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漆工町 木曽平沢
重要伝統的建造物群保存地区
木曾平沢は、市域南部の中央に位置し、中山道沿いに南北に広がる集落です。木曽漆器の産地としての「漆工町」の成立は、江戸時代以前にまで遡ります。後に近代において全国的な漆器産地として発展すると、昭和24年には、旧通商産業省より重要漆工集団地の指定を受けました。また、昭和49年に木曽漆器が国の「伝統的工芸品」指定され、平成3年には木曽漆器館が収集した木曽漆器関連資料が国の重要有形民俗文化財に指定されました。そして、平成18年7月、木曾平沢の漆工に立脚した街並みは、漆工町としては唯一、国の「重要的建造物群保存地区」に選定されました。
町並みの特徴
保存地区は、現在は本通りと呼称される中山道が南北に縦断し、その西側に並行して金西町(きんさいちょう)の街路が位置しています。それぞれの通りの両側に、近世後期にさかのぼる奥行きの深い短冊状の敷地割が残されています。本通りは、道の両側で漆器の店舗を持つ主屋が多く見られ、漆器の町を印象付ける景観であるのに対して、近代になって開削された金西町の街路は店舗を持たない主屋が並んでおり、漆器職人の住まいが立ち並ぶ職人町といった景観を見せています。木曾平沢は、本通りと金西町が一体となり、漆器生産から販売までを行う漆工町と呼ぶにふさわしい町並み景観を呈しています。
本通りの町並み 金西町の町並み