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平成29年度決算
平成29年度普通会計の決算状況をお知らせします。
問い合わせ 財政課財政係 電話0263-52-0280 内線1361
29年度普通会計決算の状況
歳入は、国からの交付金や、ふるさと寄附金が増加したものの、市税や地方交付税が減少したことにより、28年度に比べて2.5%減の269億5037万円となりました。
歳出は、扶助費が増加したものの、その他の経費が減少したことにより、28年度に比べて2.3%減の264億9594万円となりました。
その結果、歳入歳出差引額から翌年度へ繰り越すべき財源を除いた実質収支は4億1011万円の黒字となりました。
※普通会計とは、自治体間の財政比較などを可能にするため、全国統一的に用いられている会計区分で、本市の場合、一般会計と奨学資金貸与事業特別会計がこれに該当します。
29年度普通会計歳入決算額 269億5037万円
歳入の特徴
歳入全体では、28年度に比べて2.5%減、約7億円の減少となりました。
自主財源は、28年度に比べて使用料・手数料が8.6%、繰越金などが3.8%増加しましたが、市税が1.6%減少したため、自主財源全体では2.5%の減少となりました。
依存財源は、28年度に比べて交付金が7.3%増加しましたが、地方交付税が2.1%減少するとともに、地方債の借り入れが3.0%減少したため、依存財源全体では2.5%の減少となりました。
市税決算額の内訳をみると、28年度に比べて軽自動車税、固定資産税、都市計画税が増加しましたが、市民税、市町村たばこ税が減少するなど、市税全体では1.6%の減少となりました。
「円グラフ」
※( )内の数値は構成比です。
自主財源(51.7%)
内訳
市税 97億470万円(36.0%)
繰越金など 18億6142万円(6.9%)
諸収入 16億3502万円(6.1%)
使用料・手数料 7億441万円(2.6%)
分担金・負担金 3420万円(0.1%)
依存財源(48.3%)
内訳
地方交付税 51億4339万円(19.1%)
国庫・県支出金 39億8076万円(14.8%)
地方債 21億2683万円(7.9%)
交付金 17億5964万円(6.5%)
市税の内訳は…
市税の内訳
固定資産税 44億7205万円(46.1%)
市民税 42億4066万円(43.7%)
市町村たばこ税 4億1518万円(4.3%)
都市計画税 3億6904万円(3.8%)
軽自動車税 2億547万円(2.1%)
入湯税 205万円(0.0%)
鉱産税 25万円(0.0%)
用語解説
自主財源 市が自ら徴収または収納できる財源
- 市税 市民や企業が納めた税金
- 繰越金など 前年度の繰越金や、基金を取り崩した繰入金、寄付金など
- 諸収入 貸付金の元金収入など
- 使用料・手数料 保育料や市の施設の使用料、証明手数料など
- 分担金・負担金 特定のサービスを受けた人からの負担金など
依存財源 国・県などから交付または借り入れた財源
- 地方交付税 市が全国標準的な行政サービスを提供するため、財政状況に応じて国から交付されたお金
- 国庫・県支出金 特定の目的のために国や県から交付されたお金
- 地方債 市が大規模な事業を行うために、国や銀行などから借り入れたお金
- 交付金 国から一定の割合で配分、譲与されたお金
29年度普通会計歳出決算額 264億9594万円
歳出の特徴
歳出全体では、28年度に比べて2.3%減、約6億円の減少となりました。
義務的経費は、28年度に比べて扶助費が0.9%増加したものの、人件費が1.6%、公債費が3.0%減少したため、義務的経費全体では1.1%の減少となりました。
普通建設事業費は、北部交流センターの実施設計や、新体育館の基本設計を行いましたが、洗馬小学校大規模改修事業や大門地区センター建設事業といった大型事業の完了に伴い、28年度に比べて3.6%の減少となりました。
歳出決算額を目的別にみると、福祉の充実(88億円)、市の運営(32億円)、教育・文化の振興(31億円)、道路・公園などの整備(30億円)、市の借金返済(29億円)などの決算額が大きくなっています。
「円グラフ」
※( )内の数値は構成比です。
義務的経費(46.0%)
内訳
人件費 52億4077万円(19.8%)
扶助費 39億7959万円(15.0%)
公債費 29億6559万円(11.2%)
消費的経費(43.8%)
内訳
物件費 42億2009万円(15.9%)
補助費等 37億5249万円(14.2%)
投資・出資金・貸付金 9億5248万円(3.6%)
繰出金 19億6605万円(7.4%)
積立金 4億6631万円(1.7%)
維持補修費 2億5762万円(1.0%)
投資的経費(10.2%)
内訳
普通建設事業費 26億5714万円(10.1%)
災害復旧費 3781万円(0.1%)
目的別に分類すると…
目的別歳出決算額
福祉の充実 88億78万円(33.2%)
市の運営 32億4372万円(12.2%)
教育・文化の振興 31億4088万円(11.9%)
道路・公園などの整備 30億3万円(11.3%)
市の借金返済 29億6559万円(11.2%)
健康、衛生の推進 15億2334万円(5.8%)
商工、観光の振興 15億1031万円(5.7%)
農林水産業の振興 10億8318万円(4.1%)
消防、防災対策 8億740万円(3.0%)
その他 4億2071万円(1.6%)
用語解説
義務的経費 支出が義務付けられている経費
- 人件費 市職員給与、市議会議員報酬、各種委員報酬など
- 扶助費 生活保護費、各種医療費の助成など
- 公債費 借り入れた市債(借金)の返済金
消費的経費 行政サービスに要する経費のうち、形を残さない性質の経費
- 物件費 光熱水費、消耗品費、委託料や使用料など
- 補助費等 特定の事業や団体への補助金や交付金
- 投資・出資金・貸付金 融資資金などの貸付金
- 繰出金 国保会計など他会計へ繰り出したお金
- 積立金 特定の目的のために基金へ積み立てたお金
- 維持補修費 道路や施設などの維持補修費
投資的経費 道路、学校、市営住宅の建設など、社会資本を整備するための経費
- 普通建設事業費 道路や公園、学校など公共施設の建設費など
- 災害復旧費 災害時の公共施設の補修費など
財務書類で見る市の決算状況
決算書では把握できない資産・負債情報やコスト情報を明らかにするため、全国統一的な基準で作成した29年度の普通会計の財務書類を公表します。
用語解説
- 財務書類 資産や負債などの情報を明らかにするため、民間企業向けの会計の考え方を参考に作成した資料のこと。「貸借対照表」、「行政コスト計算書」、「純資産変動計算書」および「資金収支計算書」の4種類があります。
- 全国統一的な基準 28年度決算から導入された全国共通の財務書類の作成方法のこと。作成方法が統一されたことで、市町村間の比較が容易になりました。
貸借対照表(30年3月31日現在)
市が持っている資産の総額
資産の部 1,111億円(市民1人当たり166万円)
固定資産(土地、建物などの資産)1,063億円
- 事業用資産(現在の価値)587億円
学校など行政サービスを提供するための資産(市民1人当たり87万円) - インフラ資産(現在の価値)435億円
市民の生活に必要な道路や公園などの資産(市民1人当たり65万円) - 特定目的基金(残高)24億円
将来の道路整備などへの積立金(市民1人当たり4万円)
物流資産(現金や預金などの流動的な資産)48億円 - 財政調整基金(残高)36億円
市の貯金(市民1人当たり5万円)
資産 合計 1,111億円
資産の取得費用のうち、これから支払う額
負債の部 328億円(市民1人当たり49万円)
固定負債(将来支払う事が決まっている額)293億円
流動負債(負債のうち1年以内に支払う額)35億円
- 地方債(残高)265億円
市の借金(市民1人当たり39万円)
資産の取得費用のうち、既に支払った額
純資産の部 783億円(市民1人当たり117万円)
純資産計 783億円
負債・純資産 合計 1,111億円
解説
「貸借対照表」では、市が持っている建物や道路、基金といった資産の残高(資産額)や、借金の返済、職員の退職手当など将来支払う事が決まっている額(負債額)、建物や道路の建設に際し、既に支払った額(純資産額)を確認することができます。
市が持っている資産や負債の額は多い方ですか?少ない方ですか?
市民1人当たりの資産額と負債額を比べると、どちらも県内19市の平均より若干少ないです。資産や負債が多すぎると、資産の維持更新費用や負債の返済が財政を圧迫してしまうので、引き続き適正な規模の維持に努めます。
行政コスト計算書(29年4月1日から30年3月31日)
経常費用 A 236億円
行政サービスの提供に掛かる費用
- 業務費用 142億円
うち人件費 (55億円)
うち物件費など (83億円)
うちその他業務費用 (4億円)
他団体や個人に対する支出 - 移転費用 94億円
うち補助金など (34億円)
うち社会保障給付 (36億円)
うち他会計への繰出金 (24億円)
使用料・手数料などの収入
経常収益 B15億円
純経常行政コスト C(A-B)(△)221億円
災害復旧費や資産売却益など - 臨時損益 D △1億円
純行政コスト(C+D)(△)222億円
解説
「行政コスト計算書」は、行政サービスの提供に掛かる費用と、サービス利用者から頂く手数料などの収益の年間取引高を示す書類です。
行政コスト計算書から何が分かりますか?
市町村はどこもほぼ同じ行政サービスを提供しているので、行政コストが少ない方が効率的で良いとされています。
市では、低コストで安定した行政サービスが提供できるよう、行政コストの削減に努めています。
純資産変動計算書(29年4月1日から30年3月31日)
前年度末純資産残高 791億円
行政サービスの提供に掛かる費用
- 純行政コスト (△)222億円
- 財源 212億円
うち税収など (172億円)
うち国県等補助金 (40億円)
本年度差額 △10億円
資産の無償取得など - 本年度純資産変動額 2億円
本年度末純資産残高 783億円
解説
純資産変動計算書から何が分かりますか?
「純資産変動計算書」は、1年間の純資産の増減を示すとともに、行政コスト計算書で計算したコストをどのような収入(財源)で賄っているか示す書類です。
また、資産の無償取得など、現金の動きを伴わない資産の増減を確認することができます。
資金収支計算書(29年4月1日から30年3月31日)
業務活動収支 16億円
行政サービス提供に関する支出
- 業務費用支出 205億円
投資活動・財務活動以外の収入 - 業務収入 221億円
投資活動収支 △10億円
資産の取得などに関する支出 - 投資活動支出 32億円
資産の取得などに関する収入 - 投資活動収入 22億円
財務活動収支 △7億円
借金の返済などに関する支出 - 財務活動支出 28億円
資金の借り入れに関する収入 - 財務活動収入 21億円
本年度資金収支 △1億円
前年度末資金残高 5億円
本年度末資金残高 4億円
解説
「資金収支計算書」は、1年間の現金の流れを決算書のような「予算科目別」ではなく「活動別」に示した書類で、収入合計額および支出合計額は、決算書の歳入歳出決算額と一致します。
「本年度資金収支額」がマイナスということは、赤字だったのでしょうか?
資金収支計算書では、前年度からの繰越金を収入として計算しないため、「本年度資金収支額」がマイナスになることもあります。
29年度は前年度からの繰越金(前年度末資金残高)が5億円あったため、実際は4億円の黒字決算となっています。
指標で見る市の財政状況
最新の指標を使って市の財政状況を分析し、県内19市の平均と比較した結果をお知らせします。
指標 29年度
説明 28年度 28年度の19市平均
資産形成度 19市の平均並
子どもたちの世代に残る資産はどれくらいあるか
市民1人当たりの資産額 1,655千円
人口1人当たりの資産総額を表します。
前年度 1,671千円
19市平均 1,864千円
歳入額対資産比率 4.1年分
これまでに形成された資産が歳入の何年分に相当するかを表します。
前年度 4.1年分
19市平均 4.0年分
有形固定資産減価償却率 52.3%
耐用年数に対して資産取得からどの程度経過しているかを表します。
前年度 50.6%
19市平均 57.6%
健全性 19市の平均並
財政運営に持続可能性があるか
市民1人当たりの負債額 489千円
人口1人当たりの負債総額を表します。
前年度 493千円
19市平均 545千円
債務償還可能年数 14.8年
実質的な債務が業務活動収支の黒字の何年分あるかを表します。
前年度 14.3年分
19市平均 11.1年分
基礎的財政収支 黒字
地方債借入金を除く歳入と地方債元利返済金を除く歳出の収支を表します。
前年度 黒字
世代間公平性 19市の平均より上
子どもたちの世代と現役世代との負担の割合は適切か
純資産比率 70.5%
子どもたちの世代と現役世代の負担の割合を表します。
前年度 70.5%
19市平均 69.2%
将来負担比率 38.3%
市が将来負担する実質的な債務の財政規模に占める割合を表します。
前年度 41.8%
効率性 19市の平均より上
行政サービスは効率的に提供されているか
市民1人当たりの純行政コスト 332千円
人口1人当たりの行政サービス提供コスト総額を表します。
前年度 324千円
19市平均 372千円
自律性 19市の平均より上
財政に自立性や自主性はあるか
受益者負担割合 6.3%
行政サービスの提供に対する受益者負担の割合を表します。
前年度 6.0%
19市平均 5.1%
財政力指数 0.68
市の財政基盤の強さを表します。
前年度 0.67
19市平均 0.57
弾力性 19市の平均より下
資産形成や臨時的な事業を行う余裕はどのくらいあるか
行政コスト対税収等比率 129.4%
税収などがどれだけ行政コストに使われたかを表します。
前年度 127.6%
19市平均 133.4%
経常収支比率 91.3%
経常的な経費に経常的な収入がどの程度使われたかを表します。
前年度 91.7%
19市平均 88.9%
詳しい内容は市ホームページ(URL http://www.city.shiojiri.lg.jp/)の「行政情報」>「財政」>「決算・財政状況」でご覧いただけます。
29年度決算 基本戦略別の主な取り組み
29年度は「第五次塩尻市総合計画第1期中期戦略」の最終年として、本市が目指す都市像「確かな暮らし未来につなぐ田園都市」の実現に向け、3本の基本戦略と、基本戦略を包括し機能的に推進するプロジェクトに重点的に取り組みました。
基本戦略A 子育て世代に選ばれる地域の創造
子育て、教育環境の充実を図り、子育て世代に選ばれる地域を目指した施策に取り組みました。
- 子どもを産み育てる環境の整備
- 不妊治療に対する補助対象期間を3年から5年に延長して実施(1,400万円)
- 老朽化したみずほ保育園の大規模改修を実施(1億3,619万円)
- 新たに乳幼児のB型肝炎を加えた計13種類の予防接種を実施(1億8,527万円)など
- 教育再生による確かな成長の支援
- 2020年度からの小学校英語教育早期化・教科化に備え、新たに配置した英語教育専門指導主事を中心に教員の指導力向上を促進(2,308万円)
- 老朽化した塩尻東小学校の大規模改修を実施(5,173万円)など「写真」
基本戦略B 住みよい持続可能な地域の創造
「暮らしやすさ」を維持・発展させ、自立した持続可能な田園都市として、市民の暮らしの満足度の維持・向上を目指した施策に取り組みました。
- 産業振興と就業環境の創出
- 起業家精神あふれる人材の育成を目標とした高校生起業家育成プログラムを実施(486万円)など
- 地域資源を生かした交流の推進
- 北部交流センター(えんてらす)建設用地の取得と設計の実施(4億9,952万円)など
- 域内循環システムの形成
- 塩尻市森林公社を設立し、森林利活用事業の推進体制を構築(6,409万円)など
- 危機管理の強化と社会基盤の最適活用
- みどり湖ため池の耐震化工事を県営事業として実施(1,342万円)など
基本戦略C シニアが生き生きと活躍できる地域の創造
高齢者が健康で社会的、経済的に自立し、地域社会に貢献することができる仕組みづくりや、健康寿命の延伸を目指すための施策、住み慣れた地域での生活が継続できるような支援などに取り組みました。
- 生涯現役で社会貢献できる仕組みの構築
- (仮称)ふれあいセンター東部の設計を実施(838万円)など
- 健康寿命の延伸と住み慣れた地域での生活継続
- 健康増進を図るため、がん検診などの各種検診を実施(7,479万円)
- 歯科衛生士を中心に歯科健診や歯科保健指導を実施(515万円)など「写真」
基本戦略を包括し機能的に推進するプロジェクト
本市が持つ地域資源の価値を再発見し、磨き上げ、発信することによる認知度向上や移住・定住の増加を目指すための施策や、地域課題を自ら解決できる「人」と「場」の基盤づくりのための施策に取り組みました。
- 地域ブランド・プロモーション
- 地場産品を効果的に活用しながら塩尻全体のブランド化を図るため、ワインの品質向上や大都市圏でのPRなどの事業を展開(1,816万円)など
- 地域課題を自ら解決できる「人」と「場」の基盤づくり
- 地域が身近な課題を主体的に解決していく事業を支援するため、市内7地区の協議体などに交付金を交付(557万円)など「写真」