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”油”断大敵!脂質異常症をイチから学ぼう(食事編)
脂質異常症を改善する食生活
<ポイント>
- 適正エネルギーの維持
標準体重に必要なエネルギー量を目指しましょう。
減量が必要な方はまずは3パーセントの減量から。
- 腹八分目にして、ゆっくりよく噛んで食べましょう。
- 脂質を減らしましょう。
LDL(悪玉)コレステロールが高めな方
- コレステロールを多く含む食品を食べ過ぎないようにする。
卵、魚卵、肉の内臓類はコレステロールを多く含んでいます。重症化予防のため、コレステロールは、1日20ミリグラム未満に留めましょう。
- 油の種類に注意しましょう。
肉の脂肪や乳脂肪のとりすぎは、LDLコレステロールを増やします。
- トランス脂肪酸の摂取を控える。
マーガリン、ショートニングなどに含まれる不飽和脂肪酸の一種です。クッキー、ポップコーン、クロワッサンなどに多く使われ、LDLコレステロールを増やしてしまう作用があります。
- 食物繊維を多くとろう。
野菜・海藻・きのこ類に含まれる食物繊維は、コレステロールを体外に出してくれます。
- 大豆・大豆製品の摂取は動脈硬化を予防します。
中性脂肪が高めな方
- 炭水化物や脂質のとりすぎに注意しましょう。
お菓子、パン、果物、ジュース、清涼飲料水、はちみつなどの糖質、肉、バターなどの乳製品の脂質に注意しましょう。
- エネルギーが高い油料理を控える。
- アルコールの摂取はほどほどに。
純アルコールで1日20グラム程度の摂取にします。
純アルコール=アルコール度数(パーセント)÷100×飲む量(ミリリットル)×0.8
- 魚油を積極的に摂りましょう。
HDL(善玉)コレステロールが低めな方
- 中性脂肪の値が高すぎませんか?
中性脂肪の値が高いとHDLコレステロールを消費しすぎてしまいます。
- トランス脂肪酸の摂取を控える。
HDLコレステロールを減らしてしまう作用があります。
LDLコレステロール・中性脂肪が高い方は油の種類に注意しましょう
α-リノレン酸 |
しそ油、えごま油、アマニ油、オリーブ油 |
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DHA |
マグロ脂身、ブリ、サバ、サンマ、ウナギ、アジ |
飽和脂肪酸 | 肉の脂身、バター、生クリーム、チーズ、ラードなど… |
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- 運動には…中性脂肪を下げ、HDLコレステロールを上げる効果があります。
特に、ウォーキングや水泳などの「有酸素運動」が効果的です。
継続して行うことが大切です。
油脂と上手に付き合おう
食品中に含まれる”あぶら”のことを「油脂」と言います。室温で液体のものは「油」(サラダ油やオリーブ油)、室温で固体のものは「脂」(バターやラード)と呼びます。一日の油脂の摂取量のうち、調理で使う油(サラダ油など)は摂取量全体の約20パーセントで、残りの約80パーセントは肉類・魚類・穀類などの食材から摂るものです。すべての油脂は、1グラムあたり9キロカロリーと高めです。目には見えない油脂に気を付けることも大切です。
肉の部位や種類によるエネルギー量の違い
脂の多い部位は、エネルギー量が高くなります。
調理法で脂質を減らす工夫
油のエネルギー量は大さじ1(12グラム)で約110キロカロリーと高めです。油は調理の過程で使われることが多く、特に揚げ物はどれだけ油を吸っているか、わかりにくいのが特徴です。食材や衣、切り方によって吸油率が変わりますので、油を上手に使ってください。
- 揚げる・炒めるよりも、蒸す・煮る。
- 食材を大きく切る。
- 油を使わず網焼き、アルミホイルに包む、テフロン加工のフライパンを使う。電子レンジ加熱を利用する。
- 肉類は下茹でや湯通しをする。
肉は赤身や皮なしの鶏肉など、脂肪の少ないものを選び、調理前に脂身や皮を取り除く。 - 脂質を抑えた和食を選ぶ。
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