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意見書(平成23年6月定例会)
意見書(平成23年6月定例会)について記載しています。
平成23年6月定例会に提出された請願・陳情が、慎重審査の結果、可決及び採択されましたので、意見書を関係行政省庁へ提出しました。
郵政改革法案の速やかな成立を求める意見書
平成19年10月に郵政民営化法に基づき、郵便・郵便貯金・簡易保険のいわゆる郵政三事業は、日本郵政株式会社の下に、それぞれの事業を継承した三つの株式会社が、窓口業務等を郵便局会社に委託する形で民営化・分社化されました。しかしながら、現状において、郵便局会社と郵便事業会社が別組織となったことにより、配達を行う郵便事業会社の社員が貯金や保険を扱うことが出来なくなるなどサービスの低下が指摘されています。
また、郵便事業は経営面でも、昨年度は1,000億円を超える経営赤字となり、本年度も経費を相当切り詰めても900億円以上の赤字が出る見込みであります。さらに、郵便局経営を支えてきた郵便貯金の残高も最盛期260兆円が民営化以降大きく落ち込み、170兆円を切る現況となり、また簡易保険については最盛期9,000万件あった契約が、現状は半減し4,500万件を切る見込みとなっています。
このまま推移すると近い将来、税金を投入して維持しなくてはならない事態にもなりかねず、地域の利便性が大きく損なわれていくことも危惧されています。
よって、郵便局をめぐる地域の実情も踏まえ、利用者にとってより良いサービスが提供されるよう、今期通常国会において「郵政改革法案」を十分審議し、速やかに成立させることを強く要望いたします
以上、地方自治法第99条により意見書を提出する。
平成23年6月22日
塩尻市議会
<提出先>衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、郵政改革担当大臣
福島第一原発の事故対策の強化、原子力政策の転換、自然エネルギーの研究開発・普及等に関する意見書
本年3月11日に東日本を襲った巨大地震と津波は、2万4千人近い死者・行方不明者を出し、今も救援・捜索活動や避難所での被災者の苦難の生活が続いています。
福島第一原発では、危惧されていた「原発震災」が現実のものとなり、広範囲に放射性物質が飛散し、大気や土地、海洋、農畜産物、海産物などを汚染しています。また、放射性物質の放出は現在もなお止まらず、避難した人々は居住地に帰ることができるかどうかも見通しが立たない事態となっています。
今回の大事故は、今後の原発やエネルギー政策のあり方について根源的な課題を投げかけたとともに、原子力に頼るエネルギー構造を根本的に転換し、自然(再生可能)エネルギーの研究開発・普及を急速に進めていくことが求められています。
よって、国においては、福島第一原発の事故対策を強化し、原子力政策を転換、自然エネルギーの研究開発・普及等を図るように次の事項を実施するように要望します。
- 福島第一原発の事故対策を政府全体で万全の対策を講じること。
- 将来的には原発に頼らないエネルギー政策を立案すること。
- 大規模事故を想定した原子力防災対策を講じること。
- 自然エネルギーの普及促進と具体的な計画を立案すること。
- 新エネルギー導入の補助事業を拡大するとともに省エネルギー技術の研究開発予算を拡充すること。。
以上、地方自治法第99条により意見書を提出する。
平成23年6月22日
塩尻市議会
<提出先>内閣総理大臣、財務大臣、文部科学大臣、経済産業大臣、防災担当大臣、原子力経済被害担当大臣
「義務教育費国庫負担制度」の堅持に関する意見書
今日ある教育的諸課題の解決を思うとき、義務教育費国庫負担制度を堅持することは、国民全体の切なる願いです。
しかし、義務教育費国庫負担制度については、昭和60年度予算において、旅費・教材費が除外されて以来、平成元年度までの5年間に、恩給費の除外・地方交付税不交付団体への退職手当の補助率の大幅削減・共済費追加費用の負担率の引下げが行われました。平成5年度には、共済費追加費用が一般財源化され、平成6年度には、私立高校以下の私学助成費の大幅削減、教科書無償制度の見直し等が財政制度審議会で検討対象とされました。平成16年度には退職手当と児童手当が一般財源化され、平成17年秋には、現状を維持するべきだという中央教育審議会の答申がだされたにもかかわらず、国庫負担率が二分の一から三分の一へ引き下げられました。
平成24年度予算編成においても、国庫負担率の更なる削減や義務教育費国庫負担制度そのものの見直しを検討課題にすることが危惧されます。
よって、義務教育の水準の維持と機会均等、及び地方財政の安定を図るため、義務教育費国庫負担制度の堅持と国庫負担率二分の一への復元を強く要望します。
以上、地方自治法第99条により意見書を提出する。
平成23年6月22日
塩尻市議会
<提出先>内閣総理大臣、財務大臣、文部科学大臣、総務大臣