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シックハウスを防ぐために

ページID:0002957 更新日:2021年6月28日更新 印刷ページ表示

安全な住まい方

近代的生活環境を維持しながら室内の有害化学物質を完全に排除することはほぼ不可能とされています。
 それでも日常生活の工夫次第ではその濃度を最低限に抑えることも可能であり、その対策方法の一部を取り上げてみました。
 シックハウス問題は化学物質に限った事ではなく、湿気やダニなどとも因果関係が深く、それらの対処方も合わせて付記しておきます。

室内空気環境の改善対策
新築後 完成後約2~3週間通気させてから入居する。
特に完成後住居内に立ち入った際、鼻にツンとくる臭いがしたり目がチカチカしたりした場合は充分な措置を施す。
リフォーム後 内装リフォームを施した場合は上記新築同様の措置をとる(但し改装部位により異なる)。やむを得ず居住しながら内装工事をする場合は施工業者と相談し、ほこり、粉塵などを含め空気環境に充分配慮する計画を立てる。
窓開け換気 最も効果的
冷暖房時でも5分程度の窓開け換気を1時間に1回以上行なう。
春から夏場にかけて気温の上昇する時期が、揮発性化学物質の濃度が最も上がる時期であり、この時期は特に窓開け換気を心掛ける。エアコン使用時にもこの換気を忘れないようにする。
ベイクアウト 築後間もない時期に室内の温度を意識的に上げ(35~40℃)、放散を強制的に促進させ、室内汚染を低減させる方法。しかし、ホルムアルデヒドに関しては低減効果は少ないとされている。また、温度を上げすぎると内装材が剥がれたり、建具が反ったりするので注意が必要である。
温度管理 住宅建材に含まれる化学物質は気温上昇と共に放散が活発となる。
このような事から、特に夏場は窓から入る直射日光などをできるだけ遮り、外出時には雨戸やカーテンを閉め、室内温度の上昇を防ぐ。また、新築時には庇(ひさし)や軒の出をできるだけ確保し、自然に温度管理ができる設計が望ましい。
換気扇 換気扇を回す場合は、その対角線上の位置から空気を取り込むよう配慮し、空気の流れをつくる。
空気清浄機 換気効果には及ばないが、換気による低減化を補助することによって効果が得られる機種もある。また、屋外大気汚染が著しい場所などでは重要な選択肢となる。
家具 家具も住宅建材同様、その素材及び接着剤、塗料等から化学物質が放散される。購入時には製品表示を確認し、タンス等は内部の臭いを実際に嗅いでみる。
防臭剤・防虫剤 タンスの引出しや衣装ケースで防虫剤を使用する際には、標準使用量を守る。
空気より重いため、乳幼児や布団に寝ている時間が多い人がいる部屋では、できるだけ使用を避けるか換気を心がける。
トイレで防臭剤として使用する際には必要最低限とし、換気を心がける。
たたみ 畳は目に沿って、1枚につき約1分ゆっくりと掃除機をかける。
湿気の多い畳は業者に頼んで加熱処理を施す。
むし干しをする。
寝具・座布団 週に1~2回、天日干しをする。叩いた後は布団専用ノズルで掃除機をかける。
叩くだけだと、内部のアレルゲン(ダニの糞や死骸)が表面に出てきて逆効果となる。
超高密度繊維カバーを使用する。
ぬいぐるみ 丸洗いできるものはまめに洗濯する。
黒いビニール袋に入れ天日干しし、掃除機をかける。
加湿器 こまめに水を取り替え、洗浄する。
開放型の石油・ガスストーブは水蒸気を発生させるので加湿は不要。
相対湿度が50%を超えたら加湿は控える。
観葉植物 水を与え過ぎない。
衣類 クリーニングから戻ってきた衣類は一度袋から出し、日陰干ししてから収納する。
新しい衣類はホルムアルデヒドが残留していることがあるので、一度水洗いしてから着用する。
タンスやクローゼットに使われる合板や塩ビなどから発生する化学物質が移染する恐れがあるため、特にベビー用品等を収納する場合はビニール袋に入れて収納する。収納家具類の中は狭い空間であるため、低濃度の化学物質でも高密度環境となる場合が多い。

※対処法に共通するキーワードとして換気、通気、除湿、天日・陰干し等が見えてきます。
※全ての環境に当てはまるものでは無い事を前提としてご覧下さい。

設計・施工上の配慮<新築・リフォーム>

 何らかの建築行為の後に症状を訴える方が圧倒的に多くなっています。新築、リフォームの計画段階において設計・施工会社と使用建材について慎重に吟味することが大事です。
 これから家を建てる方、またはリフォームする方は、設計・施工業者と充分にコミュニケーションを図り、適切な対応策を施すよう心がけて下さい。

  1. 敷地条件を把握し、風通しを配慮した窓の配置を計画する。
  2. 家全体の換気を配慮した平面・断面の計画をする。
  3. 常時有効な換気ができるよう、小窓や通気口などを設ける。
  4. 有害物質が少ない接着剤や放散が少ない建材などを使用する。また、隠れた部分の接着剤や下地材の選択にも注意したい。

※ 室内空気環境への影響が大きい内装仕上げ材等には優先的に安全な材料を使用する。

VOC(揮発性有機化合物)の発生源について

 ホルムアルデヒドの発生源は建材、喫煙、暖房器具の使用等が考えられますが、その中でも著しく多いのが尿素-ホルムアルデヒド系の接着剤を使った建材や内装材です。ホルムアルデヒド以外のVOC発生源については建材、ビニール壁紙、断熱材、畳、防蟻剤など、ありとあらゆるものが考えられます。

発生源の種類(建材以外) 主な材料・製品
家具・調度品 カーペット(接着剤・原料)
家具・調度品 タンス(接着剤、防虫剤・原料)
家具・調度品 カーテン(難燃化剤)
暖房・厨房機器 開放型石油ストーブ
暖房・厨房機器 ガスレンジ(燃料、燃焼生成物)
暖房・厨房機器 システムキッチン(接着剤・原料)
空調機器 空調システムのダクト内壁SVOC
日用品 化粧品、事務用品、接着剤、芳香剤、消臭剤、滅菌剤など
電化製品・事務機器 掃除機(防菌剤)、コピー機、マーカー(有機溶剤)など
自動車関連製品 燃焼、排ガス、内装材など

 ガス器具や電気製品などからもVOCは発生していますが、これらを排除するのは日常生活のうえでは不可能に近いことを考えると、住宅建材の選択は重要となります。