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意見書(平成19年6月定例会)
意見書(平成19年6月定例会)について記載しています。
平成19年6月定例会では、4件の意見書が可決され、それぞれ関係行政省庁へ提出しました。
異常気象による災害対策や地球温暖化対策の強化・拡充を求める意見書
本来であれば、数十年に一度というレベルの異常気象がこのところ頻発しています。温帯低気圧が台風並みに猛威をふるい、それに伴う洪水や土砂災害、さらには集中豪雨や竜巻の頻発などにより、多くの人命が失われ、家屋や公共施設、農作物にも甚大な被害がもたらされています。
また、海岸侵食の進行や夏の猛暑も例年化しています。こうした異常気象や猛暑は、地球温暖化による疑いが濃厚であると多くの識者が指摘しているところであります。
このような状況下、環境立国をめざす日本は、海岸保全や防災のための施策はもちろん、確実に地球環境を蝕んでいる地球温暖化を防止するための抜本的な施策を講ずべきであります。
よって、以上の観点から次の事項を強く要望します。
- 集中豪雨等による災害に強い堤防や道路等の基盤整備、まちづくりの推進と、森林の持つ能力(CO2吸収力・保水力)に着目し、森林の育成に努めること。
- 集中豪雨や竜巻等の局地予報体制の充実のために、集中豪雨や竜巻発生の短時間予測が可能なドップラーレーダーを計画中のところ以外にも増やすと同時に、緊急避難が無事できるよう体制を確立すること。
- 学校施設や事業所等の屋上緑化、壁面緑化(緑のカーテン)のほか、環境に優しいエコスクールの推進、自然エネルギーの活用を組み合わせて教室や図書館等への扇風機やクーラー等の導入を図ることなどを、積極的に進めること。
- 森林資源などのバイオマスや太陽光、風力、小水力などの自然エネルギーの積極的利用を進めると共に、バイオマスタウンの拡大や関係の法改正等に取り組むこと。
- 今国会で成立した「環境配慮契約法」を実効性のあるものとするため、まず国・政府が率先して温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の推進を積極的に行うこと。
以上、地方自治法第99条により意見書を提出する。
平成19年6月20日
塩尻市議会
<提出先> 内閣総理大臣、国土交通大臣、経済産業大臣、文部科学大臣、環境大臣
「義務教育費国庫負担制度」の堅持に関する意見書
教育的諸課題の解決を思うとき、義務教育費国庫負担制度を堅持することは、国民の切なる願いです。
しかし、政府は国の財政状況が厳しいことを理由に、制度の見直しを行い、昭和60年度以来、旅費や教材費をはじめ共済費追加費用などが、国庫負担の対象外となり一般財源化されました。
さらに、現状を維持するべきだという中央教育審議会の答申が出されたにもかかわらず、平成18年度からは、国庫負担率が二分の一から三分の一へ引き下げられるなど、国から地方への新たな負担転換により、義務教育の円滑な推進に大きな影響を及ぼす恐れがあります。
また、平成20年度予算編成においても、国庫負担率の更なる削減や、義務教育費国庫負担制度そのものの見直しを、検討課題にすることが危惧されます。
よって、義務教育水準の維持と機会均等及び地方財政の安定を図るため、義務教育費国庫負担制度の堅持と国庫負担率を二分の一へ戻すことを強く要望します。
以上、地方自治法第99条により意見書を提出する。
平成19年6月20日
塩尻市議会
<提出先> 内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、文部科学大臣
日豪EPA交渉及びWTO農業交渉に関する意見書
昨年7月末から中断していたWTO農業交渉が再開され、一方では、豪州とのEPA(経済連携協定)の交渉が再開されるなど、わが国農業の存亡に係る重要局面を迎えようとしています。
WTO農業交渉は、年内妥結を目指すため、関税や補助金削減ルールのモダリティの主要論点について、主要閣僚会合での議論を踏まえ、7月までに合意できるかが鍵となっています。このような中、わが国政府は、「多様な農業の共存」という従来からの主張を堅持し、G10提案の実現に向けて断固たる交渉姿勢を貫き通すべきであります。
また、豪州とのEPA交渉においては、関税撤廃による深刻な影響試算が公表されており、こうした事態は、国民生活の上で極めて憂慮すべきことであり、わが国農業の重要な農畜産物の「除外」または「再協議」が絶対に確保されなければなりません。
よって、WTOやEPA交渉においては、わが国の農業の果たす多面的機能を踏まえ重要品目の十分な確保や一定の関税の維持など、適切な国境措置の堅持、とりわけ日豪EPA交渉においては、米、麦、牛肉、乳製品、砂糖などをはじめとしたわが国の重要な農畜産物を「除外」するなど、適切な取扱いを行うことを強く要望します。
以上、地方自治法第99条により意見書を提出する。
平成19年6月20日
塩尻市議会
<提出先> 内閣総理大臣、農林水産大臣、経済産業大臣、外務大臣
トンネルじん肺の被害をなくす対策の徹底を求める意見書
国民が豊かで健全な社会生活を営む上で、安定した就業の場と安全で健康的な職場環境が確保されることは、極めて重要です。
じん肺は、最古にして現在もなお最大の被災者を出し続けている不治の職業病といわれ、トンネルの建設工事や鉱山、石材の切り出し場、造船所、耐火練瓦やガラス工場など、多数の現場から多く発生しています。特に公共工事であるトンネル建設工事においては、多くの患者が発生し、本人のみならず家族も、長年苦しんできました。
この度、トンネルじん肺訴訟で国が新たな粉じん対策強化に取り組む内容とした和解が成立し、じん肺根絶に向け大きく前進いたしました。
和解合意による、掘削作業中の換気、最新方法による粉じん濃度の測定、粉じんの除去装置の付いたマスクの着用など施行業者への義務づけなど、早期法整備と再発防止の徹底、補償基金創設による被害者の救済を推進すると共に、あらゆる職業病防止に向けた取り組みを強く要望します。
以上、地方自治法第99条により意見書を提出する。
平成19年6月20日
塩尻市議会
<提出先> 衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、厚生労働大臣、経済産業大臣、農林水産大臣、法務大臣、国土交通大臣、防衛大臣、内閣官房長官