が参画し、確実に意思反映できるガバナンス体制を構築すること。
平成27年6月26日
塩尻市議会
<提出先>
衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、厚生労働大臣
「義務教育費国庫負担制度」の堅持を求める意見書
義務教育費国庫負担制度は、国が必要な経費を負担することにより、義務教育の機会均等とその水準の維持向上を図るための制度として、これまで大きな役割を果たしてきたところです。
しかし、昭和60年から政府は国の財政状況を理由として、これまでに次々と対象項目を外し、一般財源化してきました。また、平成18年「三位一体」改革の議論の中で、義務教育費国庫負担制度は堅持したものの、費用の負担割合については2分の1から3分の1に引き下げられ、地方財政を圧迫する状況が続いています。今のままでは、財政規模の小さな県では十分な教育条件整備ができず、教育の地方格差の拡大が懸念される事態にすらなっています。
そこで、平成28年度予算編成においては、義務教育の水準の維持向上と機会均等、及び地方財政の安定を図るため、次の事項を実現するよう強く要望します。
- 教育の機会均等とその水準の維持向上のために必要不可欠な義務教育費国庫負担制度を堅持し、負担率を2分の1に復元すること。
平成27年6月26日
塩尻市議会
<提出先>
衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、財務大臣、文部科学大臣、総務大臣
TPPに関する国会決議の実現を求める意見書
TPPは、食の安全・安心、ISDなど、国民生活に直結し、国家の主権を揺るがしかねない重大な問題を含むばかりでなく、農業に壊滅的な影響を与えると危惧されている。
本県農業においても、農畜産物の関税撤廃がされた場合、JAグループの試算によると、米、果樹、野菜、牛肉・豚肉・生乳等を中心に1,029億円程度の生産減少が見込まれるなど、農家経営に甚大な影響を及ぼすことは必至であり、政府・与党が目指す農業・農村の所得増大や地方創生と逆行していると言わざるを得ない。
このような中、特に米や牛肉・豚肉などの重要品目も含めて譲歩も検討しているかのような報道がされ、米価下落、生産資材の高騰などの中で、将来展望が描けないでいる農業者に、更なる不安と懸念が拡大している。
政府はTPP交渉に際し、農林水産物の重要品目の取り扱いはもちろん、食の安全やISD条項など、国民の「食」と「いのち」と「くらし」に関わる事項を定めた衆参農林水産委員会決議を必ず実現しなければならない。
併せて、米国では、連邦議会議員に対する交渉文書の閲覧など、情報開示の取り組みが行われているとされており、わが国においても、幅広い国民的議論を行う観点から「国会に速やかに報告するとともに、国民への十分な情報提供を行う」とする衆参農林水産委員会決議を徹底するよう要望する。
平成27年6月26日
塩尻市議会
<提出先>
衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、財務大臣、TPP担当大臣、外務大臣、農林水産大臣、経済産業大臣、内閣官房長官