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意見書(平成20年3月定例会)
意見書(平成20年3月定例会)について記載しています。
平成20年3月定例会では、3件の意見書が可決され、それぞれ関係行政省庁へ提出しました。
道路特定財源の確保に関する意見書
道路整備は、市民生活の利便、安全・安心、地域の活性化にとって不可欠であり、住民要望も強いものがあります。
現在、地方においては、高速道路など主要な幹線道路のネットワーク形成をはじめ、防災対策、通学路の整備などの安全対策、さらには救急医療など市民生活に欠かすことのできない道路整備を鋭意行っています。
また、橋梁やトンネルなどの道路施設の老朽化が進んでおり、その維持管理も行わなければならず、その費用も年々増大しています。
こうした中、仮に現行の道路特定財源の暫定税率が廃止された場合、平成20年度は地方において約9,000億円の税収の減が生じ、さらに地方道路整備臨時交付金制度も廃止された場合には、合わせて1兆6,000億円規模の減収が生じることとなります。
こうしたこととなれば、本市では9億6,000万円(道路特定財源4億4,200万円、交付金・補助金等5億1,800万円)を見込む道路特定財源関係歳入予算に影響が及ぶこととなり、厳しい財政状況の中で、道路の新設はもとより、着工中の事業の継続も困難となるなど、本市の道路整備は深刻な事態に陥ることとなります。
さらには、本市の財政運営を直撃し、教育や福祉といった他の行政サービスの低下など市民生活にも深刻な影響を及ぼしかねないことにもなります。
よって、国においては、関係省庁内で綱紀粛正を徹底され、現行の道路特定財源の暫定税率を堅持し、関連法案を年度内に成立されるよう強く要望します。
以上、地方自治法第99条により意見書を提出する。
平成20年3月10日
塩尻市議会
<提出先>衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、国土交通大臣
公共工事における建設労働者の適正な労働条件の確保に関する意見書
建設業は我が国の基幹産業であり、経済活動と雇用機会の確保に大きく貢献しています。
しかし、建設業を取り巻く環境は、近年の公共投資の削減等による建設投資額の減少傾向や価格競争の激化など、依然として厳しいものがあり、建設業界の特徴である元請けと下請けの重層構造も相まって、建設労働者の賃金・単価の低下など労働条件の悪化が懸念されています。
国においては、平成12年11月に公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の制定に際し、参議院で「建設労働者の賃金、労働条件の確保が適切に行われるよう努めること」との附帯決議が行われており、建設労働者の労働条件等の改善が求められているところです。
また、諸外国においては、公共工事の現場で働く全ての労働者の賃金を確保する、いわゆる「公契約法」の制定が進んでいる状況であり、我が国においても立法措置を検討すべき段階であると考えられます。
よって、国においては、建設業を健全に発展させ、公共工事における安全や品質を確保するとともに、雇用の安定や技能労働者の育成を図るため、「公契約法」の制定を検討するとともに、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律に係る附帯決議に関して実行ある施策を講じるよう強く要望します。
以上、地方自治法第99条により意見書を提出する。
平成20年3月18日
塩尻市議会
<提出先>衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、厚生労働大臣、国土交通大臣
森林・林業・木材関連産業政策の充実を求める意見書
地球温暖化の進行によって、近年、世界的に異常気象が増加し、台風の大型化、大規模洪水の発生、異常高温、森林火災の発生、海面の上昇、南極大陸棚氷の融解が進む等、深刻な問題となっており、自然生態系、水資源や農業・食料供給への影響、更には、産業、社会生活、健康への影響等、多岐にわたって悪影響を及ぼしており、温室効果ガス削減対策を先延ばしする猶予はありません。
日本は、京都議定書において、原因となる温室効果ガスを1990年比で6%削減することが決められており、この削減目標6%の内、森林による二酸化炭素吸収減量の算入ルールが定められております。
日本の算入の上限として、林野庁は削減目標達成のために2007年から6年間で330万haの間伐をはじめとする森林整備を集中的に実施することとしています。
しかし、森林所有者の高齢化や不在村化等により自ら施業や経営を行うことが困難な森林所有者が増加していること、林業従事者の減少・高齢化が進行していること等により、手入れ不足の森林が増加し公益的機能発揮への支障が懸念されます。
また、国産材の利用を如何に進めていくことも大きな課題となっており、地元の雇用と連動させた対策が重要であります。
よって、国においてこのような事情を認識し、次の事項について措置されるよう強く要望します。
- 山村地域における森林整備の推進や、そのために必要な林道等の道路網を整備し、持続的な林業生産活動を中心とした山村地域の活性化を図るために、必要な財源を確保すること。
- 国産材(地域材)の利用拡大に向けて、地域材利用の推進や税制上の優遇措置、外材の輸入禁止措置や違法伐採された木材・木製品を使用しないための措置を講ずること。
- 林業事業体等の育成整備のため、民有林と国有林が連携して、木材の安定的な供給や事業量を確保すること。
- 林業労働者の育成・確保に向けての施策を講ずること。
- 大規模山地災害の防止や流域保全の観点から効率的な治山対策を推進すること。
以上、地方自治法第99条により意見書を提出する。
平成20年3月18日
塩尻市議会
<提出先>衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、財務大臣、農林水産大臣、環境大臣、林野庁長官